車の歴史
更新日:2024.10.08 / 掲載日:2024.10.08
クルマの“足元”はこう変わった!メルセデス・ベンツと辿るホイールデザインの歴史

名車の足もとを支えてきたホイールデザインの歴史[HISTORY]
文●ユニット・コンパス 写真●メルセデス・ベンツ
(掲載されている内容はグーワールド本誌2024年11月号「ステアリングを握ればわかる! 輸入車らしい走りの魅力とは?」記事の内容です)
時にクルマの雰囲気を支配するほどの重要性を持つホイールデザイン。ここでは、その進化をメルセデス・ベンツの歴史とともに紹介する。
クルマとともに進化を続けてきたホイールたち
時に人間の靴にも例えられるクルマのホイール。そのデザインは、ファッションであると同時に機能でもある。自動車や工業のレベルが進化するにつれ、構造や素材を含めた設計という意味でのデザインでも、ホイールは進化を続けてきた。
初期の木製ホイールは人類が数千年の時をかけ進化させてきたものだった。それを次の次元に進化させたのが、メルセデスの創設者たち。産業革命によって得られた金属加工技術を生かし、スチールワイヤーと鉄製リムを組み合わせた画期的なホイールを開発した。その後、空気入りタイヤの発明(1888年)とともにワイヤーホイールは改良を受け、近代的なホイールの基礎が完成した。
20世紀になりクルマのスピードが高まり、レースなどで性能が競われるようになると、より軽くてタフなホイールが求められた。そこで登場したのがアルミやマグネシウムといった軽金属製を素材とするホイール。当初はレーシングカーにのみ採用されていたが、1960年代からスポーツカーを中心に市販車にも普及し始めることになる。意匠の自由度があるアルミホイールはカーデザインを一気に洗練させた。
効率化を追求する現代のモデルにおいて、ホイールデザインには従来以上に空力的な性能が求められるようになった。未来のホイールはどうなっていくのか興味は尽きない。



