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更新日:2019.05.10 / 掲載日:2019.05.10

トヨタ プリウス【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

※写真は2015年式

文●工藤貴宏
(掲載されている内容はグー本誌 2019年5月掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2019年4月調べ。


プリウスは、世界初の市販ハイブリッドカー。燃費性能は世界トップクラスで、ガソリン代が安く済むクルマとして大人気だ。しかし、今回取り上げる4代目の魅力はそれにとどまらない。

●全長×全幅×全高:4540×1760×1470mm ●ホイールベース:2700mm ●トレッド前/後:1510/1520mm ●車両重量:1370kg ●エンジン最高出力:98ps/5200rpm ●エンジン最大トルク:14.5kgm/3600rpm ●モーター最高出力:72ps ●モーター最大トルク:16.6kgm ●サスペンション前:ストラット 後:ダブルウィッシュボーン ●ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:215/45R17 ●中古車参考価格帯:140万円~260万円(15年~19年 ※全グレード)

ゆとりある居住性に加えスポーティな走りも自慢

 プリウスの歴史はハイブリッドカーの歴史だ。97年12月に世界初の市販ハイブリッドカーとしてデビューしたプリウスは、これまで3回のフルモデルチェンジを行い、いま新車で販売しているモデルは4代目。2代目以降は知名度やハイブリッドカーの認知度向上とともに爆発的なヒットとなり、4代目も多くの車両が販売されている。
 プリウスといえば、なんといっても優れた燃費。エンジンとモーターを協調させてそれぞれの得意な分野を活かし、苦手な部分を補い合うことでエネルギー効率を高めるのがハイブリッドカーの特徴。そんな高効率な仕掛けによって、燃費を伸ばした世界初の市販車がプリウスである。
 4代目プリウスの燃費は、最大で40.8km/L。初代プリウスデビュー時は28・0km/Lという数字で世の中を驚かせたが、世代を重ねるごとにさらに進化し続けている。
 そんなプリウスだが、歴代モデルで受け継いでいることがほかにもある。それは、高効率のパッケージングだ。初代プリウスはコンパクトボディながら大人4人が快適に過ごせる居住性を実現。その秘密は車体に対して前後いっぱいに広げた室内長と、天井を高くして稼いだ室内高の賜物。それまでのセダンの概念を覆すパッケージングで、小さい車体ながら居心地のいい室内だった。
 そんな初代から比べるとフルモデルチェンジごとに車体サイズを広げているが、歴代どのモデルでも貫かれているのはファミリーカーとして後席も快適に過ごせる居住性。燃費が良好なうえに実用的なのが、プリウスの真骨頂といえる。
 そのうえで、3代目で大幅に引き上げられ、4代目でさらに磨き上げられたのが走行性能。“ツーリングセレクション”というワンランク上のタイヤに走行性重視のサスペンションを組み合わせた仕様も選べる。

[エクステリア]継承されているトライアングルシルエット

 凝った意匠のヘッドライト&テールランプなど、4代目プリウスのエクステリアデザインは歴代モデルよりも個性的。真横からみると、「トライアングルシルエット」と呼ばれる三角形をイメージさせるキャビン形状を伝統として受け継ぐ一方、後席頭上空間を確保するために、2代目や3代目に比べて天井後半の傾斜が緩やかだ。

2018年12月のマイナーチェンジを受ける前のモデルは、テールランプが縦型。マイナーチェンジ後は水平基調へ変わる。

[モデルヒストリー]ハイブリッドシステムの進化とともに

1997年12月:初代プリウスが登場
「21世紀に間に合いました」という印象的なキャッチフレーズとともに世界初の量産ハイブリッドカーとして登場。215万円からという価格も衝撃的。全長4275mm(前期型)とコンパクトサイズ。

2003年9月:2代目プリウスが登場
4ドアセダンだった初代から、5ドアハッチバックへと車体形状を変更。全長も4445mmとなり、クラスがひとつ上がった。燃費(10・15モード)は先代の28.0km/Lから35.5km/Lに進化。

2009年5月:3代目プリウスが登場
居住性を高めるため車体幅を広げ、3ナンバー化。ハイブリッドシステムは全体の9割以上を新設計し、排気量は高速巡行時の燃費向上のため1.8Lに拡大した。燃費値は最大38.0km/L。

2015年12月:4代目プリウスが登場
フルモデルチェンジを施して4代目に進化。「TNGA」と呼ばれるトヨタの新しい設計思想を取り入れた第1弾で、全面新設計された車体は燃費だけでなく運動性能も飛躍的に高められている。

2017年12月:一部改良
ピアノブラック加飾のセンターコンソールトレイや11.6インチ縦型の大画面液晶装着車を設定。

2018年12月:マイナーチェンジ
フロントバンパー、ヘッドライト、テールランプ、テールゲートの意匠を変更。専用の通信ユニットが全車に標準装備され、緊急コールやスマホ連動機能が利用できるようになった。

[インテリア]次世代を感じる新鮮さに注目すべし

※写真は2015年式

 プリウスはモデルチェンジごとに車体サイズを拡大しているが、その理由は居住性の向上。4代目では後席スペースの拡大が大きなねらいで、頭上後方の空間にゆとりが増している。初代の特徴だったセンターメーターを継続採用するインパネは、メーターやディスプレイ周辺をブラック、それ以外をホワイトとした先進的な印象だ。

フロントシートはスポーティな運転感覚と低重心化をねらって着座位置を先代比で59mm下げた。後席座面下には走行用バッテリーを置くが、着座姿勢や着座感などでそれを感じることはない。

センターコンソールトレイは、一部仕様ではホワイトに塗って明るさや温かみを表現。対応するスマホなら置くだけで充電できるワイヤレス充電器も設定。

[メカニズム]世界最高峰の燃費を実現するハイブリッド

[THS II]:大幅に改良して効率を高めた1.8Lエンジンに、要となるトランスアクスルやモーターなどほぼすべてのメカニズムを刷新して小型軽量&高効率化したハイブリッドシステムで、優れた燃費を実現。

 歴代プリウスに共通する特徴は、全車にハイブリッドシステムを搭載すること。4代目プリウスはハイブリッドシステムがさらに進化し、その燃費値(JC08モード)は主要グレードで37.2km/L、もっとも燃費が優れた「E」では40.8km/Lにもなる。そのほかにも進化した車体設計や初採用の4WDなど注目点は多い。

[TNGA]:TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ぶ新しい思想に基づいた設計の車体は、走りなど基本性能を高める。

[エンジン]:自然吸気の1.8Lエンジンを組み合わせる。一般的なエンジンとは異なり、モーターとの組み合わせを前提に、出力よりも効率を最重視。

[4WD]:4代目モデルには、これまでのプリウスには設定がなかった待望の4WDが用意されている。後輪はモーターだけで駆動する仕掛けだ。

[エアロダイナミクス]:高速走行時の燃費を向上するためには空気抵抗低減が欠かせない。施される空気抵抗を減らすための工夫は、車体下部の仕上げにまで及ぶ。

リチウムイオンとニッケル水素これらのバッテリーの違いは?

 「A」系グレードのFF車と「E」には、プリウスでは初のリチウムイオンバッテリーが組み込まれている。その他の仕様に積むニッケル水素バッテリーに比べると、小型軽量で充放電性能も高い。

プリウスの魅力を多くのひとに 福祉車両も設定

 トヨタの福祉車両は「ウェルキャブ」という愛称がつけられている。プリウスでは助手席回転シート車が設定され、乗降時に助手席が外側へ向くことで身体に負担を減らしてスマートな乗り降りを実現する。

[プリウスPHV]プリウスのもうひとつの選択 プラグインハイブリッドとは?

中古車参考価格帯:220万円~380万円(17年~19年 ※全グレード)

 PHVとは「プラグイン・ハイブリッド・ビークル」の略で、外部から充電できるハイブリッドカーのこと。プリウスPHVはプリウスをベースとした派生車種で、バッテリーを大容量化。そこへ充電した電気を使ってエンジンを使用せずとも、プリウスよりも長い距離を走れるクルマだ。

車体の基本設計はプリウスと共通だが、前後のデザインはプリウスと差別化。まったく異なる雰囲気に仕立てられている。車体右側には充電口があり、外部充電時はそこへケーブルをつなぐ。

[市場データ]状態のよい中古車が豊富に揃っている

 トヨタの人気株ゆえ、登場から3年以上が経過してもそれほど相場は下がっていない。物件の中心は2016年式の「S」だが、予算の目安は200万円前後と言ったところ。しかし全体的にコンディションのよい個体が揃い、物件が極めて豊富なことから、買いやすいクルマなのは間違いない。

  • グレード
    もっとも装備が簡素な「E」は、ほとんど流通していない。物件の大半は中間グレード「S」。最上級の「Aプレミアム」は少ない。

  • 年式
    デビュー翌年の2016年式が6割以上を占める。年式が新しくなるほど物件は減少する。低価格車は車検なしの物件も目立つ。

  • 走行距離
    もっとも多いのが、1万kmから3万kmで、全体の半数を占める。また、3万km以上も3割を占めるが、全体的に見ると低走行が大半だ。

自動車ジャーナリスト工藤貴宏の「トヨタ プリウスのGOODとBAD」

【GOOD】優れた燃費と安心感が得られる選択

 一般的な市販車では考えられないような優れた燃費がプリウスにおいてなによりも注目すべきポイント。この燃費のよさを知ってしまうと、もうハイブリッドカー以外は買えなくなってしまうほどだ。また、居住性や走りのバランスにも優れ、4代目は荷室も拡大されて実用性も向上。「これを買っておけば安心」という、トータルパフォーマンスの高さも特徴といえる。

【BAD】燃費はいいが爽快感は少ない

 素晴らしい燃費のハイブリッドシステムだが、ドライバーのアクセル操作に対する反応の良さはいまひとつで、パワートレインにおける運転する歓びがないのは残念なところ。燃費チャレンジなど新しい楽しさはあるが、運転に従来ながらの爽快感を求めるドライバーにとっては退屈なクルマといえる。ただし、ハンドリングはしっかり磨かれているので楽しめる。

編集部イチオシ!

買いのグレードは「A」

「A」は運転席シートの電動調整機能のような快適装備やインテリジェントクリアランスソナーなどの先進装備を標準採用する上級グレード。価格と装備充実度のバランスが高い。

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グーネットマガジン編集部

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