中古車購入チェックポイント
更新日:2015.08.22 / 掲載日:2005.08.12
トヨタ マークII 中古車購入チェックポイント
トヨタ マークII
中古車購入チェックポイント
■全体のチェックポイント
1996年9月~2000年9月まで発売されていたマークII(100系)は、爆発的に売れた90系の後を受け継いだミドルクラスの高級車。バリエーションには、ツアラーVのように280psの6気筒ターボエンジンを搭載してスポーティな走りをこなすグレードもある。改造車や事故車も比較的多いので、車体まわりのチェックと同時に、新しい部品や改造部品などにも目を光らせて、整備手帳とも照らし合わせてみよう。
1.全体の雰囲気を見る
1.全体の雰囲気を見る
少し離れて車両の全体を見てみよう。車体表面の張りや艶などをはじめ、車体が歪んだり傾いたりしていないかチェックしよう。ナンバープレートは曲がっていないか?左右のヘッドライトの色は同じか?バンパーは車体とずれていないか?車体の切れ目の隙間(チリ)は真っ直ぐか?どこかがくすんでいたり、一部だけ艶が違って見えたら、その部分を修理したことも考えられる。
2.ボンネットを開けて細部を点検
2.ボンネットを開けて細部を点検
エンジンルーム内の塗装の状態を、まずチェック。ラジエターを支えているラジエターサポートやエンジンルーム内左右のフェンダーの色を見て、微妙に色が違っていないか見比べてみよう。色が違っていたら、その部分だけ再塗装している。つまり、補修や修理をしているということだ。また、エンジンまわりもチェック。ゴムホースやベルトの劣化などの部品を点検しながら、オイルのにじみや汚れにも注意しよう。
3.車体前部の修復を推測
3.車体前部の修復を推測
フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷あるなど、工具を使ってネジを脱着した跡があれば、フェンダーを交換した可能性がある。フェンダーを交換していても事故車とはいわないが、車体の前部を広範囲にわたって修理したかもしれない。交換していなければ、大きな事故を起こしていないといえる。
4.前部の衝突で残る修理の痕跡
4.前部の衝突で残る修理の痕跡
フロントグリルの後ろにあるラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。フロントをぶつけると、高い確率でラジエターサポートを修正あるいは交換することになる。歪みや手を加えた痕跡がないか、じっくりチェックだ。周囲と色が違っていたら、交換した証拠と思っていい。フェンダーとの接合部も不自然なところはないか、点検しよう。
5.ボンネットの交換は事故修理の履歴?
5.ボンネットの交換は事故修理の履歴?
ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジに工具をかけた跡を発見したら、事故を疑ってみる。ただし、エンジン修理のためにボンネットを外す場合もある。もし、エンジンの整備などのために外したのなら、記録が残っているはず。整備手帳を確かめてみよう。
6.フレーム先端の変形に注目
6.フレーム先端の変形に注目
エンジンルームの前部にあるラジエターの横の隙間を上からのぞくと、車体を支えている骨格(フレーム)の先端が見える。フレームの先端には鉄板が溶接してあるが、溶接部分に錆があれば要注意。この錆は、大がかりな修理で車体に熱を加えたせいで発生したと推測できる。つまり、事故車を修理した可能性が高い。
7.隙間と色の違いを見る
7.隙間と色の違いを見る
事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、組み付けの際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(「チリ」と呼ぶ)を見ればわかりやすい。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)、それぞれのチリが均一でなければ、前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。同じ場所の車体の左右を見比べてみるのもチェックのコツだ。また、再塗装する際に、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色が合っているかもチェックしよう。
8.ドアヒンジから側面のダメージを推測
8.ドアヒンジから側面のダメージを推測
車体側面のドア部分に大きな損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうこともい。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)のネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。前後左右のドアを見比べて、特定のドアだけネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時や、ドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。
9.ドアの開口部を観察する
9.ドアの開口部を観察する
リアドアを開けると、ドアの開口部の下に鉄板の継ぎ目がある。リアタイヤ周辺の車体にダメージを受けると、修理するために継ぎ目から鉄板を剥がすことがある。一度鉄板を剥がすと、元と同じ状態には戻らない。それは、継ぎ目部分の溶接の状態を見ればわかる。車体左右の同じ場所を見比べれば、違いがわかりやすい。
10.トランクフードをチェック
10.トランクフードをチェック
後部をぶつける事故を起こした場合、ダメージが大きいとトランクフードを交換することもある。チェックポイントは、トランクフードを支えている金具(アーム)と固定しているネジ。マークIIは、ネジが隠れているので、内装材をめくってネジの頭に傷がないか見てみよう。また、閉めた状態で車体部との隙間が揃っているかどうかも点検しよう。
11.後部をぶつけたダメージを探る
11.後部をぶつけたダメージを探る
トランクルームの床下に収納されているスペアタイヤを外してみよう。床の歪みなどから、後部をぶつけた大きな事故の跡を発見できることもある。また、水が溜まったような跡がある場合は、車体が歪んで雨水などが浸入したことが原因のこともある。車体部を観察すると同時に、スペアタイヤの状態(空気圧や摩耗)もチェックしておこう。
12.車体の床下もチェック
12.車体の床下もチェック
床下は、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。フレームのゆがみや部分的な変形をはじめマフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がなく見えない部分は、そのまま手を付けていないことがあるので、事故跡を見付けることがある。
マークIIのコンディションはここで見極める!
1.整備記録に目を通す
1.整備記録に目を通す
点検記録簿(整備手帳など)に目を通して、きちんとメンテナンスを受けてきたかどうかもチェックしよう。定期的に点検整備を受けているなら、機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。
2.異音や大きな振動はないか?
2.異音や大きな振動はないか?
エンジンを始動してみよう。異音がしたり、大きな振動がするようならトラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってから少しアクセルを踏んでみて、スムーズに回転が上下するかどうかも試してみよう。また、ターボエンジンの場合は、マフラーから白煙や黒煙が出ている場合はタービンのトラブルが多いので要注意だ。
3.ハンドルの握り部から推測
3.ハンドルの握り部から推測
ステアリングホイール(ハンドル)は、長期間使用するうちに、握っている部分が劣化してくる。革や樹脂などの材質に関わりなく、常に手を添えている部分に艶が出てくるのだ。走行距離が少ないのに、ステアリングホイールが極度に劣化しているようなら、ドライバーの運転が異常の原因と推測できる。また、メーターの改ざんなどの疑いもある。
4.試走して確かめる
4.試走して確かめる
異音が発生していないか、確実に切り替えができるかどうか、トランスミッションの状態を確かめてみよう。オートマチックは、NからDへ、NからRにセレクトレバーを動かして、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかをチェック。使い方によっては5万kmも走行しないうちに不良になることもある。アクセルを踏んで動き出す時や加速する時のタイミングが長い場合は、繋がりが悪くなって滑っているので要注意。
5.タイヤの溝を点検
5.タイヤの溝を点検
参考車両は、タイヤの溝がほとんどなく、スリップサインが出ていた。タイヤの摩耗は、4本ともチェックすること。極端にタイヤの一部が減っている、いわゆる偏摩耗の状態に注意。アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。
6.シートの汚れやヘタリをチェック
6.シートの汚れやヘタリをチェック
インテリアは、シミや汚れ、たばこのこげ跡などがないかをシートを中心にチェックしてみよう。ドライバーの運転姿勢が悪かったり、癖が付いていると、シートのクッションの一部がヘタっていたり、シート自体が変形していることもある。座って確かめてみよう。