輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.02.02
【ジープ ラングラー】輸入クロカンの本命車種、ラングラーの買い方指南

ライバルの相場と比較してわかったこと
SUVブーム真っ盛りの昨今、以前と比べて目立たぬ存在になってしまったクロスカントリー(略してクロカン)。ハイトな最低地上高を持ち、オフロード走破も可能なことから、このふたつのジャンルは一括りにされがちだ。しかし自動車の歴史書をひも解けば、先に登場したクロカンのほうが本家本元。そしてクロカンというジャンルのなかで、さらなる本家本元となるのが今回ご紹介するジープ。正確には、1940年代(つまり戦中)に製造されたウィリス・オーバーランド社製の軍用車をルーツとするジープ ラングラーである。
戦後になると、ジープブランドは紆余曲折があって親会社が次々と変わり、現在はフィアット・クライスラー・オートモービル(FCA)の1ブランドに収まっている。ウィリス時代のジープの面影を残しつつも、ヘビーデューティなオフローダーとしてのコンセプトを揺るがすことなく、時代の潮流を乗り切ってきたラングラーは、自動車史に燦然と輝く名車と言っていい存在だ。ちなみにそんなラングラー、先日新型が発表されて、日本でもフルモデルチェンジ目前という状況である。
ラングラーは日本でも人気の高い1台で、グーネット中古車検索でもクライスラー系モデルのなかで、売れ行きはつねに上位にランクインしている。その理由は、なんと言ってもアメ車らしいタフネスな外観と、そんなルックスを裏切らない本格的なオフロード性能を持っているから。とくに2007年に登場した現行型ラングラーは、実用的な5ドアを備えた「アンリミテッド」が設定され、日々使えるクルマとしても実力が高い。そして現行型以降、オンロードでの乗り心地が格段に進化したから、人気に拍車が掛かっている。
しかし、クロカンというジャンルは市場が狭くても、奥深いカテゴリーだ。それゆえ、数少ないライバルの存在も忘れてはならない。今回は他メーカーのクロカンと相場を比較し、現行型ラングラーの中古車動向を掘り下げたいと思う。それでは、ライバルを交えた中古車平均価格を見てみよう。
グレード | 中古車平均価格 |
ジープ ラングラーアンリミテッド | 352万円 |
ランドローバー ディスカバリー4 | 447万円 |
メルセデス・ベンツ Gクラス | 781万円 |
グレード別の相場をチェック!

ラングラーは、比較的シンプルなモデル構成なのが特徴。大きく分けると、3ドア・ショートボディの「ラングラー」と5ドア・ロングボディの「ラングラーアンリミテッド」を設定。さらに、それぞれのボディにエントリーグレードの「スポーツ」、豪華装備を充実させた「サハラ」、そしてラングラーシリーズの真骨頂とも言えるハードコア仕様「ルビコン」が用意されている。
ちなみに「ルビコン」は、すべてのデフをロックする「トゥルロックディファレンシャル」、車体が斜めに傾いたときにクルマを水平に戻してくれる「フロントスウェイバーディスコネクトシステム」を搭載。これらのおかげで、岩がゴロゴロと転がっている荒地ですら走破可能で、「ルビコン」はもっともジープらしいジープと言っていい。それを踏まえて中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
スポーツ | 246万円 |
サハラ | 289万円 |
ルビコン | 299万円 |
アンリミテッド スポーツ | 336万円 |
アンリミテッド サハラ | 357万円 |
アンリミテッド ルビコン | 449万円 |
ハードコア仕様の「ルビコン」は、意外にも物件数が極めて少ない。また、ショートボディもロングボディ(アンリミテッド)の1割以下しか存在せず、探しにくい状況となっている。これは本格オフローダーとしてのニーズより、ラングラーのルックスに惚れ込んで購入するユーザーが多い傾向の表れかもしれない。
相場はショートボディのほうが全体的に安いが、物件の少なさを考えるとアンリミテッドのほうが探しやすい。「スポーツ」と「サハラ」はほぼ同程度の物件数で、価格もそれほど差はない。
年式別の相場動向を知る

現行型ジープラングラー(JK型)は、2007年3月に07年モデルとして発売された。国内デビューからすでに10年以上経過するが、その間に大きなマイナーチェンジは1度だけ。当初は3.8L V6 OHVを搭載し、5速MTまたは4速ATを組み合わせていた。12年モデル以降は新世代3.6L V6 DOHC+5速ATに置き換えられ、出力、トルク、燃費ともにアップしている。年式別の中古車平均価格は、以下のような結果となった。
年式 | 中古車平均価格 |
2007年式 | 261万円 |
2008年式 | 283万円 |
2009年式 | 280万円 |
2010年式 | 288万円 |
2011年式 | 312万円 |
2012年式 | 318万円 |
2013年式 | 341万円 |
2014年式 | 359万円 |
2015年式 | 374万円 |
2016年式 | 397万円 |
2017年式 | 379万円 |
※データはラングラー アンリミテッドのみを集計。
まず初めに、ここで示した年式は登録年であり、モデルイヤーではないことを記しておく。ただ、後期型が登場したのは2012年1月だから、この年式に登録された物件のほとんどが12年モデルだと考えてよい。そう考えると、前期型と後期型の境界線において大幅な価格の上昇は見られない。
物件数に注目すると、後期型のほうが豊富なことも知っておきたい。そう考えるとターゲットは後期型。とくに2012年式は物件が充実しており、価格と品質のバランスがよいので注目しておこう。購入予算はおおむね300万円。もう少しリーズナブルに買いたいなら、250万円前後でねらえる前期型という選択肢もあるから、じっくり考えて選びたい。
先代ラングラーの相場と今後の動向は?

先代ラングラー(TJ型)は1996年に発売された。現行型は欧州ブランドのライバルたちと比べると安いものの、大幅な値崩れはせず、バーゲンセールとは決して言えない。そんなわけで先代の相場も気になるところだ。
先代型も市場にそれなりの数が流通しており、平均価格はおよそ120万円となっている。現行型の半分程度の予算でねらえるから、十分魅力ある選択肢なのは間違いない。ただし基本的にすべてショートボディとなり、オンロード性能は現行型のように洗練されていない。言うなれば、ラングラーファンが好むコアなクルマだから、カジュアルなSUVを買う気持ちなら、あまりオススメできない選択。また改造車が多いため、ある程度下調べをして探す必要がある。
さて、冒頭でも述べたが2017年11月のロサンゼルスショーで、次期型ラングラー(JL型)がワールドプレミアされた。日本仕様の具体的な情報は現段階でアナウンスはないが、ルックスはキープコンセプトながら、各部が洗練された非常に魅力あふれる仕上がりとなっているようだ。また、2018年1月のデトロイトショーでは、同じくクロカンの新型メルセデス・ベンツ Gクラスも登場。さらに、ランドローバーから近々新型ディフェンダーが登場するとの噂もある。いま世界を駆け巡るSUVフィーバーがひと段落したら、かつてのようなクロカンブームが再びやってきそうな気配がある。少なくとも、ラングラーは新型の登場で今後さらに相場が下がる可能性が濃厚だ。購入検討をしているひとは、相場動向をチェックしておくことをオススメしておく。
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