中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.19 / 掲載日:2015.07.03
日産 セレナ S-ハイブリッド 中古車購入チェックポイント
日産 セレナ S-ハイブリッド(2013年12月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:20G S-ハイブリッド アドバンスドセーフティパッケージ(DAA-HC26)
初度登録:2014年5月
追加装備:〈メーカーオプション〉日産コネクトナビゲーションシステム+ステアリングスイッチ、シグネチャーLEDポジションランプ付LEDヘッドライト
■全体のチェックポイント
2010年11月に発売したC26型が、2013年12月にマイナーチェンジした後のモデル。参考車両は、「S-ハイブリッド」と「アドバンスドセーフティパッケージ」を搭載し、「日産コネクトナビ」を追加しているところにも注目。各部を慎重にチェックするのはもちろんだが、省燃費機能や運転支援機能も含めた走行機能の具合と整備状況も必ず確認したい。
走行機能にもダメージが及んでいないか注意する
1.外見の様子からチェック
1.外見の様子からチェック
まずは、外装に異常がないか探っていく。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、バンパーグリル、下側にあるタイヤディフレクター(空気整流板)などに損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。同時に、アッパーグリルやヘッドランプもチェック。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のライナー(泥よけカバー)なども、損傷や修理跡などがないか探る。
3.周辺部の損傷にも注意
3.周辺部の損傷にも注意
フロントドアは、外面だけでなく、内側もチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など車体側の関連部もチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットを開けて、ボンネットの内側やヒンジ部をチェック。フェンダーも、腐食(錆)や修理跡がないかチェックし、ブラケット(支え金具)も見て、固定状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、必ずチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどの状態をチェック。バックドアガーニッシュやバンパーリフレクターなど付帯部品も、損傷などがないか見る。
バックドアは、開閉具合をチェック。全開状態で下がってこないかロッドダンパーの効きもチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。開口部も、溶接やシーラーの状態などに注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。室内側の内装パネルも、歪みやなどがないか見る。
6.スライド動作にも注意
リアスライドドアは、開閉する動き具合をチェック。オートスライドドアは、電動機構や挟み込み防止機構などの具合もチェック。
上・下・側部のブラケット(支え金具)とローラー、車体側のレール(スライドさせる溝金具)なども異常がないかチェックする。
7.下側に要チェックポイント
7.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷や腐食などがないかチェック。床下側にあるパネル接合部の修理/交換跡にも注意したい。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
8.関連部も慎重にチェック
リアフェンダーもフロントと同様にチェックするが、スライドレールがあることや車体後面まで伸びていることにも注意。車体右側は、フューエルリッドや給油口周辺も、修理跡などがないか見る。
9.タイヤとホイールをチェック
9.タイヤとホイールをチェック
「20G」は、195/65Rタイヤ&15インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび、欠けなどがないか見る。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御VDCなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、歪みや割れなどにも注意しながらチェックする。
10.床下の様子もチェック
10.床下の様子もチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ、オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食状態を調べる。
★損傷と修理/交換歴の有無を確認
「セレナ」は、3列シート8人乗りの中型ミニバン。「20G」は、フロントフォグランプ、両側オートスライドドア、バックドアオートクロージャーなどを標準装備。参考車両には、メーカーオプションのシグネチャーLEDポジションランプ付LEDヘッドライトが付いている。
「S-ハイブリッド」車は、駆動用モーターなどは搭載せず、ECOモーターと2つの12Vバッテリーをエンジンルーム内に設置。ラジエタークーリングファンが1つ(S-ハイブリッド非搭載車は2つある)に替わっている。20S以外は、エマージェンシーブレーキ+車線逸脱警報で使うカメラが、フロントガラス上部室内側にある。「アドバンスドセーフティパッケージ」搭載車は、フロントグリル・ドアミラー・バックドアにアラウンドビューモニターカメラを設置し、フロントソナー(フロントバンパー)とバックソナー(リアバンパー)も装着している。
車体構造の話はともかく、車体や外装が走行機能と関わっていることにも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れ、傷、穴、損壊などがないかチェック。ボックスやポケットなどは、内部の状態も見る。シート表皮の染みや破れ。本革部分の擦れや剥げ。装飾パネルやフック類の破損。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などは、可動部の破損にも注意しながらチェックする。
2.後席や荷室も調べる
前席周辺だけでなく、2列目席、3列目席、後部ラゲッジスペースも、シートからドア、床、天井までチェック。セカンドシートのスライド・リクライニング・ウォークイン機構、サードシートの横位置格納、シート背面テーブルの折り畳み、ロールサンシェードの出し入れなども試しながら周辺の状態を丹念に見る。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。リモコンキーの機能と各ドア解錠・施錠の具合なども確認。オートエアコンは、自動調整や調整・設定具合をチェックするが、アイドリングストップとの連携制御などにも注意する。
4.追加装備の機能も確認
メーカーオプションの[日産コネクトナビゲーションシステム+ステアリングスイッチ]装備車は、ナビ、AV、通信、接続などのほか、ディスプレイ表示やステアリングスイッチなど付随・連携機能がすべて正常か確認。日産コネクトナビシステムは、[アドバンスドセーフティパッケージ]に含まれる一部機能と連携していることにも注意したい。
★細部は販売店で点検してもらう
参考車両には、「アドバンスドセーフティパッケージ」装備車に設定しているメーカーオプションの日産コネクトナビゲーションシステム(メモリータイプ、カーウイングス対応、DVD/CD・TV・AM/FM・6スピーカー、Bluetooth、USB接続、ETCユニット、他)+ステアリングスイッチ(オーディオ/ナビ/ボイスコマンド/ハンズフリーフォン)が付いている。日産コネクトナビを装着すると、ディスプレイ付ルームミラーは装備されず、アラウンドビューモニターはナビ画面だけに表示する(ディーラーオプションのアラウンドビューモニター対応ナビは、ルームミラーとナビ画面に切り替え表示できる)といった若干の差違もある。いずれにしても、チェックする車両の装備内容を販売店でまず確認。装備機器の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の具合に注意したい。
走行機構各部と制御機能の具合を必ず確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター(グレード別設定)のインテリジェントキー表示・警告やエンジンスイッチの機能を確認。表示灯・警告灯の点灯・点滅、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示、警告ブザーなどにも注意したい。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能動作も確認
CVTは、各レンジへのシフト具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速、[SPORT]モードON/OFF、[ECO]モードON/OFF、VDC/TCSと[VDC OFF]、ヒルスタートアシスト、クルーズコントロールなどの制御具合をチェック。「S-ハイブリッド」は、アイドリングストップ・エネルギー回生・発進加速時アシスト機能の具合をチェック。「アドバンスドセーフティパッケージ」装備車は、自動ブレーキ/衝突防止アシスト機能のON/OFF、フロント&バックソナー機能ON/OFFなどの具合も確認したい。
とはいっても、異常を判断するのはまず無理。走行関連機能は、販売店で厳密に調べてもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
「セレナ」は、CVT(無段変速機)、ECO(省燃費)モード、クルーズコントロール、VDC(横滑り抑止VDC&空転抑止TCS)、ヒルスタートアシストなどを全車搭載。20S以外は、エマージェンシーブレーキ+車線逸脱警報LDWを装備。「S-ハイブリッド」は、2WD(FF前輪駆動)で、アイドリングストップ制御・エネルギー回生制御・補助原動機(発進加速時アシスト)機能を備えたECO(エネルギーコントロール)モーター、12V鉛電池2個(メイン 64Ah・サブ 27Ah)を搭載。「アドバンスドセーフティパッケージ」装備車には、MOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター、踏み間違い衝突防止アシスト(低速加速抑制機能+低速衝突軽減ブレーキ機能)、フロント&バックビューモニター、ふらつき警報などの機能が追加されている。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能に異常がないか確認したい。いちおうエンジンルーム内の様子だけでも見て、各部の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、走行関連機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、パネル接合部を慎重に調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2010年11月に発売した4代目C26型「セレナ」は、新型2.0Lエンジン+CVT(無段変速機)を搭載し、ECO(エネルギーコントロール)モーターを採用したアイドリングストップ搭載車を設定。2012年8月に一部改良。ECOモーターの機能を強化し、エンジンアシスト機能を備えた「S-ハイブリッド(スマートシンプルハイブリッド)」を2WD車に設定。
●2013年12月にマイナーチェンジし、外装デザインを一部変更。20Sを除く全車にエマージェンシーブレーキ+車線逸脱警報を標準装備。装備設定を一部変更するとともに、「アドバンスドセーフティパッケージ」を設定。車両安定制御VDCとヒルスタートアシストを全車(以前の20Sは非搭載)に搭載している。
「20S」は、リモコンエントリーやオートエアコンなどを装備し、アイドリングストップやエマージェンシーブレーキなどを省略したベーシックタイプ。「20X」は、インテリジェントキー、プッシュエンジンスターター、オートデュアルエアコンなどを装備したスタンダードタイプ。「20G」は、両側オートスライドドア、プラズマクラスター付インテリジェントエアコン、本革巻ステアリングホイール、イージークリーンシート地などを装備した上級タイプ。「ハイウェイスター」は、外装にエアロパーツを装着し、本革光沢ブラック装飾など専用の内装を装備。「ハイウェイスターG」は、ハイウェイスターに専用サスペンションや16インチアルミホイールを装着。20Gにほぼ準じる上級装備となっている。「アドバンスドセーフティパッケージ」は、移動物検知機能MOD付アラウンドビューモニター+ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー+踏み間違い衝突防止アシスト+フロント&バックソナー+ふらつき警報を追加装備する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
20S | DBA-C26 | CVT | FF |
20S | DBA-NC26 | CVT | 4WD |
20X S-ハイブリッド * | DAA-HC26 | CVT | FF |
20X * | DBA-NC26 | CVT | 4WD |
20G S-ハイブリッド * | DAA-HC26 | CVT | FF |
20G * | DBA-NC26 | CVT | 4WD |
ハイウェイスター S-ハイブリッド * | DAA-HFC26 | CVT | FF |
ハイウェイスターG S-ハイブリッド * | DAA-HFC26 | CVT | FF |
ハイウェイスター * | DBA-FNC26 | CVT | 4WD |