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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2018.10.26
【日産】オンロード・オフロードともに安定した走行を実現するHBMC

悪路での走破性が高いSUVであっても、オフロードでの走行性の高さだけでなく、舗装の整った都市部などでのオンロード性能も併せて求められます。
数多くの人気SUVモデルを輩出してきた日産自動車では、その両立が可能な技術を研究・開発しており、今回紹介するHBMCもその1つです。
HBMCとは
「Hydraulic Body Motion Control」の頭文字をとったHMBCとは、車体全体並びに各パーツに価格負荷を適正配分する「荷重コントロールシステム」のことです。
静かさ、ハンドリング、乗り心地などを研究・追求し、ドライバーだけでなく同乗者も快適さを共有できる車作りを目指す日産が掲げた、「ダイナミック・パフォーマンス」という取り組みの一環として、新開発された技術です。
開発元の日産は、2010年7月に開催した「先進技術説明会」において、北米市場向け最高級SUV「インフィニティQX56」に、このHMBCを初搭載したことを発表、システムの詳しい説明をしました。
そこで紹介されたメカニズムとしては、
・前後左右の車輪に独立した油圧シリンダーを配置
・それぞれを系統の違う2本のクロスリング油圧パイプで接続
・両系統に「アキュムレーター(ACC)」と呼ばれる蓄圧器を設置
という構造となっており、それぞれが独立・連動しながらオン・オフ双方での走行安定性を確立していると、日産は強い自信をのぞかせました。
事実、同発表会ではHMBC搭載した新型インフィニティQX56が、急角度のカーブを走行する姿も公開され、大型SUVらしからぬ安定した走行性能の高さが話題になりました。
HBMCがもたらす効果
HBMCが搭載されることで、「舗装が整っていない道路」「雪道・山道」などといったオフロード走行時には、それぞれ独立した衝撃吸収機構としての役目が発揮され、なめらかで揺れの少ない、悪路走破性を得ることが可能です。
また、カーブ走行時には荷重のかかる外側油圧シリンダーを接続するパイプに配置された、アキュムレーターへオイルが流れ込み、サスペンションのロール耐久性をアップさせます。
その結果、オンロードにおいても車重のある大型SUVが起こしやすい、車体の過度な沈み込みによるドライバーの視線角度変化を防ぐことができ、安全でスムーズなカーブへの侵入と通過が可能となります。
上記の車体安定性能は、ドライバー自身の運転ストレスを緩和するだけでなく、同乗者にも乗り心地の快適さを与えてくれるため、まさに日産が掲げる「ダイナミック・パフォーマンス」を具現化する、先進技術であると言えます。
さらに、このHBMCは独立した荷重調整システムであるため、作動動力が改めて必要ではないことから、燃費に悪影響を与えることがないのも、大きなメリットとなりえます。