中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2014.05.16
経済性抜群のオール100万円カー特集

増税により、これまで以上に高価なものの購入には慎重になる人も多いだろうが、欲しいものの価格、流通状況や費用対効果をしっかり考えれば決して損はしないはず。編集部が厳選する経済性抜群のクルマで、増税後も納得のクルマ購入を目指してほしい。
CASE 1 中古?型落ち?問題ナシ!! ちょっとオシャレな輸入車オーナーになりたーい!
性別:男性 年齢:26歳 家族構成:独身

●オシャレな輸入車を乗りこなしたい
●取り扱いやすいサイズが欲しい
●装備の充実度も高いものがいい
オススメのクルマ プジョー 207 (先代型・平成19年3月~平成24年10月)

中古車の相場:63万~257万円 流通台数:約180台 ※100万円以内での台数 ※平成19年~24年式の相場です。
ポイント
●プジョーならではの美しいフロントデザイン
●コンパクトだがしっかりとしたパワーも備える
ユーザー口コミレビュー
機能も優れているし、それに加えて外観のオシャレさは満足度が高いです。やっぱりプジョーはネコ目のライトが印象的です。
1.6Lのコンパクトサイズながらも、幅は3ナンバーサイズとなる1750mmに設定し、ゆったりとした空間を作り出しているプジョー207シリーズ。デザイン性に優れたフロントマスク、さらにはブラックでシックに決めた車内パネルなど、こだわりを持つ人にうってつけのクルマだが、100万円以内で狙うのであれば、シリーズ初期型中心のチョイスとなるだろう。
ココに注目!

オシャレコンパクトというイメージが強いかも知れないが、実はスポーティーでパワフルな走りも出来るこのクルマ。操作感を楽しみたいドライバーに嬉しいMT仕様を用意しているが、初期型は5MT、後期型は6MTと異なる設定になっている。
平均価格はやや持ち直し

相場としては上昇気味だが、100万円以内で買える状態良好な初期型モデルの台数もまだ豊富なので今が買い時である。
CASE 2 消費税アップに負けない! 低燃費カーに乗り替え&維持費を抑えて、節約上手に!
性別:女性 年齢:33歳 家族構成:夫・子供2人

●購入費用も維持費も安く済むクルマが狙い
●乗りやすさ、運転しやすさも選ぶポイント
●何よりも燃費がいいものに乗りたい
オススメのクルマ ダイハツ ミライース (現行型・平成23年9月~)

中古車の相場:59万~101万円 流通台数:約1600台 ※100万円以内での台数 ※平成23年~26年式の相場です。
ポイント
●利便性、安全性を突き詰めた実用度の高いクルマ
●値上がりしたガソリン代の抑制に力を発揮してくれる
ユーザー口コミレビュー
街中走行でも軽く20km/Lを超えてくれるので通勤代が安く済んで本当に助かります。車内は意外と広く快適!
消費増税+地球温暖化対策税の新設により、ガソリン代がさらに値上がりとなったが、このミライースならば燃料費抑制が大きく期待出来る。ハイブリッドカーの低燃費はよく知られているが、その反面で購入費用は決して安くはない。しかし購入金額が安く済むミライースであれば、費用対効果はハイブリッドカー以上であり、早い段階で元を取れるのもポイントだ。
ココに注目!

いろいろな情報を、デジタル表示でわかりやすく知らせてくれるフロントメーター。アイドリングストップした時間の合計や、平均燃費などを随時教えてくれるので、計画性を持ったエコドライブを実践出来るはず。
前年から引き続き上昇

燃料費アップに備えようという意識が価格上昇に繋がっているが、これ以上の高値傾向になるのは予想しづらい。
CASE 3 予算はないけどカッコいいクルマが欲しい ガンガン走れるクルマなら最高なんだけど・・・
性別:男性 年齢:30歳 家族構成:独身

●デザインが優れたスポーツタイプが欲しい
●サイズはミドルサイズクラスがいい
●操作する楽しさのあるMT仕様車が狙い
オススメのクルマ トヨタ セリカ (最終型・平成11年9月~平成18年4月)

中古車の相場:18万~130万円 流通台数:約100台 ※100万円以内での台数 ※平成11年~18年式の相場です。
ポイント
●販売終了から8年経過しているが色あせないデザイン性
●FF駆動のミドルサイズスポーツクーペの完成系
ユーザー口コミレビュー
何よりも見た目がカッコいい。結構古いクルマですが、知り合いに見せた時に「新車?」と聞かれるほど現代に合ったデザイン。
このモデルでセリカ36年の歴史を閉じることとなってしまったものの、スタイリッシュなデザインは販売終了から8年の時が過ぎても色あせることはなく、今なお根強い人気を誇っている。1.8Lのコンパクトサイズだが、軽量設計を施したことで起動性能をより高めている。また6MTを用意するなど、本格的な走りを求める人の期待に応えている点も見逃せない。
ココに注目!

オリジナルボディだけでも十分カッコいいが、スポーツタイプの楽しみといえば、純正パーツ以外のエアロパーツを導入すること。このクルマ用のパーツは豊富に流通しているので、自分だけのオリジナルカーに変えてみてはどうだろう?
前年から引き続き下降

絶版となってから8年が経過しているので、このモデルを狙う人は見つけた時点が「買い時」であることは間違いない。
CASE 4 贅沢は言わない。けど家族全員でドライブに行けるクルマがいいなぁ
性別:男性 年齢:44歳 家族構成:妻・子供2人・両親

●家族揃って遠出できるクルマにしたい
●乗り降りしやすい低床タイプがいい
●ロングドライブも多いので走行性は重視
オススメのクルマ ホンダ ストリーム (現行型・平成18年7月~)

中古車の相場:76万~174万円 流通台数:約360台 ※100万円以内での台数 ※平成18年~26年式の相場です。
ポイント
●限られたスペースを最大限に有効活用
●低重心タイプでスポーティーさもある
ユーザー口コミレビュー
ミニバンではもっこりしすぎだが、スポーツカーでは家族を乗せられない、そんな難題を解決してくれたクルマです。
2.0Lタイプがベースのミドルサイズでありながらも、6~7人乗りを実現させたストリーム。ワゴンタイプだからこその低床設計は乗降性に優れるだけではなく、走行性も良いところがポイント。また、外観もスポーティーでスッキリとしたデザインにまとめているところも評価の高いところ。サイズもちょうどよく、立体駐車場でも高さを気にしないで駐車できるのも◎。
ココに注目!

ミドルサイズのワゴンタイプミニバンだが、窮屈感を感じさせないスペースを有効に使った設計がこのクルマのポイント。7人乗車はさすがに厳しいが、子供2人を3列目に乗せることを前提に考えれば6人乗車も問題ナシと言えるはず。
緩やかに下降中

現行型ではあるものの、緩やかながらも下降ラインをたどっているので手頃な値段で買えるものもかなり増えている。
CASE 5 発売当時は高嶺の花だったあのクルマ。手に入れてグルメドライブへ!
性別:男性 年齢:51歳 家族構成:妻・子供2人

●高級ブランド感を味わいたい
●小安全面での評価が高いものを求める
●輸入車でもそこそこの燃費は期待したい
オススメのクルマ メルセデス・ベンツ Cクラス(W203) (先々代型・平成12年9月~平成19年6月)

中古車の相場:15万~318万円 流通台数:約150台 ※100万円以内での台数 ※平成12年~19年式の相場です。
ポイント
●高速走行でもブレのない確かな走行安定性
●低グレードでも手を抜かない標準装備の数々
ユーザー口コミレビュー
小回りが利くし、日本の狭い駐車場でも出し入れに困ることは特にありません。また、車検の費用も思ったより安く済む。
メルセデス・ベンツと言えば、誰もが知る高級ブランドだが、先々代型まで候補を広げれば100万円以内でも十分に購入可能。特にこのW203タイプの2004年後半から発売された後期型と呼ばれるモデルは、発売当初に不評だった部分を修正したものなので完成度も高く、今なお愛好者は少なくない。発売当時に手が出なかった人にとって、今こそ買いと言えるはずだ!
ココに注目!

このW203タイプの特徴といえば、ひょうたん型とも言えるヘッドライト。ベンツらしいダイナミックなボディでありながらも、エレガントさを高めるアクセントにもなっている。特殊な形ではあるものの、交換用ライトは多数販売されている。
前年から引き続き下降

さすがに2代前のモデルということもあり、価格は下落傾向となっているので、この辺で状態のいい一台を探したい!
※すべての価格は参考価格です
※相場、口コミレビューに関してはGoo-net 2014年4月調べ

ベテラン評論家が独断と偏見で判定を下すライバル対決コラム クルマライバル 勝手にジャッジ
PROFILE 清水草一
PROFILE 清水草一
1962年生まれ。自動車ライターにして交通ジャーナリスト。大の中古車マニアとしても知られ、格安車からフェラーリまで、その生涯で25台以上もの中古車を購入している。
清水草一「私の選択」
スズキ ワゴンR (先代型・2008年9月~2012年9月) 中古車価格帯:50~104万円
キープコンセプトで利便性を追求
前後大幅スライドが可能なリアシートを採用するなど利便性を格段に向上している。シフトはコラム式からインパネ式へ変更された。ダイハツ ムーヴ (先代型・2006年10月~2010年12月) 中古車価格帯:38~93万円
軽トールワゴンの新機軸
従来の箱形スタイルを払拭し、ボディ先端からルーフへと流れるようなラインを描いたタマゴ型フォルムに。ホイールベースも拡大。
最終年式もいよいよ100万円を切り、相場はかなりこなれてきた印象。スポーティ仕様となる「スティングレー」グレードは若干高め。
「あくまで質実剛健な機能性を強調している」
走りの実力で、ライバルであるムーヴに大きな差を付けられたワゴンRは黙っていなかった。2006年デビューの先代ムーヴの後を追って、2008年にフルモデルチェンジを果たした先代ワゴンRは、しっかりライバルに追いついていた!
エンジン本体には変更はなかったが、前のモデルとの差は明らかで、ムーヴに勝るとも劣らない低速トルクを手に入れていた。いったいどんなマジックを使ったのか?それはスズキお得意の小さな改良の積み重ねによるもの。結果、ワゴンRの走りは、ムーヴに遜色なくなっていた。
デザインは、ワゴンR伝統の箱型を継承。シンプル&クリーンなフォルムは、普遍的な魅力を持っている。インテリアの質感も大幅に向上した。ムーヴの近未来志向に対して、こちらはあくまで質実剛健な機能性を強調しており、良きライバルらしく対照的な味付けだ。
足まわりは、ソフトなワゴンRに対して、かなり固めのカチッとしたフィーリング。そのぶん路面の悪いところでは振動が出るが、優劣は好み次第というところだろう。
実力が接近したライバル同士だが、ゴージャス志向のムーヴ、機能美志向のワゴンRと言うことができる。相場は順調に下落中。最も登録台数が多いのは07年式で、今年はちょうど車検の年にあたり、流通台数が増える可能性大。
「ベーシックではなく上級車へと脱皮した」
軽自動車界の両横綱・ムーヴとワゴンR、どっちを選ぶべきか?ともに日本を代表する量販車種。実力も接近している。実に難しい選択だ。
先代ムーヴが登場した2006年時点では、実は勝負は明白だった。新型エンジンを投入して、驚くべき低速トルクを実現したムーヴが、ワゴンRを断然リードしていたのだ。その差は日常的な走りで端的に出た。ワゴンR(先々代)が回転を上げないとしっかり加速しないのに対して、ムーヴは低い回転でもスススッと軽快に加速する。2008年の先代ワゴンR登場までは、「軽自動車エンジンにおいて、ダイハツはスズキに決定的な差を付けた!」と言うことができた。
先代ムーヴは、ルックスも特徴的だ。トールワゴン軽といえば、ワゴンR的な箱型がスタンダードだったが、ムーヴはメルセデスAクラス的なワンモーションフォルムを採用している。インテリアも凝りに凝っており、もはやベーシックカーではなく、上級コンパクトカーへと脱皮を果たしている。
サスペンションはソフトで、日常的な走りではとても快適。この点でも、ムーヴの上級志向ははっきりしていた。
ライバル興亡史
2006 ムーヴ
フルモデルチェンジ。
2007年にダイハツが、34年間続いていた軽自動車販売トップの座をスズキから奪った立役者となった。
2008 ワゴンR
フルモデルチェンジ。
大きなイメージ変更をせず中身で進化を感じさせる内容だったが、単独車販売台数は首位をキープ。
2008 ムーヴ
マイナーチェンジ。
ランナップ中、特に人気の高かったスポーティモデル「カスタム」のフロントマスクを大幅に変更した。
2010 ムーヴ
現行型(5代目)へフルモデルチェンジ。
全車CVTやアイドリングストップ機構を採用。その後、2012年にマイナーチェンジでデザインを一新。
2011 ワゴンR
アイドリングストップ採用車を拡充。
前年に一部のグレードに搭載されて好評だったアイドリングストップ機構搭載モデルを追加した。
2012 ワゴンR
現行型(5代目)へフルモデルチェンジ。
リチウムイオンバッテリーを用いた低燃費技術「エネチャージ」を採用するなど、燃費性能を向上。
両車とも驚くほど合理的なパッケージ
走りの実力はほぼ互角。室内の広さやシートアレンジもほぼ互角。細かく言えば、たとえばリアシートのスライド量が、ムーヴの255ミリに対してワゴンRは160ミリであるなど、決して差はないわけではないが、実際に乗ってしまえば、使い勝手はそう変わらない。ともに驚くほど便利で合理的なパッケージングなのである。
つまり、この2台が最も違うのは、デザインとインテリア、そして乗り心地だ。基本的にムーヴはゴージャス志向。ワンモーションフォルムは流麗で、インパネにはセンターメーターの上にアーチがかかったような斬新なデザインを採用している。そしてサスペンションはかなりソフト。ターボエンジン搭載のムーヴ・カスタムはともかく、ノンターボのムーヴは優しい乗り心地が特徴で、そのぶんコーナーではかなり大きく傾く。
対するワゴンRは、ワゴンRらしい箱型フォルムに、機能性重視で質感の高いインテリアを持つ。足まわりはカチッとしていてコーナーでは安定感があるが、そのぶん細かな振動は伝わりやすい。
これらの特徴は、好みで選び分ける部分。優劣はつけられないが、あえてジャッジを下すと、革新の道を進んだムーヴの心意気を買いたい。ただ、実際の購入に当たっては、車名にこだわらず、よりいい個体が見つかった方を選ぶのが現実的だ。それくらい両車の実力は接近している。
今回のジャッジ

難しいジャッジとなったが「革新」の選択を評価する!
実力は拮抗しており、中古物件のコンディションやデザインの好みで選んでも間違いはない!が、挑戦の姿勢を示したムーヴに一票を投じたい。
※すべての価格は参考価格です
※中古車市場データはGoo-net 2014年4月調べ