車の歴史
更新日:2021.01.12 / 掲載日:2021.01.11
当時の記事で振り返る!懐かしのスバル360タイムカプセル2

スバル360誕生から60年。当時の雑誌記事、当時の資料にて古き佳き時代の空気を味わっていただきたい。

寒季に気がかりな伝動装置
オーナー吉岡さんは機械に関する知識が豊富なだけに愛車の欠点も目につく。それらを挙げてもらった。箇条書にすると
1 外板が薄すぎる
2 アクセル、ブレーキなどの伝導装置が
ワイヤーで出来ている
3 ドアが車幅の割に大きすぎる
4 バウンドするとドアが開く
5 換気装置が悪い
6 塗装が悪い
7 部品が雑すぎる
8 リヤーホイールが内側に
傾いている点に注意すること
9 注油口の工夫
10 その他
これら諸事項を詳細に説明してもらうと「外板が薄いのは重量制限と、すべてがそうだろうが、値段の面でも制限されているのだろう。しかし、軽二輪免許でいいというところと睨みあわせて肝心な部分はステンレスとは言わないがジュラルミンを使ってもいいから、ある程度まで丈夫にしておく必要があるんじゃないですか。コツンと当たるとポコンと引っ込むようではね……」と案じていられる。次に伝導装置については「これは一番重要なことです。スバルのこの装置はワイヤーで連絡してあるんです。エンジンルームが狭いせいか、ワイヤーを無理にくの字に曲げてあるところがあるんですね。ですからワイヤーが擦れてキシむから油をさす。油をさすと埃が溜まる。埃が溜まるとキシむ。という具合で悪循環になってしまうんですね。そこでアクセルを踏むとすぐに戻らないのでフカしっぱなし。ブレーキをかけるとブレーキが効いたままで動かない。という結果になり非常に危険なんだ。それに夏は問題ないだろうが、冬になると困ると思います。ワイヤーに水でも入ったらそれこそ大変。寒さで凍り付き、たちまち事故が起きそうです。実際に過去、山岳地帯でルノーがこの装置で失敗して、苦い経験済みなんですからね。本当にこれは大きな問題です」と、一日も早く改善されることを希望している。3、4のドアの問題については「スバルっていうのはルノーそっくりなんです。シャシーが無いので、大きくバウンドすると、ひずみを生じてドアがひとりでに開いてしまう。おまけに悪いことには車幅の割にはドアが大きすぎて、しかも前開きになっている。それで走行中にドアが開いたりすると、風圧でひとたまりもなくブッコワレてしまうのです。これは運転する側の責任ではない」