中古車購入チェックポイント
更新日:2015.01.28 / 掲載日:2002.11.01

三菱 コルト 中古車購入チェックポイント

  • 三菱 コルト 中古車購入チェックポイント

    三菱 コルト(全体)

  • 三菱 コルト(全体)

■全体のチェックポイント

実用的なクルマとして使われることが多いが、中には不慣れな運転で車体に擦り傷や小さな凹みを付けている車両もある。乗りっぱなしで手入れや整備をしていない車両もある。また、営業車として商用で使っていた場合など、使用状況によって車両の傷みや消耗の度合いも異なる。外観はもちろん内装の細部まで丹念にチェックしよう。できれば、前ユーザーの履歴を確かめたい。エンジンをはじめ走行に関わる部分は、記録簿をチェックして、点検整備した時期と内容をチェックしよう。

1.全体を見て車体の雰囲気から探る

車両からやや離れて全体を観察してみよう。ナンバープレートの曲がり、左右のヘッドライトの色の違い、バンパーのずれ、さらに、部分的に艶がないとか、色がくすんでいたり他の部分と違って見えたら、補修したり修理していることが考えられる。ダメージを受けている車両は、車体の切れ目の隙間(チリ)が均等でなかったり、車体全体がなんとなく歪んで見えることがある。また、車体に映る周囲の景色を見てみよう。歪みや凹み、あるいは波打っているのを見つけることもある。塗装表面が肌荒れ状態になっている場合も、板金塗装した修理跡かもしれない。正面や左右、上下から、見る角度を変えてみると異常を見つけやすい。

  • 三菱 コルト(全体を見て車体の雰囲気から探る)

  • 三菱 コルト(全体を見て車体の雰囲気から探る)

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    三菱 コルト(エンジンルーム内を観察する)

  • 2.エンジンルーム内を観察する

    各部の塗装の状態を見てみよう。車体内部と左右のフェンダー、ラジエターを支えているラジエターサポートなど、各部の色を見比べながら色の違いを探ってみる。一部だけ色合いが異なっていたり、周囲と比べて不自然にきれいな部分があれば、そこは修理した後で再塗装した可能性がある。さらに細部に目を向けて、整備手帳の記録を参考に、消耗部品を中心にエンジン関係の部品をチェック。オイルのにじみや汚れにも注意しよう。

  • 3.固定している金具を点検

    三菱 コルト(固定している金具を点検)

  • 3.固定している金具を点検

    バンパー部とラジエターサポートの隙間を見ると、ボンネットキャッチ(ボンネットをロックする部品)の脇にバンパーを固定している金具(ステー)が見える。前部にダメージを受けて修理しても、見えにくい部分のステーは歪みを修正するだけでごまかしている例もある。車体前部のダメージはステーに影響を及ぼすので、交換あるいは修正した形跡がないかをチェックしよう。

  • 4.交換は理由を探る

    三菱 コルト(交換は理由を探る)

  • 4.交換は理由を探る

    事故などでボンネットにダメージを負うと、新しいボンネットと交換することも少なくない。ボンネットを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを見て、脱着した形跡があったら事故の修理でボンネットを交換した可能性が高い。まれにエンジンの修理などのためにボンネットを脱着することもあるが、その場合は整備記録簿に記録が残っているはずだから確かめてみよう。

  • 5.衝撃を受けた形跡

    三菱 コルト(衝撃を受けた形跡)

  • 5.衝撃を受けた形跡

    エンジンルームの奥を覗くと、バンパーに通じているフレーム(車体の骨格部品)部が見える。前部は衝突の際に衝撃を吸収する仕組みになっており、いくつかのくぼみと丸い穴がある。衝撃を受けると、くぼみや穴の形が歪んでいびつになるので、バンパーや車体前部にダメージを負っているかどうかの目安になる。

6.前部をぶつけると証拠が残る

ボンネットを開けて、フロントグリルの後ろにある(エンジンルームのいちばん前で車体の左右に渡している)ラジエターサポートと呼ぶ鉄板を観察してみよう。事故などで車体前部をぶつけると、修正あるいは交換修理する確率が高い。歪みや手を加えた痕跡がないかチェック。周囲と色が違っていたら交換した証拠と思っていい。コルトのラジエターサポートは、ヘッドライトの脇を通っている金具で支えられている。ラジエターサポート同様に交換したり補修した形跡がないか見てみよう。フェンダーとの接合部も不自然なところはないか点検しよう。この部品を交換しているようなダメージを受けていれば、ヘッドライトも交換しているはずだ。

  • 三菱 コルト(前部をぶつけると証拠が残る)

  • 三菱 コルト(前部をぶつけると証拠が残る)

  • 7.ヒンジ周辺の修理跡

    三菱 コルト(ヒンジ周辺の修理跡)

  • 7.ヒンジ周辺の修理跡

    リアゲートは面積が大きく、後部をぶつけるとダメージを受けやすい。リアゲートを修理や交換したかどうかをチェックするには、ゲートを支えている金具(ヒンジ)を見る。ネジの頭の塗装に傷があるなど、ネジを脱着した形跡がないかどうかチェックしよう。ヒンジが接している周辺の鉄板が歪んでいる場合は、ダメージが大きかったと推測できる。また、ゲートがしっかり閉まるかどうかも目安になる。車体の後部全体が歪んでいると、リアゲートの位置が微妙にずれていることもある。

  • 8.溶接の状態をチェック

    三菱 コルト(溶接の状態をチェック)

  • 8.溶接の状態をチェック

    リアゲートを開けて、開口部を見ると、左右両側共に鉄板が横から回り込んで、溶接で固定されているのが見える。追突をはじめ、後部が変形するような事故などで修理した車両は、溶接部に手を加えているはずだ。また、板金塗装をしていれば、周囲とは雰囲気が違って見えるので、色や形状などをしっかりと観察してみよう。スポット溶接(丸いくぼみ状になっている)は、大きさが違っていたり乱れているので、左右を見比べると再溶接しているかどうかがわかりやすい。さらに、鉄板の継ぎ目を埋めているシール材(鉄板の合わせ目の隙間を埋めている)を爪で押してみよう。爪で押すと「プチッ」と表面が割れて表面が硬くても内部が柔らかかったら、修理して新しいシール材をもっているということがわかる。

  • 9.色と隙間を見る

    三菱 コルト(色と隙間を見る)

  • 9.色と隙間を見る

    事故などで前部に大きな衝撃を受けて車体が歪んだり損傷を受けると、外板パネルを修理することになるが、組み付ける際に誤差が出ることがある。それは、各パネル同士の隙間(チリ)を見ればわかりやすい。フロントフェンダーの後端とドア、さらにフロントフェンダーとピラー(フロントガラスを挟んだ左右の柱)など、それぞれのチリが均一でなければ、車体前部の外板を修理した可能性が高い。判断が微妙な時は、車体の左右の同じ場所を比べてみよう。また、再塗装すると、色が微妙に違うことがある。隣り合う外板の色艶が合っているかもチェックしよう。

  • 10.給油口の蓋もチェックポイント

    三菱 コルト(給油口の蓋もチェックポイント)

  • 10.給油口の蓋もチェックポイント

    車体後部にある意外なチェックポイントが、フューエルリッド(給油口の蓋)。リアフェンダーを板金修理するために外すことがある。ネジを脱着した形跡がないか点検してみよう。フューエルリッドを交換していれば、塗装表面の艶が周囲と違って見えることがある。いずれにしても、リアフェンダー周辺を修理していることが疑える。また、フューエルリッドの色を参考にして塗料を調合するために外すもある。取り外した形跡があれば、再塗装するなど、他の部分を修理したり補修していることも考えられる。

  • 11.フェンダーの状態を読む

    三菱 コルト(フェンダーの状態を読む)

  • 11.フェンダーの状態を読む

    フェンダーを固定しているネジの頭の塗装に傷あるなど、工具を使ってネジを脱着した跡があれば、フェンダーを交換した可能性がある。フェンダーを交換していても事故車(修復歴車)とはいわないが、車体の前部を広範囲にわたって修理したかもしれない。交換していなければ、大きな事故を起こしていないといえる。

12.前後左右のドアを比べてみる

車体側面をぶつけてダメージが大きい場合は、ドアを交換することも多い。交換する際は、ドアを支えている金具(ヒンジ)を固定しているネジを脱着するので、ネジの状態をチェックしよう。ネジの頭に傷が付いていれば、工具を使ったと考えられる。ただし、新車の組み立て時やドアの立て付けを調整するためにネジを回すこともあるので、ネジを脱着したように見えても、必ずしもドアを交換しているとはいえない。前後左右のドアを見比べると判断しやすい。

  • 三菱 コルト(前後左右のドアを比べてみる)

  • 三菱 コルト(前後左右のドアを比べてみる)

  • 13.床下にダメージを受けてないかチェック

    三菱 コルト(床下にダメージを受けてないかチェック)

  • 13.床下にダメージを受けてないかチェック

    日頃あまり見ることがない、クルマの床下も覗いてみよう。フレーム(車体の骨格部)や各部支え金具に歪みや部分的な変形はないかチェック。マフラーなどの床下の部品類に傷や凹み、交換した形跡がないかどうかも探ってみよう。外観はきれいに修理しても、走行に影響がない見えない部分はそのまま手を付けていない(補修や部品交換といった修理をしない)ことがあるのて、意外なところにダメージを受けているのを発見することがある。

  • 14.塗装表面を観察する

    三菱 コルト(塗装表面を観察する)

  • 14.塗装表面を観察する

    リアフェンダー周辺の車体にダメージを受けて修理した車両には、リアドアの開口部分などに塗装作業時にマスキング(塗装スプレーが他の部分に広がらないようにするカバーを留めるために粘着テープを貼る)した跡が残っていることもある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような段差があれば、新しく塗装している可能性が高い。段差が直線状になっていれば間違いなくマスキングテープを貼った跡なので、板金修理あるいは傷の補修など、何らかの理由で塗装したことがわかる。車体の左右同じ場所を見比べると判断しやすい。

コルトのコンディションはここで見極める!

  • 装備類を操作する

    三菱 コルト(装備類を操作する)

  • 装備類を操作する

    ターンシグナル(ウインカー)やライト類、ワイパーなど、保安関係の機器はすべて作動をチェック。エアコンやオーディオシステムなどの装備機器も、必ず操作して正常に機能しているかチェックしよう。純正、社外製品を問わず、オーディオ類やカーナビなどは、取扱説明書が揃っていることも確認しよう。

  • エンジンの調子は?

    三菱 コルト(エンジンの調子は?)

  • エンジンの調子は?

    キーを捻って、エンジンを始動してみよう。異音が聞こえたり、大きな振動が出ているようならトラブルを抱えている可能性がある。実際に走ってみるのが望ましいが、エンジンが暖まってから軽くアクセルを煽ってみて、スムーズに回転が上下するか試してみよう。

  • ホイールとタイヤをチェック

    三菱 コルト(ホイールとタイヤをチェック)

  • ホイールとタイヤをチェック

    ホイールのリム(外周部分)に傷が多い車両は、運転が乱暴だったり不注意に扱っている、あるいは不慣れな運転で縁石などに擦ってしまったなどが想像できる。また、タイヤの摩耗状態をチェックして、一部だけ異常に減っている片減り(偏摩耗)を見つけたら、アライメント(タイヤの取り付け角度)が狂っているだけなのか、あるいは事故で受けたダメージなどで車体が歪んでしまったのかを確かめる必要がある。

  • 試走してチェック

    三菱 コルト(試走してチェック)

  • 試走してチェック

    NからDへ、NからRへと、セレクトレバーを操作してトランスミッションの作動の具合いをチェックしよう。切り替え時のショックや滑ったりしていないか、できる限り試走して確かめよう。コルトはCVT(無断変速機)なので、一般のオートマチックとは少し動きが違うことも考慮する必要があるが、アクセルペダルを踏み込んでこ加速がもたつくなど、エンジン回転の上昇とクルマの動きが明らかに連動していない場合は、故障や不良が発生していることが考えられる。

  • インテリアをチェック

    三菱 コルト(インテリアをチェック)

  • インテリアをチェック

    室内の状態を見れば、どのように扱われていたかがわかる。特にラゲッジスペースの内装材が傷付いていたり、ひどく汚れている場合は、頻繁に荷物を出し入れしている。一般に乗用車として使われていた車両は程度がいいが、フロアやシートにしみが付いていたり汚れがこびりついている場合は、日頃の扱いが悪く手入れもしていない(この場合は点検整備も受けていないことが多い)、あるいは子供を乗せてることが多いなどと推測できる。

■今回の車両のプロフィール

2002年11月から販売されているモデル。エンジンは、1.3と1.5リッターの2種。当初はFF(前輪駆動)だけだったが2003年1月から4WD(4輪駆動)が加わっている。仕様グレードは、1.3が「エレガンス」「カジュアル」「スタンダード」の3タイプ、1.5は「スポーツX」「スポーツ」「スタンダード」の3タイプを基本に、2003年10月以降は1.3と1.5共にそれぞれ10タイプに拡大されている。車体色が10色から選べると同時にオーダーメイド感覚で内外装や装備が自由に選べる「カスタマーフリーチョイス」システムを適用した車両も販売されている。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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