車の歴史
更新日:2020.02.05 / 掲載日:2020.02.05

CROWN 1900 DELUXE(RS41) 【1】

トヨタ自動車のモデル史の中で、ランドクルーザーの次に長い歴史を有するのがクラウン。クラウンは1955年デビューから現在に至るまで、日本の代表的な高級車として歴史を積み重ねている。そんな長い歴史を誇るクラウンの二代目となるRS41を今回、このページでは取り上げる。1960年に刷新された小型車規格(いわゆる「5」ナンバー枠)に合わせたボディは初代よりも圧倒的に大きく、そしてモダン。誕生から半世紀以上を経た現在でも、高級車としての風格をヒシヒシと感じさせてくれる。

T型にデザインされたグリル中央には王冠

高級車らしいボディの大きさを感じさせるデザインだが、実際には5ナンバー枠となるサイズに収まるので、3ナンバーが当たり前となった現在ではLクラスセダンはもとより、ミニバンなどと並べてもかなりコンパクトに見えてしまう。しかしデビュー当時は、5ナンバー枠いっぱいのディメンションとなれば、他の車両と比べて明らかに大きく、威風堂々としたデザインも相まって、街中ではかなりの存在感を示していたはずである。

Dimension

  • 全高:1460mm、前輪トレッド:1380mm。

  • 全幅:1695mm、後輪トレッド:1360mm。

  • 全長:4610mm、ホイールベース:2690mm、車両重量:1265g。

先代よりも200mm伸びた全長対して全高は70mmも低い!

 トヨタの中ではランドクルーザーに次いで長い歴史を有するのがクラウンだ。昨年デビューしたクラウンはなんと15代目となる。初代は1955年に登場し、それ以後、日本の高級車の代表的な一台として君臨し続けているわけだ。

 今回取り上げるのは、その2代目となる1962年に登場したS40系。初代は50年代の設計らしいずんぐりむっくりとしたデザインであったが、デビュー前にちょうど小型車規格が一新されたことで、より大きなボディサイズでのデザインが可能となった2代目はフラットデッキスタイルといわれるスマートなものであった。ボディサイズは全長で200mm、ホイールベースで160mmも大きくなっている。それでいて全高は70mmも低く、先代と比べると明らかに新しい時代のボディスタイリングとなっていた。

 ちなみに2代目は前期と後期で特にテールランプのデザインが大きく変わったことから、前期は「丸テール」、後期は「涙目」といった呼称で、マニアの間では区別されているようだ。ここで登場する車両は前期の「丸テール」で、後期型にマイナーチェンジされる前年となる1964年式となるが、デビュー翌年の1963年にフロントグリルやテールランプ、ミッションなどに手を加えるマイナーチェンジを行っているので、撮影車両は前期型だが、再初期モデルではなくマイナーチェンジ後のモデルとなる。

 S40系クラウンのセダンは、スタンダードと共に、デラックスが用意されていた。スタンダードは型式がRS40となり、デラックスはRS41。ちなみに、スタンダードとデラックスの他にステーションワゴンタイプのカスタムもあり、そちらは型式がRS64となる。

 セダンのスタンダードとデラックスに絞って話を進めると、スタンダードはタクシーなどの商用車として使われることを前提としたモデル。それに対してデラックスは、一般企業や官公庁でいわゆる運転手付きのハイヤーとしての使用や、裕福な個人ユーザーによる自家用車としての使用を前提としたものとなる。そんなそれぞれのユーザーに合わせ、スタンダードは短距離の市街地利用、デラックスは目前に控えた高速道路時代も見据える長距離使用に耐えるメカニズムをそれぞれ別に与えている。

  • ヘッドライトは規定丸型のヘッドライトレンズを用いた丸目4灯。撮影した前期型はヘッドライトの下、バンパーの上に載せたようなデザインでウインカーをレイアウトする。

  • 当時は、まだドアミラーが国産車に認可されていないので、当然フェンダーミラーとなる。ミラーの形状は丸い平型だ。装着位置がフェンダーの前端部に近い位置としているのが興味深い。

  • 左前フェンダーにラジオ用のアンテナが装着されている。このアンテナは電動格納式で、室内のスイッチにより伸び縮みさせることが可能。ちなみにワイパーは一般的な右スイングタイプを採用。

  • ドアハンドルは、丸みを帯びたボディのデザインに合わせたような、しっかりとデザインされたものとなる。ドアキーは別体とはせず、ドアハンドルのベース部分に埋め込まれたタイプを採用。

  • まだベンチレーション機能が充実していない60年代前半のモデルなので、フロントウインドーには三角窓が備わる。ドア内張りに回転式のハンドルが備わり、それを回すことで開閉する。

  • 見た目そのままの通称「丸テール」と呼ばれるテールランプはRS40系クラウン前期型の象徴的な部分となる。この丸い1灯でブレーキ、ウインカー、ポジションの3役をこなしている。

  • 給油は、リヤのナンバープレート部がフューエルリッドを兼ねるデザインとなる。下級グレードはロックが付かないが、クラウンにはしっかりロックが備わり、キーシリンダーが右側にある。

  • トランクはかなり広大な床面積を誇る。しかしトランク下にはガソリンタンクが鎮座しているので、それほど深さはない。右端にはカバーが付くスペアタイヤが縦置きされている。

  • ボンネットは、ヒンジがリンク構造となっていて、ボンネット後端が前方に移動しながら開くという構造になっている。開口時はボンネット前端とフロントノーズ前端の位置が揃うことになる。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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