中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2015.11.27
スバル レガシィアウトバック(2012年5月~2014年10月)中古車購入チェックポイント
スバル レガシィ アウトバック (2012年5月~2014年10月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:2.5i アイサイト(DBA-BRM)
初度登録:2012年9月
追加装備:〈ディーラーオプション〉HDDナビ+バックモニター+ETC
■全体のチェックポイント
走行機能のダメージにも注意しながらチェック
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプカバーなどに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。同時に、ヘッドランプやボンネットもチェック。フェンダーは、オーバーフェンダー、フェンダー本体、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけカバー)などもチェック。
3.周辺も異常がないか見る
3.周辺も異常がないか見る
ドアは、外面だけでなく、内側(側部のパネル接合部あたり)も修理跡などがないかチェック。ヒンジ部やドアキャッチ(ロックの受け金具)、ピラー(柱)、サイドシル(梁)など、関連部も修理跡などがないか慎重にチェックする。
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシルスポイラーに傷や破損、修理跡などがないかチェック。サイドシルスポイラーで覆われているサイドシル(車体の梁)も、損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。
同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺、フェンダーやピラーとの接合部あたりもチェックする。
5.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡や修理跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
右リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も異常がないか見る。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、リアゲート、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどをチェック。ガーニッシュやリフレクターなどの損傷にも注意。
リアゲートは、開閉動作やロッドダンパーの効き具合、リアゲートの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、パネル接合部に注意しながらチェック。できれば、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡がないか見る。
7.車体の内側も調べる
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、カバーで覆われているが、腐食(錆)や修理跡などがないか見て、取り付け状態もチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品も、修理/交換していないか必ずチェック。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷、割れ、欠けなどがないかチェック。一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体が歪んでいる可能性もあるので要注意。アルミホイールは、塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による変形や破損などに注意しながらチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンション、アーム、ブラケットなどの部品類も、傷、曲がり、歪み、腐食、破損、修理跡などがないかチェック。
水漏れ、オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認する
「アウトバック」の作りは、「ツーリングワゴン」と同じステーションワゴン。タイヤやサスペンションなどをアレンジして車体をかさ上げし、専用のバンパー(下部ブラック)/オーバーフェンダー/サイドシルスポイラー(ブラック)/ルーフレール(Sパッケージはキャリアブラケット内蔵ルーフモール)などを装着したSUVスタイル。
HIDヘッドランプ、フロントフォグランプ、LEDウインカー付電動格納式ドアミラー、ルーフスポイラー、ヒドゥンタイプ(マフラーが車体に隠れて、エンドパイプが下向き)シングルマフラーなどを全車標準装備。「2.5i」以外は、オールウェザーパック(ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー/リアフォグランプ(リアバンパー右リフレクター部分)/ヒーテッドドアミラーなど)を装備。アイサイト装備車は、フロントウインドウ上部にアイサイトのステレオカメラユニット。参考車両は、リアゲートのライセンスランプ左横にリアビューカメラ(ディーラーオプションHDDナビのオプション)も付いている。
車体まわりは、外装だけでなく、走行機能にもダメージがないか確認したい。車体の骨格部を修理しているのは修復歴車だが、修復歴に該当しなくても、損傷や修理で交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
★足まわり関連機能の状態にも注意
「アウトバック」は、225/60Rオールシーズンタイヤ&17インチアルミホイールが標準(Sパッケージを除く)。タイヤの状態によっては、操縦性に支障が出るだけでなく、車両安定制御機構VDCなどが正常に作動しなくなることもある。ブレーキ、サスペンション、ステアリングなど、足まわりのダメージにも注意したい。
内装の傷み具合と装備機器の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷などがないか。シートからドア、床、天井までチェック。ボックスやポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、しわ、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。内装パネルなどの傷、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意ながらチェックする。
2.荷室まで丹念にチェック
後席も、6:4分割可倒式リアシートのセンターアームレスト、ヘッドレスト、シートベルトなどのほか、リクライニングや背もたれ前倒しなどの機能も試しながら周辺をチェック。
荷室も、傷みなどがないか見る。トノカバー、カーゴフック、フロア下サブトランクなどもチェック。左右にあるレバーでリアシートの背もたれ前倒しも試してみる。
3.装備機器の機能をチェック
ヘッドライト、ウインカー、ワイパー、ドアミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。キーレスエントリーの機能と各ドアの解錠・施錠具合もチェック。
オートエアコンは、特に冷房の効きに注意して、自動制御や調整・設定機能をチェック。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、追加装備しているディーラーオプションHDDナビ(カロッツェリア)のナビ機能・AV機能・接続機能などに異常がないかチェック。バックビューモニターやナビ連動ETCなど付随機能の具合も確認したい。
★販売店でチェックしてもらう
本革巻ステアリングホイール、オーディオレス・6スピーカー、リモートフォールディング機能付6:4分割可倒式リアシート、トノカバーなどは全車に装備。「2.5i」以外は、左右独立温度調整フルオートエアコン・後席ベンチレーション付、キーレスアクセス(アクセスキーが付属)、運転席10ウェイ/助手席8ウェイパワーシートなどを標準装備。アイサイト装備車にはオーバーヘッドコンソールがなく、ステレオカメラユニットが付いている。参考車両は、ディーラーオプションのHDDナビ(タッチパネル・ボイスコントロール・Bluetoothハンズフリー電話・TV・AM/FM・USB/SD・DVD/CD)+バックモニター+ETCを追加している。いずれにしても、車両の仕様グレードや装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらう。特に電装機器に異常がないか注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンを始動してみる
1.エンジンを始動してみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、プッシュエンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・ディスプレイの表示などにも注意する。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
6速マニュアルモード付CVTは、[P・R・D・M]各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速動作やパドルシフト制御、マニュアルモードの変速具合などもチェック。
電動ブレーキ関連機能、VDC/TCSの作動と統合制御、4WDの前後輪駆動力配分制御、アイドリングストップのエンジン自動停止・再始動、アイサイトに備えた機能および付随・連携する機能なども、異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうか判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

2.5L車は、2.5L水平対向4気筒FB25型エンジン+6速マニュアルモード付CVT+アクティブトルクスプリットAWD(電子制御4WD)を搭載。パドルシフト、SI-DRIVE・3モード[I・S・S#]セレクター、VDC(横滑り防止VDC・空転防止TCS)・[VDC OFF]スイッチ、電動パーキングブレーキ(ヒルホールド機能付)、電動パワーステアリング、EBD付ABS&ブレーキアシスト、ブレーキオーバーライド、キーレスアクセス&プッシュスタート(2.5iを除く)などを装備。
アイドリングストップ装備車は、ECOゲージ表示付マルチインフォメーションディスプレイ、[A OFF]スイッチ、アイドリングストップ専用バッテリーなどを装備。「アイサイト」装備車は、全車速追従機能付クルーズコントロール・プリクラッシュブレーキ/プリクラッシュブレーキアシスト(SI-DRIVE連動・アイドリングストップ協調制御)・AT誤発進抑制制御・車線逸脱警報・ふらつき警報・先行車発進お知らせ機能、プリクラッシュブレーキ/AT誤発進抑制制御[OFF]スイッチ・車線逸脱警報/ふらつき警報[OFF]スイッチを備えている。
各機構の話はさておき、それぞれの機能に異常がないか確認したい。とりあえずエンジン周辺だけでも見て、走行関連各部のコンディションと整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、スバル独自の機構をきちんと点検・整備できるかどうかも確認したい。
■最初に車両の現状を確かめる

中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードなどを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションやディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを付けていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2009年5月に発売した5代目レガシィ(ツーリングワゴン/B4/アウトバック)。「アウトバック」は、2.5L[EJ25]エンジン+6速マニュアルモード付CVT+アクティブトルクスプリットAWD(電子制御4WD)と3.6L[EZ36]エンジン+マニュアルモード付5速AT+VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御4WD)を設定。2010年5月に一部改良し、アイサイト搭載車を設定。2011年6月の一部改良で仕様装備を一部変更。
●2012年5月にマイナーチェンジ。外装・内装を一部変更。車体やサスペンション、アイサイトなどを改良。2.5L車は、2.5L[FB25]エンジンに変更し、アイドリングストップを設定している。
「2.5i」は、ルーフレール、オールシーズンタイヤ&17インチアルミホイール、シングルマフラー、キーレスエントリー、フルオートエアコン、本革巻ステアリングホイールなどを装備したベーシックタイプ。
「2.5i Lパッケージ」は、アイドリングストップを搭載。マルチインフォメーションディスプレイ付ルミネセントメーター、左右独立温度調整フルオートエアコン、キーレスアクセス&プッシュスタート、運転席/助手席パワーシートなどを標準装備「2.5i アイサイト」は、2.5i Lパッケージとほぼ同じ装備に、アイサイトを搭載。
「2.5i アイサイト Sパッケージ」は、2.5i アイサイトの装備に、サマータイヤ&18インチアルミホイール、ビルシュタイン製ダンパー、ダーク調フロントグリル、カラードバンパー/サイドシルスポイラー、キャリアブラケット内蔵ルーフモールなどを装着し、アルミパッド付スポーツペダルやスポーティクロスシート、カーボン調加飾パネルなどを装備。
「3.6R アイサイト」は、2.5i アイサイトに準じる装備のほか、17インチハイラスター塗装アルミホイール、デュアルマフラー、シルバールーフレールなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
2.5i | DBA-BRM | CVT-6M | A-4WD |
2.5i Lパッケージ * | DBA-BRM | CVT-6M | A-4WD |
2.5i アイサイト * | DBA-BRM | CVT-6M | A-4WD |
2.5i アイサイト Sパッケージ * | DBA-BRM | CVT-6M | A-4WD |
3.6R アイサイト | DBA-BRF | 5AT-M | V-4WD |
*:アイドリングストップ搭載車 A-4WD:アクティブトルクスプリットAWD V-4WD:VTD-AWD
●その後、2013年5月に一部改良。2.5i Lパッケージを廃止し、「2.5i Bスポーツ アイサイト」を設定。2014年10月には、フルモデルチェンジした6代目レガシィシリーズを発売している。