中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.29 / 掲載日:2016.04.08
新生活の中古車購入ノウハウ
就職や入学、転勤など、多くの人の生活が変化し、期待と不安が入り交じるこの季節。
新生活を気持ちよくスタートさせるために使い勝手のいい中古車を賢くゲットしたい。あなたにピッタリの1台がきっと見つかる中古車購入ノウハウをレポートしていこう。
必要な機能・装備を整理してベストな1台を見つけよう!
毎年4月は、就職や入学をきっかけにクルマを購入する人が増える。さらに、自分が通勤・通学をするためだけでなく、子どもの入学・進学を機に送迎が必要となるケースも増加するから、中古車市場の相場は変動が比較的激しい時期となる。
ユーザーの目線でいえば、なにかと出費がかさむこの時期に少しでも安くクルマを買いたいというのが本音だろう。実際、子どもを入学・進学させるには入学金や授業料をはじめ、まとまった金額の支払いが必要となる場合もある。そのうえ制服やカバンを購入したり、部活動の用品を揃えたりするなど、細々とした出費を挙げればキリがない。こうした状況においては、新車よりも低価格で購入することができる中古車は心強い味方だといえる。しかしながら、車両価格だけを重視してクルマを選ぶのは得策ではない。新生活の供となるクルマを選ぶうえでのポイントは、「機能・装備」を軸に車種をチョイスすることなのである。
たとえば、通勤・通学の用途で使うクルマに高い安全性を求めるなら、予防安全装置や運転支援技術が備わる車種であったり、幼い子どもを幼稚園・保育園に送迎するなら、乗り降りがしやすいスライドドアを備えた車種などが挙げられる。
こうした観点から車種を検討していけば選択肢は広がるし、購入後の後悔も防げる。新生活のクルマ選びは、自分にとって必要な機能・装備を明確にするところから始まるのだ。
通勤・通学カーは機能で選ぶ!
経済性や取り回しに優れているクルマを選ぶことは大前提。では、それらの善し悪しを決める機能とはどんなものかを考察していこう。
送り迎えもしっかりサポート
子どもが幼稚園や学校に通う。または塾に行く、習いごとを始めることもあるだろう。送り迎えをサポートできる機能の有無も重要。
通うだけじゃなく、遊びも楽しみたい!
燃費や経済性を重視するだけでなく、実用性や走行性能といった要素を加味してクルマを選べば、カーライフはもっと充実するはずだ。
転居したら駐車場の環境が変わった
現在所有しているクルマ、または新たに購入するクルマが保管できない、という状況にならないよう、駐車場環境も要確認事項なのだ。
毎日のアシとしてなにが必要かを考えて選ぼう! 通勤・通学でクルマがほしい
運転がしやすくて燃費のいい軽やコンパクトカーが狙い目
クルマは日常的な移動ツールだから、生活の変化に応じて選ばれることが多い。3月に売れ行きが伸びるのはおもに決算期に当たるためだが、4月の就職や入学も影響している。
そこでまずは通勤と通学に適した中古車を考えたい。若いユーザーも多いと思うので、価格は安いほうが好ましい。初心者ドライバーが買うときは、クセがなく運転のしやすい車種を選ぶことも大切だ。
また、通勤や通学で毎日使うとなれば走行距離が伸びる。優れた燃費性能も大切だろう。その一方、大勢で乗車したり大きな荷物を積む機会は少ないから車内が広い必要はない。
こうした条件で車種を考えると、フィット、ヴィッツ、マーチといった1~1.3Lエンジンを積んだコンパクトカーとミライースやワゴンRなどの軽自動車が好ましい。運転がしやすく燃費も優れているからだ。
新車価格が安く、中古車価格も連動して下がることもメリットとなる。軽自動車は維持費の安さが注目されて中古車が若干割高になる場合もあるが、新車の販売台数が多い車種は、中古車の流通台数も多い。需要を上回れば、中古車価格は求めやすくなる。とくにコンパクトカーは、中古車価格が低めだ。新車としても購入できる現行型は高いが、初年度登録されて5~7年を経過した先代型、先々代型であれば、走行距離のわりに安価な車両を見つけやすい。
一部のコンパクトカーにはハイブリッドやクリーンディーゼル仕様もあるが、これらは付加価値が備わるから中古車価格も高い。なので、1年間の走行距離が1.5万km以下ならガソリンエンジン仕様を推奨する。コンパクトカーはボディが軽くエンジンの排気量も小さいから、ガソリンエンジンでも燃費が優れている。
一方、軽自動車のターボは、中古車価格があまり高まらない。新車価格もガソリンエンジン仕様とさほど変わらず、需要も多くないからだ。とはいえ登坂路の多い地域では、660ccのノーマルエンジンでは力不足になりやすいので、必要に応じてターボも検討するといいだろう。
コンパクトカーや軽自動車の中古車相場だが、新車時に130~140万円で売られた車種が5年落ちの中古車になると、価格は70~80万円に収まる。走行距離は5万km前後だ。諸費用を含めても100万円前後で購入できる車両が多い。なお70~80万円で販売されるコンパクトカーや軽自動車はとくに割安感が強い。安く購入して維持費をあまり費やさずに長く使えるからだ。
パターンA 「毎日遠くまで通うから燃費が気になる」
トヨタ プリウス(先代型)
ハイブリッドカーを世界に知らしめたパイオニア。4代目となる新型プリウスが登場したことで、平成21年から27年式の先代型(3代目)の中古車相場が下がって買いやすくなっている。
プリウス相場データ
中古車市場データ
中古車価格帯:86.1万~223.9万円
だから通勤に最適!
だから通勤に最適!
バッテリーが十分に残っていれば、電気モーターだけで走れるEV走行が可能だ。ガソリンを一滴も使わないので経済面での優位性は大きい。
オススメのポイント
オススメのポイント
エンジンとモーターを効率良く使っているか。またはアクセルやブレーキの踏み具合など、燃費を抑えた運転ができているかを確かめられる。
燃費重視ならハイブリッド
ガソリン代を抑えられるのが最大の魅力
ハイブリッドカーが低燃費ということは、多くの人が知るところとなり中古車市場でも人気を集めている。実走行燃費が20km/Lを超えるプリウスの場合、年間のガソリン代をグッと抑えられるはずだ。
パターンB
「近場に通うから気軽に乗れるクルマがいい」
ホンダ N-WGN
ホンダ・Nシリーズのなかでもスタンダードモデルに位置づけられている。内外装のデザイン、細部の作りなど上質さが追求され、軽自動車でも高い所有満足感が得られる1台だ。
N-WGN相場データ
中古車市場データ
中古車価格帯:87.7万~115.1万円
だから通勤に最適!
だから通勤に最適!
フロントピラーを細くしたり、ウインドウ面積を大きくデザインするなど、運転席からの死角をなくすよう設計されているから運転がしやすい。
オススメのポイント
オススメのポイント
もともとコンパクトで取り回しがいい、というメリットをもつが、さらにバックモニターが備わっていれば車庫入れや縦列駐車が楽に行える。
コンパクトなボディサイズ
狭い路地でもスムーズかつ安心して走れる
ボディサイズがコンパクトな軽自動車は、狭い路地で歩行者や自転車を避けたり、対向車とすれ違ったりするときでも安心して運転できる。排気量が小さく非力という弱点を補って余りあるメリットだ。
パターンC
「遠い場所にも快適に通勤・通学したい」
レクサス CT
レクサスブランドのエントリーモデルに位置づけられているが、質の高い運転感覚などは上級車種譲りとなっている。ハッチバックならではの運転のしやすさも通勤に適している。
CT相場データ
中古車市場データ
中古車価格帯:200.8万~310.5万円
だから通勤に最適!
だから通勤に最適!
ゆったりと快適にドライブできれば疲労感は少ない。乗り心地の良さはもちろん、操作に対するレスポンスがいいクルマも疲労感を軽減できる。
オススメのポイント
オススメのポイント
ハイブリッドカーは燃費以外にも走行時の静粛性に優れているというメリットをもつ。低速領域を多用する市街地走行ではその恩恵が大きい。
静かで快適な車内空間
長時間運転しても疲れにくいクルマが◎
クルマの運転はなにかと気を配ることが多い。とくに通勤で毎日、長い距離を走る必要がある場合は疲れにくいクルマを選ぼう。ポイントは乗り心地のよさと静粛性、さらに快適装備の充実ぶりとなる。
パターンD
「事故を起こさないことがなによりも重要」
スバル レガシィB4(先代型)
「ぶつからない」でお馴染みとなったアイサイトを備えたモデルで、安全性を重視して選ぶならオススメ。先代型は全車速追従機能が備わり、高速道路や渋滞でも快適に走れる。
レガシィB4相場データ
中古車市場データ
中古車価格帯:121.2万~324.1万円
だから通勤に最適!
だから通勤に最適!
安全運転を心がけていても巻き込まれる可能性はある。そんなときでも事故を未然に防ぐ機能が備わっていれば事故にあう確率はグッと下がる。
オススメのポイント
オススメのポイント
事故を起こす前提でクルマに乗る人はいないが万が一の備えは重要。エアバッグは前席はもちろん、サイドにも備わっていることが望ましい。
予防安全&運転支援装置
危機的状況を回避できるから安心感は絶大
衝突の危険をドライバーに知らせたり、回避するために自動ブレーキを作動させたりする予防安全装置が備わっているかがポイント。システムは車種によって異なるが、主にレーダーやカメラを使用。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net3月調べ
通勤・通学にベストなクルマ・五箇条
ほぼ毎日使うことになるクルマだということを考慮すると、まずは運転のしやすさ、経済性というポイントを重視すべきだろう。そのうえで、自分が愛車に求めるものがなにかを考え、それに合った機能が備わったモデルを選べばいい。安全、快適性、実用性は通勤以外の用途でも重宝する能力だ。
一つ、低燃費で経済性に優れる
一つ、低燃費で経済性に優れる
クルマの維持費で大きなウェイトを占めるのがガソリン代と税金。これらを抑えられる低燃費かつ小排気量モデルが狙い目だ。
一つ、予防安全系の装備が充実
一つ、予防安全系の装備が充実
レーダーやカメラを用いた衝突被害回避支援機能だけでなく、横滑り防止装置などの予防安全装備の充実ぶりを要チェック。
一つ、取り回しに気を使わないサイズ
一つ、取り回しに気を使わないサイズ
ボディサイズも重要だが、運転席に座って、前方や後方、サイド(とくに助手席側)の状況が把握できるかを確認しよう。
一つ、静かで乗り心地がいい
一つ、静かで乗り心地がいい
ロードノイズを遮断し前席、後席ともに静かにドライブできる。後席に人を乗せる機会が多いなら乗り心地の良さも重視したい。
一つ、遊びにも使える実用性をもつ
一つ、遊びにも使える実用性をもつ
週末には家族や友人と出かけるといった用途に対応できる実用性もほしいところだ。荷室の広さや使い勝手がチェックポイントとなる。
遊びにも使える便利なクルマがいい! 通う+αで選ぶ 脱・定番カー
通勤・通学に適した能力に別な要素をプラス
通勤・通学に適しているのは、やはり経済性に長けた小型車となるが、それ以外の付加価値もプラスして選ぶのはどうだろう。通勤や通学に適していることを大前提としながら趣味に使えたり、走りを楽しめたりといったプラスαの要素を持ち合わせたクルマならカーライフはさらに充実するはずだ。
プラスαを求めるならこんなクルマが狙い目です
3列シート車なら大人数で乗れてアレンジも自在
週末に家族を乗せて出かけるというシチュエーションがあるユーザーなら、やはり3列シートを備えたクルマを選びたい。多人数乗車ができて経済性に長けているという観点から候補としてオススメなのは、トヨタプリウスシリーズのプリウスαやホンダ・フリードシリーズのフリードハイブリッドだ。3列シートを備えながら、適度なボディサイズで取り回しもいい。
多彩なシートアレンジをできるのがミニバンのメリット。車内でゆったり寛いだり、大きめの荷物を積むなど、さまざまな用途に対応できる。
最大7名が乗車できるよう3列シートが備えられている。使用しないときは格納しておけば、荷室をワゴンのように広く使えるから便利なのだ。
通勤・通学の道中さえ楽しめるスポーツカー
シャープなハンドリングやアクセル操作に対する俊敏なレスポンスといった走りを存分に楽しめるのがスポーツカーの魅力だ。ハイレベルな走行性能だけでなくスタイリッシュなデザインは、特別なクルマに乗っている優越感に浸れる。ハイブリッドシステムを搭載したホンダCR-Zなら、走りを楽しめるうえに燃費性能も良好。
本格的に走りを楽しみたいユーザーは6速MT仕様がオススメ。走りはもちろん通勤時も楽に走りたいという人にはCVT仕様も用意している。
ハイブリッドシステムを搭載し、スポーツカーは燃費が悪い、という定説を覆した。エンジンとモーターの相乗効果によってパワフルに走れる。
仲間や家族とのアクティブユースに最適なSUV
街乗りはもちろん、オフロード走行も可能なSUVは、釣りやキャンプといった趣味のためにクルマを使うことがあるユーザーにとって重宝する。ボディサイズや車重がかさむことを気にするならSUVクラスのなかでもコンパクトで取り回しがいいホンダ・ヴェゼルやマツダCX-3といったモデルをチョイスするのがベターだ。
コンパクトカーや軽自動車とは異なり、家族や友人を乗せるという場合でもゆったりと乗車できる。乗り心地がよく、快適性もハイレベルだ。
5名乗車時でも荷物をたっぷりと積める実用性の高さが魅力だ。後席を前方へ倒せば、荷室スペースはさらに広げられるので、便利に使える。
高級セダンなら所有する優越感に浸れる
デザイン、内外装の作り込みが上質な高級セダンは、新車時こそ高額だったが、中古車市場では十分に手の届く価格となっている。年式こそ5~7年落ちとやや古くなるものの、もともと上質な作り込みがなされているクルマとあって年数を経てもプレミアムな雰囲気は色褪せていない。ハイブリッド仕様も選ぶことができる。
ミドルクラス以上のモデルなら、後席は十分に広い。シートは誰が座っても心地よく感じられるようサイズ、クッション性ともにこだわっている。
トランクスペースは十分な容量が確保されている。セダン特有の3ボックスボディは、荷室、居住スペースが仕切られているため静粛性が高い。
引っ越しするなら保管場所も確認しよう! ところでそのクルマ、駐車場に入りますか?
近頃はミニバンなどのハイルーフ系モデルに対応した立体駐車場もあるが、上記のようなサイズ制限を設けた駐車場は多い。立体式に限らず、新生活をスタートさせるうえでは、保管場所もあらかじめ確認しておくべきだ。
欲しいクルマの3サイズをしっかりと把握しておこう
原則として、保管場所がないとクルマは所有できないので、クルマを新たに購入する、あるいは引っ越し先でクルマを使用する場合も駐車場を用意するのは必須となる。駐車場の場所だが、車庫証明の条件として「自宅から2km以内」と定められているので引っ越し先の住居に駐車場が併設されていないなら、自宅の近くで適当な場所を探すことになるだろう。雨や荷物が多いときなどを想定すると、できるだけ自宅から近い方が望ましい。
一般的に駐車場というと、平置きと立体式がある。前者は駐車スペースが地上にあり、そのまま止められる形式で、後者は何層か駐車スペースが積み重ねられ、ユーザーが操作してクルマの出し入れを行う。
駐車場を借りるときに重要となるのはクルマが駐車場のサイズ制限をクリアしているか否か。欲しいクルマを決めたら全長/全幅/全高のスリーサイズに加え、車重も把握しておくと駐車場探しがスムーズに行える。また、平置きなら屋根があるか、地面が砂利かアスファルトか。立体なら操作が煩雑でないかも確認しておきたい。
立体駐車場 ギリギリは攻めないほうが吉
立体駐車場で気をつけること
新しめの駐車場なら全高が1600mm以上で、車重が2トンを超えても対応できるが、そうではない駐車場のほうが多い。コンパクトカーやセダンなら概ね問題ないが、軽自動車でもハイルーフタイプはNGとなる。たとえ数ミリでも制限を超えるなら諦めたほうが賢明。機械が誤作動を起こす場合があるのでギリギリを攻めるのは得策ではない。
駐車場はマージンを計算して作られているが、それでもギリギリの場所に駐車をするというのは、あまり気分のいいものではない。
駐車場に制限がありながらもファミリーユースで3列シート車が必要なら、全高が1550mm以下のロールーフタイプを選ぶのが賢明だ。
狭小駐車場 駐車場へのアプローチも要確認
狭小駐車場で気をつけること
隣の車両とのスペースが狭い駐車場の場合、そこまでの道路もかなり狭い。道幅はもちろん、曲がり角で壁などにぶつからないようにするには車両感覚が掴みやすい小型車を選ぶのがベスト。サイズが大きめのクルマの場合は、助手席側の前方やサイド、斜め後方といった死角になりやすい場所をサポートするカメラを備えていることが必須となる。
住宅街などでは幅員が3m以下となっている場所がある。駐車場のスペースはもちろんだが、そこまでのアプローチも要チェックだ。
今や軽自動車でもバックモニターは必須アイテムで、これがあるだけで安心感がまるで違う。狭い場所や縦列駐車も安心して行える。
引っ越したらクルマも住所変更が必要なの?
引っ越して住所が変わったら車庫証明や車検証はもちろん、納税証明の送付先も変更が必須。また運転免許証の住所変更手続きも忘れずに。
結論から言うと「必要」。新たな場所でクルマを使用するには、車庫証明書に必要事項を記入し、管轄の警察署へ提出・申請を行う。さらに、住所変更があった場合は、「変更があったときから15日以内」に、管轄の陸運局(登録車)や軽自動車検査協会(軽自動車)で手続きを行う。管轄の陸運局が変わる場合はナンバープレートも変更する。
頑張る家族を全力でサポートしたい! 送り迎えでクルマがほしい
背が高くて広い空間をもつボディ形状のクルマが最適
子どもの進学などを機に、送迎で使うための中古車を買う人が多い。
この用途でクルマに求められる条件は自転車の積載ができることだ。子どもが自転車で塾に出かけ、授業中に雨が降ってきたら親がクルマで迎えに行く。こうした場合に自転車を積める機能が必要になる。自転車は背が高いから、荷室高の余裕が不可欠だ。全高が1650mm以上ある空間効率に優れた車種を選びたい。
ヴォクシーやフリードのような背の高いミニバンなら、3列目のシートを畳むと自転車を積める。1、2列目を使えば、自転車を積みながら4名での乗車乗も可能だ。自転車を積む際に2名乗車となってもいいなら、ソリオやポルテのような背の高いコンパクトカーと、N-BOXやタントなどの全高が1700mmを超える軽自動車が合理的だ。後席を畳めばボックス状の荷室にでき、自転車のように大きな荷物も積みやすい。
軽自動車は全長が3400mm、全幅は1480mm以下と小さいが、背の高い車種はエンジンルームを短く抑えるなど空間効率を高めている。そのため全高が1700mmを超える車種なら自転車を積めるわけだ。
選ぶときに注意したいのは荷室の床の高さ。床が高いと、自転車を積む際に前輪を大きく持ち上げる必要があり、荷室高も不足する。逆に床が低い車種ならリヤゲートの開口部も広がり、大きな荷物を積みやすい。
ちなみに安全性を考えると、自転車を積んだらベルトで固定したほうがいい。そのためのアシストグリップなどが付いているかも確認が必要だ。自転車に限らず、特定の荷物を積む用途があるときは、販売店に持ち込んで実際に積めるか試してみたい。車種によっては、後席を畳むと前席のスライド量が制限され、後方へ十分に寄せられない場合がある。これではドライバーが正しい運転姿勢を取れない。後席を畳んで自転車などを積んだ状態で、運転姿勢を確認することも大切だ。
5年落ちの中古車価格は2Lクラスの背の高いミニバンだと160~170万円になる。新車価格が240万円前後だから、先代型でも中古車価格が相応に高い。2列シートの背の高いコンパクトカーであれば90~100万円。エンジンは1.3~1.5Lで新車価格が150万円前後だから中古車も安い。全高が1700mmを超える軽自動車は70~90万円になる。おもな用途が送迎であれば、街なかの走行が中心だろう。空間効率に優れたコンパクトカーや軽自動車であれば運転もしやすい。
パターンA 「小さな子どもを幼稚園・保育園に送迎」
ダイハツ タント(先代型)
センターピラーをなくした大開口の「ミラクルオープンドア」で人気を集め、ファミリーカーとしてのニーズに応える。流通台数が多いため、相場価格は安定傾向にあるといえる。
タント相場データ
中古車市場データ 中古車価格帯:49.9万~127.3万円
だから送迎に最適!
だから送迎に最適!
送迎の時間は駐車場が混雑し、クルマ同士の距離が近くなる。スライドドアなら乗り降りがしやすく、隣のクルマにドアをぶつける心配もない。
オススメのポイント
オススメのポイント
助手席のシートアレンジが多彩な車種は後席の乗降性を高めるだけでなく、運転席から子どもの様子を確認しやすくするなどのメリットもある。
乗り降りしやすいスライドドア
さまざまな場面でスムーズに乗降できる
小さな子どもをチャイルドシートに乗せ降ろしする際はもちろん、雨の日に傘をさしている状況などでも重宝する装備だ。駐車スペースが狭い場合でも、後席へスムーズに乗り降りを行うことができる。
パターンB 「中高生の子どもや働く父母の送り迎え」
日産 ティアナ(先代型)
内外装ともに、上品で洗練された雰囲気が漂う。ゆとりのある室内空間は快適で、広いスペースを確保した荷室は使い勝手に優れる。走行距離が少なく状態のいい物件が多い。
ティアナ相場データ
中古車市場データ 中古車価格帯:69.1万~212.9万円
だから送迎に最適!
だから送迎に最適!
座り心地のいいシートと、ゆったりと足を伸ばして寛げる後席空間は、移動中でも存分にリラックスできる。車内の静粛性も重要なポイントだ。
オススメのポイント
オススメのポイント
ラゲッジスペースに十分な容量が確保されていれば、日常的な送迎の用途だけでなく、休日のショッピングやゴルフなどにも柔軟に対応できる。
広くて乗り心地のいい後席
ゆったりと乗車できる室内なら疲れ知らず
中高生になると、塾や部活動などでスケジュールはよりハードに。座り心地のいい後席を備えたクルマで送迎すれば、疲れにくく快適な時間を過ごせる。仕事で疲れた父や母の送迎にもうってつけだ。
パターンC 「子どもが通う塾や習いごとのお迎え」
スズキ ソリオ(先代型)
エネチャージやアイドリングストップなどをはじめとしたシステムを採用することで低燃費を実現。実用性が高いうえに中古車相場がこなれてきており、狙い目のモデルといえる。
ソリオ相場データ
中古車市場データ 中古車価格帯:80.3万~146.5万円
だから送迎に最適!
だから送迎に最適!
塾や習いごとの前後に車内で食事を済ませることもしばしばある。その際は折り畳み式のトレーやドリンクホルダーなどの装備があると便利だ。
オススメのポイント
オススメのポイント
シートアレンジのバリエーションが豊富で、乗車人数や荷物の量・大きさに合わせて柔軟な対応が可能。力の弱い女性でも操作が容易に行える。
自転車を楽に積める荷室
突然の雨や夜間の帰宅にもバッチリ対応
子どもが自転車で出かけ、帰る時間に雨が降ってきたり、夜が遅くなってしまった場合など、クルマで自転車を運ぶ場面は間々ある。自転車を載せたうえで後席に人が座れるクルマなら使い勝手は抜群。
パターンD 「子どもの部活動で荷物や人をたくさん乗せる」
トヨタ ヴォクシー(先代型)
兄弟車のノアと並び、ファミリーカーの定番として支持されている。室内の広さ、使い勝手、燃費性能など、あらゆる面で送り迎えに最適な能力が備わる。人気車だが、先代型なら価格はリーズナブル。
ヴォクシー相場データ
中古車市場データ 中古車価格帯:83.0万~232.7万円
だから送迎に最適!
だから送迎に最適!
3列目シートの格納方式は使い勝手を左右する重要なポイント。たとえば跳ね上げ式なら、それほどの力を必要とせず容易にアレンジできる。
オススメのポイント
オススメのポイント
多人数で乗車する際、3列目シートへのアクセスがスムーズに行えるとうれしい。2列目シートが回転したり、スライド幅が大きいと重宝する。
送迎にベストなクルマ・五箇条
一つ、自転車が容易に載せ降ろしできる
一つ、乗り降りがしやすいスライドドア
一つ、子どもの友達も乗れる車内の広さ
一つ、疲れている家族に優しい乗り心地
一つ、気軽に送り迎えできる燃費の良さ
送迎の用途に対しては、とくに後席や荷室の使い勝手がポイントとなる。人を乗せるだけなのか、大きな荷物や自転車を頻繁に載せることもあるかなどを考え、想定されるシーンに対応できる車種を選択したい。さらに送迎の頻度や目的地までの距離によっては燃費の良さなども判断材料のひとつとなる。
まとめ
機能や装備を重視して選べば、新生活がもっと便利で楽しくなる!
通勤・通学、送迎は毎日のことだから、それを供にするクルマ選びは慎重にならざるを得ない。ただしそこで重要なのは、あれこれと複雑に考えることではなく、あくまでシンプルに「自分に必要な機能や装備はなにか」を考えて車種を検討するということだ。
たとえば、子どもとその友人を乗せる機会が多いなら3列シートは重要な装備だが、通勤のみに使うなら3列シートは不要だろう。このように自分の生活に必要な機能や装備を取捨選択することができれば、思い通りに扱える最良の1台がきっと見つかるはずなのだ。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net3月調べ