輸入車
更新日:2025.11.13 / 掲載日:2025.11.13
人気中古車実車レビュー【メルセデス・ベンツ Eクラス】熟成された実力派高級セダン

[メルセデス・ベンツ Eクラス]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、BMW、アウディ
※中古車参考価格は2025年10月グーネット調べ。 ※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年12月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2025-2026 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
ラグジュアリーセダンの王道モデルがお買い得!

今回チェックするのは、輸入車界のビッグネーム、メルセデス・ベンツ Eクラスです。取材したのは、2023年モデルの「E200スポーツ」で走行距離は1万2000km、支払総額は670万8000円になります。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。竹岡さんにとってこの世代のEクラスには思い入れがあるそうです。
「チーフマネージャーからメルセデスを買いたいという相談を受けたことがあったのね。その人はEクラスかCクラスか迷っていて、最終的にこのEクラスのワゴンを選んだの。タイミングとしてはフルモデルチェンジも近かったんだけど、クルマも熟成されているし、Cクラスと比べたときに、やっぱりEクラスはよくできてる。Cクラスが大型化して立派になったこともあって、Eクラスの存在感が薄くなったように感じたけど、やっぱりEはよくできてる。実際チーフマネージャーには喜んでもらえて、大切な人だから推薦した私もうれしかったな」
Eクラスは、1946年に登場したW136/191型から80年近くもの歴史を重ねてきたメルセデスを代表するラグジュアリーセダン。Sクラスが、後席にオーナーが乗り込むケースがあるのに対して、Eクラスはドライバーズカーの最高峰として進化してきました。今回取材するのは5代目(W213型)で、2023年まで販売されていました。
「この世代のEクラスはデザインが上品だよね。シンプルかつていねいに作り込まれていて、今見ても古さを感じない。メルセデスに求めるエレガントさが凝縮されている。インテリアも、当時はすごく先進的に感じたけど、今の基準で見るとむしろ落ち着いてしっくりくる」

発売当初は、「200」が2Lのガソリンターボで「220d」が2Lディーゼルターボ、そして「400」が3.5LV6ツインターボを搭載。2019年の改良から「200」が1.5Lガソリンターボ+48Vマイルドハイブリッドシステムに変更、2Lターボ搭載の「300」が登場。改良型3LV6ツインターボは「450」と呼ばれています。また、プラグインHVも、ガソリン「350e」とディーゼル「350de」それぞれに用意されました。
取材車両は2020年のマイナーチェンジ以降のモデル、特にステアリングの改良は使い勝手にも大きく貢献しています。
「先代Eクラスは中古車としてすごく魅力的。ブルメスターのオーディオやサンルーフ、ナッパレザーまで付いたフル装備で600万円台。下手したら国産SUVの新車と変わらない値段だもん。1.5Lターボでもパワーは適度にあるし、どの席に座ってもおもてなしされている感じがあって、プライベートにもビジネスにも活躍すると思う。自分で欲しいくらい!」
2024年にEクラスがフルモデルチェンジしたことで、先代Eクラスの中古車相場は徐々に下落傾向。モデルの傾向としても、新型が登場すると乗り換えるオーナーが多いので、これから中古車市場に出まわる物件も多くなってくるでしょう。ぜひ先代Eクラスに注目してください。
メルセデスを代表する実力派高級セダン

堂々としたサイズのボディを持つラグジュアリーセダン。第5世代にあたるW213型は、現行モデルにも通じる先進的な装備と高効率パワートレインを採用しているのが特徴です。また、パワートレインはキャラクターの異なるユニットを用意することで、ユーザーニーズに幅広く対応。まさにメルセデスらしい1台です。
中古車参考価格帯:250万円〜820万円(16年〜24年 Eクラス 全グレード)
取材協力|メルセデス・ベンツ港南台 サーティファイドカーセンター

2023年11月のリニューアルでサーティファイドカーセンターを拡大オープン。全天候型の展示場を備えているため、じっくりと車両を確認できる。認定中古車は車種、バリエーションともに豊富。新車デモカーのような良質な物件も数多く見逃せない。充実したサービス体制も魅力で、これまでに最優秀販売店にも選ばれている。
SHOP DATA
住所:神奈川県横浜市港南区港南台8-7-3
TEL:045-830-1521
定休日:水曜日
営業時間:10:00〜18:00
URL:https://www.stern-setagaya.co.jp/stores/mb-kohnandai
メルセデス・ベンツ Eクラスの実車をチェック!
【デザイン】時代を超越するシンプルながら考え抜いたデザイン

まさに正統派。これぞラグジュアリーセダンといった端正で威厳にあふれたデザインです。誰が見てもひと目でメルセデスだとわかる顔つき。そして、シンプルだからこそ質感の高さが伝わってくるボディパネルは、年式を感じさせません。インテリアデザインは先進性と落ち着きを両立しており、アンビエントライトによる演出も相まって高級感抜群。オプションのAMGラインを装着することで、内外装ともにスポーティさもアップ。ぜひ装着車を選びたいところ。

【装備】快適装備を満載 先進安全装備は現在でもハイレベル

この世代のEクラスから採用されたMBUXは、まるでスマホのように多彩な機能を直感的な操作で操れるインフォメーションシステム。ナビや音楽、エアコンといった各種機能を、画面へのタッチ、ハンドルのスイッチ、手元のパッド、そして音声と好きな方法でコントロールできます。取材車両は「E 200」というベーシックなモデルですが、それでもご覧のとおり室内は豪華そのもの。装備は装着しているオプションによってかなり左右されるので、詳細も確認しましょう。

【使い勝手】前席はもちろん後席も快適至極さすがはEクラス

Eクラスを求めるユーザーにとっての使い勝手とは、上質感や快適さと同意義のはず。そういった部分については、Eクラスは完璧に近いクルマです。画面や機能の切り替えは、ステアリングのスイッチでOK。ボイスコントロールも反応がよく実用的です。運転席や助手席はもちろん、後席は前席以上に空間にゆとりがあり、グラスルーフは面積も広くリラックスした気分で移動できます。ラゲッジルームも広大で、キャディバッグは手前側に横置きすることも可能。

高級車とはこういうものだと実感させる

竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
最近のメルセデスに比べると、若干大人しい優しい印象だが、逆にパーソナルフラッグシップモデルともいえるEクラスとなると、これくらいが落ち着いていてちょうどいい雰囲気のように思えたりします。インテリアの雰囲気もギラギラした感じもなく、居心地のいいプレミアムな空間にまとまっていると感じました。
装備[★★★★★]
世界中のメーカーの中で安全性に長けたメーカーとして、真っ先に名前が挙がるブランドのひとつでもあり、先進装備や安全装備は文句ナシと言ったところです。特にこちらの個体はほぼフル装備と言った感じで、パワートレインは抑えつつ装備は超高級に設えるといった、本当の意味での上級装備を実現しています。
使い勝手[★★★★★]
ちょっと前までは同じ操作をするのにも、さまざまなアプローチの仕方があり、慣れるまで操作に手こずる感じもありましたが、スイッチ類がかなりシンプル化されグッと使いやすくなりました。物理スイッチもしっかり残してあるので、運転中の手探り操作性が高いのも魅力。ボイスコントロールも改良されています。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
誰もがイメージのなかにあるメルセデスを形にしたようなデザイン。一時期の輸入車はインパクトの強い造形が主流で、このEクラスは地味にすら感じました。ところが、こうして時間が経つと造形が持つ美しさが際立ちます。インテリアもそうで、長い時間運転していると、考え抜かれた表示や照明に心底感動します。
装備[★★★★★]
基本的な快適装備はもちろんのこと、パワフルなアンプを備えたハイエンドオーディオ(ブルメスター)も用意。まさに、ラグジュアリーカーならではの贅沢さを追求することができます。先進安全装備も充実していて、特に後期モデルでは高速道路での走行はほぼ手を添えているだけ。安全性も折り紙つきです。
使い勝手[★★★★★]
とにかく運転していてストレスの少ないクルマです。巨体を感じさせない小まわり性能、悪天候になっても変わらない安定性と静粛性によって、心から信頼できるのです。また、MBUXの採用によって、運転中であってもボイスコントロールでナビの設定ができるなど、先進技術が使い勝手のよさにつながっています。
ライバルモデルをチェック!
BMW 5シリーズ(先代)

ラグジュアリーカーでありながら、BMWに期待する運動性能の高さとスポーティな感覚を両立させた人気モデル。中古車は年式的にもかなり選びやすくなっています。
中古車参考価格帯:220万円〜700万円(17年〜23年 5シリーズ 全グレード)
アウディ A6(先代)

精緻で滑らかなフィーリングを特徴とするアウディきっての高級セダン。堂々としたスタイリングと独自のAWDシステム「クワトロ」による全天候での安定した走行性能が特徴です。
中古車参考価格帯:290万円〜730万円(19年〜25年 A6 全グレード)