中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2013.09.01
スズキ スイフトスポーツ(2011年12月~)中古車購入チェックポイント
スズキ スイフトスポーツ(2011年12月~) 中古車購入チェックポイント
CBA-ZC32S
参考車両:スイフトスポーツ 6MT
初年度登録:2011年12月
追加装備:<メーカーオプション>ディスチャージヘッドランプ
<ディーラーオプション>AM/FMラジオ付CDプレーヤー、ETC、フロアマット(2011年12月)
■全体のチェックポイント
2011年12月発売したスイフトシリーズの3代目・ZC32S型「スイフトスポーツ」。参考車両はMT車だが、ユーザーはマニュアルシフトにこだわるスポーツ志向といったところも考慮する。車体まわりに損傷や修理歴がないかチェック。エンジンからパワートレーン、足まわりまで、各部のコンディションと整備状況も必ず確認。車両によっては、アフターパーツの装着にも注意したい。
外装の小傷よりも車体のダメージを見落とさない
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
正面からは、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどを見て、どこかにずれや歪みなどがないかチェック。細部では、「RS」のバンパー左右下部に付けているフロントスパッツの角や下側に損傷がないかもチェック。
2.ぶつけやすい部分に注目
2.ぶつけやすい部分に注目
バンパーは、角や下部に損傷がないか調べて、ずれていないか立て付けを見る。下側にあるスパッツ(空気整流板)の破損にも注意。
フェンダーは、ホイールアーチの縁(タイヤを囲っている部分)あたりや奥のタイヤハウス内も、損傷や修理跡がないか見る。内側にあるフェンダーライナー(泥よけカバー)の状態にも注意。
3.ドアと周辺を調べる
ドアは、外板パネルだけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理・交換していないか、ヒンジのネジもチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、ドア開口部や関連部もチェックする。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に装着しているサイドアンダースポイラーも、傷や破損がないか、修理/交換していないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、開口部(サイドシルの上側)周辺も必ずチェックする。
5.ダメージの程度にも注意
5.ダメージの程度にも注意
リアフェンダーは、ドア開口部に傷や補修跡がないかチェック。マスキング跡があればフェンダー部を修理しているので、ダメージの程度と範囲を確認したい。
6.開口部も調べる
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。デュアルエキゾーストパイプの損傷や位置ずれにも注意。
テールゲートは、開閉具合をチェックし、全開時の静止状態も確認。テールゲートの内側やヒンジおよびヒンジ固定部周辺を調べて、修理/交換していないかチェック。開口部のパネル接合部を見て、車体側も修理/交換していないかチェックする。
7.後部の注意ポイント
7.後部の注意ポイント
車体後部は、スペアタイヤ収納部(スペアタイヤは非装備)周辺のパネルに歪みや修理跡などがないか要チェック。新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、車体を修理したのか確認する。
8.車体前部の注意ポイント
8.車体前部の注意ポイント
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に錆や修理跡がないかチェックし、外して修理/交換していないか固定状態も調べる。車体内側のパネルも、歪みや修理跡がないかチェック。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートも、要チェックポイントだ。
9.ホイールとタイヤをチェック
9.ホイールとタイヤをチェック
「スイフトスポーツ」は、17インチアルミホイールを標準装備。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりなどにも注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイールの取り付け角)の狂いなどが原因となっている場合もあるが、車体の歪みやサスペンションの不具合なども考えられるので要注意。
10.下まわりの様子も見る
10.下まわりの様子も見る
床下を覗いて、車体パネルや補強部材など鉄板部、マフラーやサスペンション、ブラケットなど部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
オイルやグリスなどの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化や破損などにも注意。錆が発生していれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を確かめたい。
★損傷を負っていないか確認
車体の骨格となる部分を修理していれば修復歴車になるが、修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。車両の評価表を明示している販売店なら不安は少ないといえる。
走行機能のコンディションと整備状況を確かめる
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示/警告灯類やインフォメーションディスプレイの表示なども見る。
キーレスプッシュスタートシステムの機能もチェック。「MT車」は、エンジンクラッチスタートシステムもチェック。不明な点は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.シフト具合をチェック
2~5速がクロスレシオの6速MT。リバース[R]は、レバーのリングを引き上げる方式。シフトレバーを操作して、ぐらつき(緩み)や引っかかりなどがないかチェック。可能なら試乗して、クラッチの断続具合と合わせてシフトアップ・ダウンの具合をチェック。
走行中は、駆動系も含めて異音が出ていないか確認。クルーズコントロールなども、走行時に異常がないかチェック。
3.走りの機能をチェック
3.走りの機能をチェック
「スイフトスポーツ」は、ハンドリング性能が特長。ダンパーのへたりや抜けに注意し、サスペンション機能をチェック。4輪ディスクブレーキも、利き具合をチェック。不具合がないか確認したい。
4.整備状態を確かめる
4.整備状態を確かめる
消耗部品の交換やオイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺をチェック。せめて日常点検項目くらいは見ておきたいが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認しよう。
★きちんと点検・整備してもらう
車両の購入を決めるなら、エンジンはもちろん、パワートレーン、ステアリング、ブレーキ、サスペンションなど、走行機構をすべて正しく点検・整備してもらうようにしよう。
室内の状態と同時に装備機器類の機能も確認する
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや染み、傷などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。レザーの擦り切れやステッチのほつれなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意。
2.後席やトランク内も見る
2.後席やトランク内も見る
前席周辺だけでなく、後席周辺も丹念にチェック。6:4分割可倒式リアシートのリクライニングや折り畳みの具合も確認。
ラゲッジスペースも、傷みがないかチェック。シェルフの状態も確認。ラゲッジボードを開けて、サブトランク周辺もチェック。さらに下にある工具/小物収納トレイの状態も見てみたい。
3.装備機器の作動を確認
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置の作動状態。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなどのほか、キーレスエントリーやリクエストスイッチによるドアの解錠・施錠などもチェック。フルオートエアコンは、特に冷房の効きに注意し、自動調整の具合も確認。
4.追加装備の機能も確認
4.追加装備の機能も確認
参考車両は、ディーラーオプションのAM/FMラジオ付CDプレーヤーやETCを追加している。すべての機能が正常かチェック。オーディオは、ステアリングスイッチの具合もチェックしたい。
★細部の具合は販売店で点検
装備機器類の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは、販売店で細かく調べてもらおう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(モデル年)・仕様・グレードを確認。標準装備の他に、メーカーオプションや販売店オプション、市販装備品、カスタムパーツなどを追加していないか確認する。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、取り付けネジを見る。同時に、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2010年9月のフルモデルチェンジで3代目となった「スイフト」シリーズ。従来と同様のスポーティモデル「スイフトスポーツ」も、2011年12月にMT車を発売、2012年1月にCVT車を発売した。「スイフトスポーツ」は、5ドアハッチバック1.2Lの「スイフト」をベースに、専用ボディに専用チューニングした1.6Lエンジンを搭載。リバウンドスプリング内蔵大径ストラット・フロントサスペンション、モンロー製ショックアブソーバーを組み込んだ専用設計リアサスペンション、17インチアルミホイール&195/45Rタイヤ、前後大径ディスクブレーキなどを採用。駆動方式は、FF(前輪駆動)。新開発6速MTとパドルシフト7速マニュアルモード付副変速機構付CVTを設定している。
●グレードは、ワンタイプのみ。CVT車はパドルシフトとヒルホールドコントロール、MT車はエンジンクラッチスタートシステムなど、一部異なっている部分もあるが基本装備は全車共通。レッドステッチの本革巻ステアリングホイール/シフトブーツ/シート、マルチインフォメーションディスプレイ付5眼メーター、ステンレスペダルプレート、キーレスプッシュスタートシステム、クルーズコントロール、フルオートエアコン、オーディオレス・6スピーカー、キーレスエントリー、イモビライザー、セキュリティアラームシステムなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
スイフトスポーツ | CBA-ZC32S | CVT-7M | FF |
CBA-ZC32S | 6MT | FF |