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更新日:2024.04.08 / 掲載日:2024.04.08
MINIカントリーマン その源流を辿る[もうひとつのクラシックミニ]
もうひとつのクラシックミニ[MINI STORY | ANOTHER STORY OF MINI]
文●ユニット・コンパス 写真●MINI
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年5月号「MINI特集/うれしい! たのしい! 新しいMINI」記事の内容です)
MINIにおいてハッチバックと同等の人気を誇るのがコンパクトSUVのカントリーマン(クロスオーバー)。その名称は1960年代のクラシックミニ派生モデルから受け継がれている。
人気モデルの元となったクラシックミニの派生車
クラシックミニが小型車の常識を打ち破り20世紀を代表する名車になったのはよく知られているが、じつはもうひとつのミニにまつわる物語を知る人はそれほど多くない。
現代のMINIで人気を集める「カントリーマン(クロスオーバー)」だが、そのルーツとなるモデルは1960年代に登場している。
まず1960年に、クラシックミニのボディを拡大して荷室部分を広げた商用仕様の「ミニ・バン」が登場。それから約半年後には、より乗用車的なルックスと装備を与えたエステートモデルの「ミニ・カントリーマン」が追加された。外装をウッドトリムで飾った「カントリーマン」は、4名乗車時でも524ℓという広大なラゲッジ空間を実現。家族でのレジャーにも使えるクルマとして、ハッチバックモデルと同等の人気を集め大ヒットモデルとなった。
これはまさに現在のMINIにおけるハッチバックとカントリーマンの関係性と同じだ。
1969年には車種整理のためにカントリーマンは生産中止となり、同年に後継モデルとしてクラブマンが登場することになる。しかし、カントリーマンに対する市場の人気は衰えなかった。存続を求めるユーザーの声に応えて多数のサードパーティが互換パーツを製造し、それらで1台が完成するほどだったという。
歴史に埋もれたもうひとつのクラシックミニ。そのDNAはしっかりと現代にも受け継がれている。