中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2005.08.12

トヨタ セリカ 中古車購入チェックポイント

  • トヨタ セリカ 中古車購入チェックポイント

    トヨタ セリカ(全体)

  • トヨタ セリカ(全体)

■全体のチェックポイント

セリカは、スポーティな雰囲気と走りを楽しむクルマだ。スポーツタイプ車は、過激な走行を繰り返した車両があるという点を考慮する必要がある。ドアやリアハッチは開口部が非常に大きいこともあって、車体に疲労が出やすい。できるだけ試走して、車体から発生するきしみ音などをチェックしたい。また、エンジンをはじめ走行に関わる機能部分も、記録簿を見て点検整備などの時期と内容を調べてみよう。低年式車は、インテリアのプラスチック部分の焼けや傷みもチェック。整備や手入れ状態など、どのように扱われていたかを推察することも目利きのポイントだ。

1.全体の雰囲気から探る

車両からやや離れて、全体を見てみよう。ナンバープレートの曲がり、左右ヘッドライトの色の違い、バンパーのずれ、車体の切れ目の隙間などをチェック。見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。「何となく変な感じ」を受ける部分があれば、近寄って念入りに観察しよう遠目からの雰囲気も、目利きチェックのポイントだ。また、車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。車体表面の色艶などでも、修復の形跡がわかる。一部だけくすんでいたり艶が違って見えたら、修理したことも考えられる。

  • トヨタ セリカ(全体の雰囲気から探る)

  • トヨタ セリカ(全体の雰囲気から探る)

  • 2.エンジンルーム内の状態を探る

    トヨタ セリカ(エンジンルーム内の状態を探る)

  • 2.エンジンルーム内の状態を探る

    セリカは、ほとんどカバーされているので見えにくいが、エンジンルーム内各部の塗装の状態を観察しよう。車体部と左右のフェンダー、ラジエターを支えているラジエターサポートなど、それぞれの色を比べてみる。一部だけ色合いが異なっていれば、そこは修理した可能性がある。周囲と比べて不自然にきれいだったり色艶が違う部分も、修理した跡かもしれない。

  • 3.車体前部の修復を推察する

    トヨタ セリカ(車体前部の修復を推察する)

  • 3.車体前部の修復を推察する

    フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷あるなど、工具を使ってネジを脱着した形跡があれば、フェンダーを交換した可能性がある。フェンダーを交換していても事故車(修復歴車)とはいわないが、車体の前部を広範囲にわたって修理しているかもしれない。交換していなければ、大きな事故を起こしていないといえる。

  • 4.合わせ目のシールをチェック

    トヨタ セリカ(合わせ目のシールをチェック)

  • 4.合わせ目のシールをチェック

    ドアは外と内のパネル2枚を合わせた構造になっている。修理する場合は、溶接部をはがして板金することがある。その際は、パネルの合わせ目をシーリング(防水防錆のために隙間を埋める)し直すために、シール材を盛った形状が新車とは違うことがあるのだ。また、シール材を爪で押した時に「プチッ」と音を立てて表面が割れたら(表面だけが硬くて中が柔らかい)修理の際に盛った新しいシールだ。

  • 5.ボンネットの交換は理由が問題

    トヨタ セリカ(ボンネットの交換は理由が問題)

  • 5.ボンネットの交換は理由が問題

    事故などでボンネットにダメージを受けると、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを見て、脱着した形跡がある場合は要注意。事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを外すこともあるが、その場合は整備記録簿に修理記録が残っているはずだ。

  • 6.色と隙間を見る

    トヨタ セリカ(色と隙間を見る)

  • 6.色と隙間を見る

    事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪むと、外板パネルを修理することになるが、組み付ける際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(チリ)を見ればわかる。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)など、それぞれのチリが均一でなければ、車体前部の外板に手を加えた(修理した)可能性が高い。判断が微妙な時は、車体左右の同じ場所を比べてみよう。また、再塗装すると、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色艶が合っているかもチェックしよう。

  • 7.側面のダメージを推測する

    トヨタ セリカ(面のダメージを推測する)

  • 7.側面のダメージを推測する

    車体側面のドア部分に損傷を受けると、ドア自体を交換してしまうことも多い。交換する場合は、ドアを支えている金具(ヒンジ)の固定ネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。一般にネジの頭は塗装されているので工具を使えば傷で判断できるが、セリカのネジは塗装されていない。この場合は、左右ドアのネジを見比べるといいだろう。特定のドアだけネジの頭に傷が多ければ脱着したことが疑える。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。

  • 8.後部の床を調べる

    トヨタ セリカ(後部の床を調べる)

  • 8.後部の床を調べる

    トランクルームの床に収納されているスペアタイヤを外してみよう。車体に大きなダメージを受けてできた歪みなどが床部に残っている(走行に支障がない部分は修理しない)のを見つけることもある。塗装が周囲と違っていたり、防音防振材(床部や車体内部に貼っているマット)の状態に剥がれていたり波打っているなどの異常があれば、後部を修理しているかもしれない。また、スペアタイヤを外したついでに、タイヤ自体の状態(空気圧や傷の有無など)もチェックしよう。

  • 9.リアハッチの状態をチェックする

    トヨタ セリカ(リアハッチの状態をチェックする)

  • 9.リアハッチの状態をチェックする

    後部をぶつけると、リアゲートもダメージを受けやすい。修理や交換したかどうかをチェックするには、リアハッチを支えている金具(ヒンジ)を見る。ネジの頭の塗装に傷があるなど、ネジを脱着した形跡がないかどうか見てみよう。ヒンジが接している周辺の鉄板が歪んでいる場合は、大きなダメージを受けていると推測できる。また、ハッチがしっかり閉まるかどうかも目安になる。車体の後部全体が歪んでいると、ハッチの位置が微妙にずれてスムーズにカチッと閉まらないこともある。そして、開閉状態もチェック。ハッチを途中で止めてみて、下がってしまうようなら、開閉を補助するロッド(ダンパー)がへたっている。

  • 10.開口部の溶接を観察する

    トヨタ セリカ(開口部の溶接を観察する)

  • 10.開口部の溶接を観察する

    開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されている。追突をはじめ、後部が変形するようなダメージを受けて修理した車両は、溶接部分が不自然に見える。特にスポット溶接(丸い窪みが点状に並んでいる)が乱れていれる場合は、車体の左右を見比べると判断しやすい。同形式の車両が複数ある場合は、比較してみるとさらに確認しやすい。また、板金塗装をしていれば、周囲と色の雰囲気が違って見えることもある。さらに確かめるには、鉄板の継ぎ目に盛ってあるシール材(鉄板の合わせ目の隙間を埋めている)を爪で押してみよう。表面が硬くても内部が柔らかい(爪で押すとプチッと表面が割れる)ようなら、修理して新しいシール材を盛っている。

  • 11.給油口の蓋でもわかる

    トヨタ セリカ(給油口の蓋でもわかる)

  • 11.給油口の蓋でもわかる

    車体後部にある意外なチェックポイントが、フューエルリッド(給油口の蓋)だ。リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。ネジを脱着した形跡がないかチェックしてみよう。フューエルリッドを交換していれば、塗装表面の艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、リアフェンダー周辺を修理していることが疑える。また、フューエルリッドの色を参考にして塗料を調合するために外すもある。取り外した形跡があれば、再塗装するなど、他の部分を修理したり補修していることも考えられる。

  • 12.床下の様子を覗いてみる

    トヨタ セリカ(床下の様子を覗いてみる)

  • 12.床下の様子を覗いてみる

    床下を覗くと、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。フレーム(車体の骨格部)をはじめ、鉄板部の部分的な変形や各部支え金具の歪みなどはないだろうか。マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのまま手を付けていない(補修や部品交換といった修理をしない)ことがあるので、事故などで受けたダメージを見つけることがある。盛っている証拠だ。

  • 13.バンパーの裏も覗いてみよう

    トヨタ セリカ(バンパーの裏も覗いてみよう)

  • 13.バンパーの裏も覗いてみよう

    バンパーに通じている金具やフレーム(車体の骨格部品)の先端部分は、衝突の際には衝撃を吸収する仕組みになっている。窪みがあるるので、不自然なしわが寄っていないか見てみよう。また、フレームにある丸い穴も衝撃を受けると歪んでいびつになるので、ダメージを受けている場合の目安になる。

■点検整備記録に目を通す

トヨタ セリカ(書類)

点検記録簿(整備手帳など)の内容を、車両をチェックする前に確認しておこう。過去にどのような整備を受けてきたのがわかり、車両各部の状態を探る参考になる。定期点検時の走行距離とも突き合わせてチェックしよう。詳細な記録が残っている車両は、走行距離が伸びていてもコンディションがよく、機能部分には大きな問題を抱えていないと推測できる。

セリカのコンディションはここで見極める

  • 走り方を推察する

    トヨタ セリカ(走り方を推察する)

  • 走り方を推察する

    走行距離とタイヤの減り具合を見てみよう。高年式車で走行距離が少ない場合は、偏摩耗(極端にタイヤの一部が減っている)に注意。アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。また、タイヤの接地面だけでなく角や側面まですり減っていたら、激しい走り方をしていたと推測できる。その場合は、車体やエンジン、サスペンションなど各部に負担をかけていると判断できるし、走行に関わる部品などの消耗も進んでいるはずだ。また、メーカー純正以外の太いホイールとタイヤ、あるいはサスペンションを交換している(たいていは色が付いた目立つ部品が付いている)などの改造車両は、専門家に相談したほうがいいだろう。

  • 握り部の状態を見る

    トヨタ セリカ(握り部の状態を見る)

  • 握り部の状態を見る

    ステアリングホイール(ハンドル)は、長期間使用するうちに常に握っている部分が劣化して、革やプラスティックなどの材質に関わりなく、部分的に艶が出てくる。走行距離が少ないのにステアリングホイールが極度に劣化しているようなら、前オーナーの運転(異常な癖がついている)か、走行距離の表示か、どちらかがおかしいと推測できる。また、マニュアルトランスミッションのシフトノブなども、特にレザーは擦り切れてくることもある。扱い方や手入れの状態もチェックしよう。

  • トラブルを事前に察知する

    トヨタ セリカ(トラブルを事前に察知する)

  • トラブルを事前に察知する

    エンジンを始動してみよう。異音が聞こえり、大きな振動が出ているようなら、トラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってから少しアクセルを踏んでみて、スムーズに回転が上下するか試してみよう。

  • 試走してチェックする

    トヨタ セリカ(試走してチェックする)

  • 試走してチェックする

    マニュアルトランスミッションは、クラッチの切れ具合をチェック。スムーズにクラッチが断続できるか試してみよう。扱いが悪いと1万kmに満たない走行距離で消耗し、滑っていることもある。また、できれば試走して、1速からシフトアップ&ダウンを繰り返し、スムーズにギヤチェンジできるかどうかをチェック。オートマチックは、NからDへ、NからRへなど、各ポジションにセレクトレバーを動かしてみる。さらに、ギヤが切り替わる時のショックが激しくないかもチェック。アクセルペダルを踏み込んで動き出すまでに間がある、あるいは加速時にもたつくなど、反応するタイミングが長い場合は修理が必要かもしれない。

  • 鉄板の合わせ目を念入りに観察する

    トヨタ セリカ(鉄板の合わせ目を念入りに観察する)

  • 鉄板の合わせ目を念入りに観察する

    エンジンルーム内の鉄板の継ぎ目に盛って隙間を塞いでいるシール材もチェックポイント。事故などで車体にダメージを受けると、鉄板の継ぎ目から剥がして修理することがある。元どおりに鉄板を接合しても、新車時とまったく同じに再現するのは難しい。特にシール材は、後から手を加えた場合は、不自然な凹凸ができたり蛇行している。また、シール材に爪を立てて表面だけプチッと割れて内部が柔らかい場合は、新しく盛っている。

  • 細部の状態に注意を払う

    トヨタ セリカ(細部の状態に注意を払う)

  • 細部の状態に注意を払う

    参考車両は、随所にドレスアップしている様子がうかがえる。ドアノブの部分にもプロテクターを装着した形跡があるが、塗装を補修している。事故やぶつけているわけではなく、大きなダメージではないが、中途半端な補修で車両の価値を下げている。

■今回の車両のプロフィール

1999年9月から販売されているセリカ。カリフォルニアにあるトヨタのデザインスタジオで制作した「XYR」を基に、デザインを若干変更して、ほぼそのままの雰囲気で市販化。車体形状は2ドアクーペだが、リアハッチも加えた3ドアクーペになっている。エンジンは、1.8リッターだが145馬力と190馬力の2種があり、仕様グレードは145馬力エンジンの「SS-I」と190馬力の「SS-II」を2タイプを基本にしている。駆動方式はFF(前輪駆動)で、SS-Iは4速オートマチックと5速マニュアル、SS-IIには4速オートマチックと6速マニュアルがある。その後、2000年9月、2002年8月、2004年4月に、一部改良や変更が行われている。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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