輸入車
更新日:2024.11.11 / 掲載日:2024.11.11
人気中古車実車レビュー【BMW 3シリーズ ツーリング】走りも実用性もハイレベルな一台

[BMW 3シリーズ ツーリング]自動車ジャーナリスト 竹岡 圭と巡る人気中古車実車レビュー
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス、メルセデス・ベンツ、アウディ
※中古車参考価格は2024年10月グーネット調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年12月号の内容です)
試乗レポートではわからない、身近でリアルな使い勝手を実車を取材してレビューするのが、「人気中古車実車レビュー」。デザイン、装備、使い勝手をレビューしつつ、中古車相場についても中古車販売店に取材し掘り下げます。
Profile:自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもお馴染みの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
使い勝手も走りも安全もすべてがハイレベル
今回チェックするのは、輸入車の定番モデルであり、グーネットでも人気ランキングの常連であり続けるBMWの3シリーズ。取材させていただいたのは、2021年登録の「318i ツーリング Mスポーツ」で、走行距離は1万2000km、支払総額は403万7000円となっています。
実車チェックを行うのは、自動車ジャーナリストの竹岡圭さん。
「カッコよくて、上質感があって、みんなが知っていて、走らせて楽しい。3シリーズは、まさにスポーティセダン・ワゴンの見本みたいなクルマだよね。2000年くらいまでの3シリーズは、エントリーであり、同時にBMWらしさを象徴するモデルっていう位置づけだった。だけど1シリーズや2シリーズが登場したことで、今は相対的にポジションが上がってる。BMWを代表するモデルというのは、今でも変わらないけどね。それを実感するのがボディサイズかな。だって、E60型5シリーズ(2003年~2012年)とほとんど同じだからね」
2019年に登場した第7世代にあたる現行型3シリーズ(G20型)は、ボディサイズをひと回り拡大しつつも、アルミを積極的に使うことで軽量化と低重心を実現させました。ねらいは室内空間を拡大させながらも、走行性能をさらに磨き上げること。
「装備もかなりレベルアップした。この前の世代までBMWは運転支援装備にはあまり積極的ではなかったんだけど、この世代では一気にクラストップレベルの内容になった。近距離、中距離、遠距離を高精度に検知する3眼カメラを使った運転支援システムを採用したことで、ACCには渋滞時ハンズオフ機能まで備わるようになった。やると決めたらとことんっていうのがBMWらしいところだよね。使い勝手の面で大きいのは、ナビとかの操作が画面へのタッチでできるようになったこと。やっぱり直感的でわかりやすい」
このように、一気にデジタル化を進めた3シリーズですが、グレード体系はセダンとワゴンでほぼ同じ。「318i」(156馬力)、「320i」(184馬力)、「330i」(258馬力)がガソリン仕様で、「320d xDrive」(190馬力)がディーゼル+4WD、「330e」(システム合計252馬力)(セダンのみ)がプラグインHV。そして最上級のスポーティモデルとして「M340i xDrive」(387馬力)を用意します。
マイナーチェンジ(BMWはLCIと表現)が行われたのは2022年。デザイン変更とインテリアに12・3インチのメーターパネルと14・9インチのコントロールディスプレイを統合した「カーブドディスプレイ」を採用したのがトピック。
「今回取材させていただいたのはツーリングだけど、ほんと運転しているとセダンと変わらない。だから純粋に好みで選べばいいと思う。最近はSUVの陰に隠れてちょっと地味なところがあるけど、全高が低い分駐車場を選ばないし、なにしろ走りがスポーティ。万能選手だよね。今回の取材車両は新車時だと600万円クラスでしょ。それが認定中古車でこの価格だっていうのはグッとくるね」

プレミアムスポーツの代名詞的存在

3シリーズは、言わずと知れたスポーティセダン・ワゴンの代表選手。現行型は2019年3月にフルモデルチェンジした7代目。BMWの中核モデルとして先進的な運転支援システムを搭載してる。2022年にマイナーチェンジを受けてデザインやインターフェースをレベルアップ。取材車両は前期モデル。
中古車参考価格帯:300万円〜720万円(19年〜24年 Mモデルを除く)

取材協力|Motoren Glanz BMW BMW Premium Selection 船橋

2024年9月に移転してグランドオープンした「Motoren Glanz BMW BMW Premium Selection 船橋」。京葉道路の船橋I.C.至近という好立地で、大型商業施設の敷地内にあるため気軽に立ち寄れるのも魅力。「革新的な最新モデルと安心の認定中古車を取り揃えております」とは取材に対応してくださった関口マネージャー。
SHOP DATA
住所:千葉県船橋市海神町3-124-1
TEL:047-420-0010
定休日:月曜日 ※月曜日が祝日の場合、翌火曜日が定休日
営業時間: 10:00〜19:00
URL:https://motoren-glanz.bmw.jp/ja/funabashi_bps/
BMW 3シリーズ ツーリングの実車をチェック!
【デザイン】オーセンティックでBMWらしいスポーティスタイル

BMWデザインの特徴はフロントマスクのキドニーグリル。そして3シリーズにも歴代モデルから受け継がれてきた特徴があります。クーペのようなスタイリッシュなプロポーション、4灯のヘッドライト、そしてくの字に折れ曲がったCピラーがその代表的なエレメント。ステーションワゴンにおいてもそれらはしっかりと受け継がれています。人気グレードの「Mスポーツ」では、さらにスポーティイメージを強化したディテールを採用しています。

【装備】先進安全装備はクラストップレベル

「318i」はベーシックグレードですが装備は充実。標準装備される運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」には、ACC(ストップ&ゴー機能付)、ステアリング&レーン・コントロール・アシスト、クロス・トラフィック・ウォーニングも備わります。ユニークなのが、直前の走行最長50mまでを記憶し、同じルートをバックで正確に戻れる「リバース・アシスト機能」。再始動後にも記録が残っているので、狭い駐車場での出場にも便利です。

【使い勝手】ガラスハッチは3シリーズツーリングならでは

テールゲートのガラスハッチが独立して開くのは、歴代3シリーズツーリングに受け継がれてきた機能です。そのメリットは、狭い場所でも気軽にアクセスできるところ。ちょっとした買い物などで便利です。また、愛犬家にとっては、ワンちゃんなどとおでかけする際に、意図せずに飛び出されることがないため、安全だと喜ばれるそうです。ラゲッジ床面には4列のゴムが並びんでおり、ゲートを閉じるとゴムが膨らんで荷物が滑らないようになっています。

3シリーズの魅力に使い勝手のよさをプラス

竹岡 圭 レビュー
デザイン[★★★★★]
ボディサイズが大きすぎない程度に余裕が出た3シリーズ。居住スペースも荷室も、ツーリングワゴンとしてのゆとりが増したという実用性もさることながら、風格が感じられるようになりました。昨今の巨大化したキドニーグリルは好みが分かれるところだけれど、こちらは万人受け度もあり、満足感も高いはず。
装備[★★★★★]
iDrive+ジェスチャーコントロール+ボイスコントロール+タッチパネルと、操作系もずいぶんと使いやすくなってきたのはありがたいところ。ドライバーをサポートする最新安全デバイスの導入時期は早くはなかったものの、現行モデルからはテンコ盛りで採用。ロングドライブではやはり助かりますね。
使い勝手[★★★★★]
いちばんのオススメポイントは、リアゲートのガラスハッチの開閉ができること。じつはガラスハッチだけ開けられるモデル、数がかなり少ないんですよね。狭いところで荷物を取り出すときもそうですが、ペットのワンちゃんをちょっと待たせておくときなどにも、お互い安心感が高くとっても使いやすいんだとか。
編集部 レビュー
デザイン[★★★★★]
誰が見てもスタイリッシュなデザインです。現行型はシンプルでありながらも立体的な面構成を採用したスタイリングで、登場してから5年が経過していますが、その印象はいまだにフレッシュ。スポーティなテイストを強調する「Mスポーツ」は、中古車市場でも人気のパッケージオプションとなっています。
装備[★★★★★]
先代モデルまでの3シリーズは、よく言えばドライバーにお任せで、自動運転技術はあまり積極的に採用していませんでした。現行型では運転する楽しさはそのままに、ドライバーのミスはリカバーし、渋滞などの負担を軽減する考え方に変わりました。また、AI技術を使った対話型コントロールも搭載します。
使い勝手[★★★★★]
スポーツカーのようなスタイルと走りが魅力なセダン。それに対してツーリングの魅力は、快適性や走り味はそのままに使い勝手が大幅にアップしていること。高さのある荷物を載せたり、キャンプなどのアウトドアを楽しむのに最適。ガソリン仕様はシティ派に、ロングドライブ派にはディーゼルがオススメ。
ライバルモデルをチェック!
メルセデス・ベンツ Cクラス

こちらのCクラスもメルセデスを代表するモデルで、3シリーズ同様セダンとステーションワゴンを用意。現行型が登場したのは2021年で、中古車市場はまだ高値で安定している。
中古車参考価格帯:470万円〜750万円(21年〜24年 AMGを除く)
アウディ A4 アバント

アウディを代表する人気モデル。従来モデルからメカニズムを大幅に刷新した実力派。3シリーズやCクラスに比べモデルライフが長いため、低年式モデルの中古車は値頃感がある。
中古車参考価格帯:160万円〜630万円(16年〜24年 RSを除く)