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更新日:2020.11.10 / 掲載日:2020.11.10

トヨタ ハリアー(先代)/2013年~2020年

「実用性と気品を両立させた高級クロスオーバーSUV」

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、日産
(掲載されている内容はグー本誌 2020年11月発売号掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年10月調べ。


高級感が自慢のラグジュアリーSUVとして大人気のトヨタ ハリアー。新型が話題になっている今、改めて先代モデルの魅力や中古車市場での様子をチェックしてみよう。

2015年式 トヨタ ハリアー プレミアム アドバンスドパッケージ(CVT) ●全長×全幅×全高:4720×1835×1690mm ●ホイールベース:2660mm ●トレッド前/後:1560/1560mm ●車両重量:1610kg ●排気量:1986cc ●エンジン:直4DOHC ●最高出力:151ps/6100rpm ●最大トルク:19.7kgm/3800rpm ●サスペンション前/後:ストラット/ダブルウィッシュボーン ●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:235/55R18 ●中古車参考価格帯:170万円~440万円(13年~20年 ※全グレード)

立ち位置は、言うなればSUVの「マークII」!?

編集部●大人気ですね、ハリアー。
工藤●この夏に登場した新型は、納車待ちが約半年とか。その魅力の理由は実車に接するとよくわかる。デザインは流麗でカッコいいし、インテリアの高級感だって見事。ビックリするくらい上質感がある。外観からも内装からも「いいもの感」にあふれていて、思わず買いたくなる。所有する満足度は高いはず。
編集部●商品企画が巧みですよね。
工藤●そうそう。今でこそめずらしくはなくなった「エレガントなSUV」というジャンルだけど、ハリアーはそれを1997年から世界に先駆けてやっている。パイオニアとしての歴史と、ブレないクルマ作りが今の人気に続いている好例といえる。
編集部●当時は「軟弱だ」と言われた乗用車のプラットフォームを活用した車体構造も、今ではSUVとして普通になりました。むしろ、かつて「クロカン」なんて呼ばれていた本格的なヨンクに比べて、乗り心地などの快適性やオンロードでの自然な運転感覚では勝っているから、日常で使うならハリアーのようなSUVが好まれるのは理解できます。
工藤●今となっては時代がついてきたといっていいかも。30年ほど前の日本では「上級セダンのマークIIがちょっとリッチな暮らしの象徴」みたいな雰囲気があったけど、今では高級感が自慢のSUVであるハリアーが、その立ち位置なのだと思う。
編集部●実車に触れると「こういうクルマなら買う人が喜んでくれる。満足してもらえる」というツボをきっちり押さえたクルマ作りなのがよくわかります。
工藤●こうして旧型に接しても、室内の高級な雰囲気には驚くほど。これなら中古で買っても満足できるね。

[モデルヒストリー]

2013年11月:フルモデルチェンジ

 ハリアーとしては3世代目となり、ルーツである「レクサスRX」からは完全に独立したモデルとなった。パワートレインは従来よりもひとまわり小さくなり、2Lのガソリンと2.5Lのハイブリッド。

2014年12月:「G’s」を追加

 「G’s」とは、走行性能を高めたスポーティ仕様。専用デザインとしているほか、日常や峠道で幅広いドライバーに運転する楽しさを感じてもらうことをねらい、専用サスペンションを組み込んでいる。

2015年6月:一部改良

 衝突被害軽減ブレーキを「グランド」にもオプション設定し全グレードに展開。ナビが進化版の「T-Connect SDナビゲーション」となり、パノラミックビューモニターにシースルービューを追加。

2017年6月:マイナーチェンジ

 パワートレインに2Lターボエンジンを追加。サスペンションなども専用の味付けが施されている。全車ともフロントグリルやバンパーのデザインを変更し、電動パーキングブレーキも新たに採用した。

NEW HARRIER 2020年6月:フルモデルチェンジし、さらにハリアーらしく

 プラットフォームもパワートレインも刷新。コンセプトを継承したうえで、基本メカニズムを共用する「RAV4」との違いをより明確にしている。デザインは室内空間よりも流麗さを重視したクーペフォルム感を強調。同様にインテリアも従来にも増して高級感をアップした。

[インテリア]乗った瞬間に感じられる圧倒的な「いいもの感」

インパネは革を張ったような雰囲気で仕立て、ピアノブラックや木目調パネルもコーディネート。高いラグジュアリー感が自慢。

 インテリアの仕立てにしっかりとコストをかけ、上質な雰囲気を追求。インパネやシート、そしてドアトリムなどは表面の仕上げやメッキの入れ方で明確に「いいもの感」を演出している。この価格帯のSUVとは思えないほどの上級な仕立てだ。撮影車両は上級タイプのシートを組み合わせた仕様。
工藤’sコメント「SUVといっても泥っぽいイメージとは無縁。まるで高級セダンの上質感だ。」

キルティング処理を施した素材とレザーを組み合わせたシートは上質。後席はリクライニング調整も可能である。

インパネ中央のパネルはフラット化し、空調スイッチもタッチ式を採用。後期型ではナビ画面が9.2インチに拡大。

[メカニズム]パワートレインは3タイプから選べる

 特徴的なのが3タイプのパワートレインを用意していること。自然吸気とターボを揃える排気量2Lガソリンエンジンに加えて、2.5L自然吸気ガソリンエンジンにモーターを組み合わせるハイブリッドバージョンも設定。ターボは高出力で元気のいい走りが自慢だ。
工藤’sコメント「3タイプのパワートレインを選べるのがうれしい。個人的にはターボエンジンが魅力的だ。」

運転席と助手席に加え、横方向からの衝突に対応して乗員を守るサイドエアバッグやカーテンエアバッグも用意して万一に備える。

燃費や快適性重視ならハイブリッドが魅力だが、ガソリンターボの力強さも捨てがたい。ガソリン自然吸気はコストパフォーマンスに優れるのがポイントだ。

超人気モデルだけに中古車も価格は強気!

編集部●先代モデルでも新型とコンセプトは変わりませんね。内外装ともに高級感があって、適度にスポーティ。今回撮影した車両は本革シートだから、より上質な仕立てです。
工藤●一方で新型との違いは、パワートレイン。普通のガソリン車とハイブリッドは新型にも用意されているけれど、先代にあったガソリンターボエンジンは新型では選べなくなっている。
編集部●そうでした。排気量を落としたダウンサイジングターボではなく、自然吸気エンジンと同じ排気量である2Lにターボを加えたパワー型のエンジンだから、ググッと勢いよく加速するのが心強いですね。
工藤●速さを重視する人には最適な選択肢で、先代ならではの魅力。手に入れるなら中古の先代しかない。
編集部●そんな先代ですが、グーネットには3000台以上が登録されています。人気車種だけに台数はかなり豊富と言っていいでしょう。
工藤●相場は高めだね。新型が出たから相場が下がったと思いきや、ガクンと落ちたわけではない。さすが人気車種だ。価値をしっかりとキープしている安定銘柄といえる。
編集部●中古車だからお買い得というよりは、憧れの対象。中古車にも安定した人気があり、改めてブランド力の高さを実感しますね。
工藤●まさに指名買いしたい1台だ。

[インプレッション]後ろから蹴られるような加速感

上質感は後席でも十分に感じられる。寝かせたCピラーの影響によりサイドウインドウが小さめだが、居住性はハイレベルだ。

 まず感じたのが乗り心地のよさ。路面の細かい凹凸はもちろん、段差を越えたときの衝撃もしっかり吸収して不快な振動が少ないことに驚いた。ハリアーといえば視覚的な上質さに注目しがちだけど乗り味でも仕立てがよく、それが高い快適性に直結している。パワートレインは、ガソリン自然吸気エンジンだと過不足ない動力性能。ターボエンジンは元気がよくて加速が楽だ。ハイブリッドは静かで、モーター走行感覚の滑らかさが心地いい。
工藤’sコメント「ラグジュアリーなだけじゃなく広さもバッチリで快適。」

  • 荷室はファミリーユースにも不足ない。床にはスーツケースの積み下ろしをしやすくし、横方向の滑り止めも兼ねたプレートを設置。

  • シート表皮に入れたステッチなど、細かい部分にまでしっかり手をかけることで直感的に人間の感性に訴え、上質感を引き上げる。

[マーケットデータ]

  • 年式
    デビュー年となる2013年式は1%以下なので除外した。2015年式と改良があった2017年式が豊富。

  • グレード
    中核グレード「プレミアム」が全体の半数を占める。2Lターボ車は魅力的だが物件数は少なめ。

  • 走行距離
    3万km未満の低走行物件が半数近くも流通している。相場は高めだが、状態のよいものが揃っている。

工藤貴宏が注目するハリアー(先代)「ココが○」

その1:自慢したくなる上質感の高い内装
その2:好みに応じて選べる3つのエンジン
その3:家族でも安心の実用的な室内空間

プロフィール:自動車ライター 工藤貴宏

学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

取材協力:カーチス千葉店

千葉県にある大規模な中古車販売店
500台もの展示スペースに、良質な中古車がたくさん揃うカーチス千葉店。お気に入りの1台が見つかる千葉の大型販売店だ。中古車販売・車買取はもちろん、車検や板金、ボディコーティングなどクルマに関することなら何でも相談してみよう。
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グーネットマガジン編集部

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