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更新日:2025.08.11 / 掲載日:2025.08.11
【アルファ ロメオ ジュニア】の歴史といま買いの中古車 伝統のDNA継ぐニューモデル

アルファ ロメオ ジュニア|語り継がれる名車の系譜 vol.56|
文●ユニット・コンパス 写真●アルファ ロメオ
※中古車参考価格はすべてグーネット2025年7月調べ。
※写真は一部本国仕様の場合があります。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2025年9月号の内容です)
アルファ ロメオから登場した新型コンパクトSUVのジュニア。その名前は、1960年代の名車から受け継がれている。
毎日の運転が楽しい。それこそがアルファ ロメオの伝統
小粒でもピリリと辛いピッコロ・アルファの伝統
アルファ ロメオがクルマを作ると、どこにでもあるようなセダンやコンパクトカーがスポーツカーとなってしまう。
飛び抜けてパワーがあるわけでもないのに、ドライバーはステアリングを握るのが楽しくて仕方がない。新しく登場したコンパクトSUVのジュニアはまさしくそう。デイリーユースにぴったりな扱いやすいお買い物クルマかと思わせつつ、いざ運転してみるとびっくりするほど楽しい。それはまさに魔法のよう。
アルファ ロメオの歴史を振り返れば、それが不思議なことではないことがよくわかる。ジュニアという名前は、1966年登場のジュリア 1300GT ジュニアから命名されている。この初代ジュニアは、ジュリアクーペの普及版として企画されたもので、若者をターゲットに、税制上有利な小排気量の小さなエンジンを搭載する。
そんなジュニアだが、結果として名車の仲間入りを果たしている。その理由は、排気量を落としながらも軽量化を同時に行うことで、兄貴分のジュリアにも負けない走りを実現していたから。レース仕様であるGTA1300も開発され、ツーリングカーレースで大活躍。アルファ ロメオ黄金期に貢献している。
21世紀に蘇ったジュニアには、こうしたアルファ ロメオのDNAが受け継がれているのである。
アルファ ロメオ ジュニアはこんなクルマ

写真はデビュー記念限定車の「ジュニア イブリダ スペチアーレ」。フロントグリルがBEVモデルと同じプログレッソ・デザインになるほか、サベルト製スポーツシートなどが標準装備となる。

10.25インチのタッチスクリーンナビゲーションは全車標準。先進安全装備も充実する。

ラゲッジルームの容量は415L(電気自動車版は400L)。ハンズフリー機能付きの電動テールゲートは全車標準装備で、使い勝手にも優れている。
[アルファ ロメオ ジュニアが名車になった理由]時を超えて受け継がれるヤング・アルファのDNA
アルファ ロメオの普及モデルとして企画された

1960年代、アルファ ロメオはまさに黄金期であった。しかし高性能ゆえの価格高騰により、若者には手が出せないクルマとなりつつあった。そこで登場したのが、1.3Lエンジンを搭載する1300GTジュニアであった。
優れたスポーツカーとして世界中で大ヒットモデルに

初代ジュニアの登場はイタリアだけでなく世界中から喝采をもって受け入れられた。ジュニアの備えていた美しさと機能のバランスは、生産終了後も多くのファンを虜にし、名車として語り継がれた。
レースでの活躍がジュニアの名前を伝説にした

軽量を意味する「Alleggerita」を組み合わせたGTAは、軽量化のため装備を簡素化したスポーツ仕様。レース仕様の「GTA1300 ジュニア コルサ」は、ツーリングカーレースで活躍し名を高めた。
新しいジュリアは日常にスポーティさを求める人のためのSUV

エネルギッシュで活動的な精神を持ち、日常でもスポーティな感覚を求めるユーザーのためにデザインされた新型ジュニア。筋肉質なアスリートをイメージしたマッシブなシルエットが特徴だ。
伝統を受け継ぎモダンに解釈したスタイリング

盾の形をしたグリルはアルファ ロメオの伝統を受け継ぐもの。新型ジュリアでは、ブランドアイコンをモダンにアレンジ。写真の「プログレッソ」のほか、よりクラシカルなデザインの「レジェンダ」も用意されている。
アルファ初の電気自動車として日本でも発売

アルファ ロメオ初の電気自動車となる「ジュニア エレットリカ」は2025年中の発売を予定。バッテリー容量は54kWhで、航続距離は494km(WLTCモード)。最高出力は156馬力で走りのパフォーマンスにも期待できる。
新車といま買いの中古車たち
アルファ ロメオ ジュニア

最新の自動車テクノロジーとアルファのデザイン、走りを融合させたコンパクトSUV、今回発売されたマイルドハイブリッド仕様のほか、2025年中に電気自動車バージョンも発売される予定。
新車価格:420万円~556万円(ジュニア 全グレード)
アルファ ロメオ GT1300 ジュニア

ジュリアの成功を受けて開発された弟分が1300 ジュニア。コンパクトなボディと軽快な走りが人気を受け、ロングセラーモデルに。初期モデルは「段付き」と呼ばれ特に珍重されている。
中古車参考価格帯:650万円~800万円(66年〜74年 GT 1300 ジュニア 全グレード)
アルファ ロメオ GT1300 ジュニア ザガート

1969年のトリノモーターショーで発表された1300 ジュニアのスペシャルモデル。カロッツェリア・ザガートが手がけたスタイリングは、ベースモデルとは異なる美しさを実現している。
中古車参考価格帯:750万円~1000万円(69年〜72年 GT 1300 ジュニア ザガート 全グレード)