中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.25 / 掲載日:2013.12.01
ホンダ フリード ハイブリッド (2012年11月~) 中古車購入チェックポイント
ホンダ フリード ハイブリッド (2012年11月~)中古車購入チェックポイント
DAA-GP3
参考車両:ハイブリッド ジャストセレクション・7人乗り
初年度登録:2012年11月
追加装備:<メーカーオプション>HDDインターナビ+リンクアップフリー+ETCユニット、1列目シート用i-サイド&サイドカーテンエアバッグ、グランパッケージ、15インチアルミホイール
全体のチェックポイント
「フリード」が2011年10月にマイナーモデルチェンジした時に新設定された「ハイブリッド」。参考車両は、2012年11月に一部改良した時期の7人乗りタイプで、オプション装備を追加している。車体まわりから室内まで念入りにチェックし、装備機器類の作動状態も確認。なによりも、肝心のハイブリッドシステムに不具合などがないか、整備状況を必ず確認したい。
関連部など周辺の状態にも注意しながらチェック
1.車体の様子を観察する
1.車体の様子を観察する
まずは、車体のバランスを見ながら外装にずれや歪みなどがないか観察する。前面は、バンパー、グリル、フロントカバー、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.周辺の状態もチェック
2.周辺の状態もチェック
バンパーは、角や下部に損傷がないかチェックし、ずれていないか立て付けも調べる。バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁やタイヤハウス内も覗いて、損傷や修理跡などがチェック。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
フロントドアは、外面だけでなく、内側も修理跡がないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。同時に、開口部のピラー(柱)など、車体側も損傷痕がないかチェックする。
4.スライドドアをチェック
リアスライドドアは、開閉するスライドの動き具合をチェックし、閉めた時の収まり具合も調べる。
ドアに損傷や修理跡がないかチェック。ブラケット(ドアを支えている金具)やローラー、車体側にあるレール(スライドさせる溝金具)などの状態もチェック。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
「ハイブリッド」は、車体側面下部に装着しているサイドシルガーニッシュに損傷や修理跡がないかチェック。覆われているサイドシル(車体の梁)のほうも、損傷、腐食(錆)、修理跡などがないか必ずチェック。特に溶接の状態に注意。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
6.テールゲートを開閉してみる
後部も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。
テールゲートは、開閉具合をチェック。全開時にしっかり止まっているかチェック。内側、取り付け状態、ヒンジおよびルーフ側周辺もチェック。
開口部も、溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡がないかチェック。リアフェンダーなど隣接部も慎重に調べる。
7.車体の内側もチェック
車体前部は、ボンネットも、修理/交換していないかチェック。フェンダーの内側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け部周辺も調べる。エンジンルーム最前部のラジエターサポートおよび関連部も要注意ポイントだ。
★車両の使い方や走り方も注意ポイント
「フリード ハイブリッド」は、「フリード」の車体の一部を補強し、リアフレーム構造やシャシー(サスペンション、ブレーキ、ホイール位置など)の設定なども変更している。難しい車体構造はさておき、走行に支障があるようなダメージがないか確認したい。車体の骨格となっている部分に損傷を負って修理している車両は“修復歴車”だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
■ホイールとタイヤをチェック
■ホイールとタイヤをチェック
標準装備はスチールホイールだが、参考車両はオプションの15インチアルミホイール。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いも考えられるが、車体の歪みなどにも要注意。
■床下の様子もチェック
■床下の様子もチェック
下まわりも覗いてみよう。車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態をチェック。整備状況とも関わる、油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の破損などにも注意したい。
ハイブリッドシステムと走行機構の具合を必ず確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合をチェック。始動時には、エンジンスイッチやスマートキーの具合も確認。表示・警告灯類の点灯や各種表示、警告音などにも注意。エンジンがかかったら、アイドリング回転や排気ガスの色などもチェックしたいが、わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.エコ支援機能もチェック
2.エコ支援機能もチェック
ホンダのハイブリッド「IMA」は、エンジンをモーターがアシストする方式。エンジンとトランスミッションの間にモーターを置き、PCU(パワーコントロールユニット)とバッテリーなどを統合したIPU(インテリジェントパワーユニット)を後部床下に収納している。とりあえず、オイル漏れなどにも注意しながらエンジンルーム内をチェック。せめて日常点検項目くらいは見てみたいところだが、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認しよう。
車両の購入を決めるなら、ハイブリッド関連機構はもちろん、ステアリング、ブレーキ、サスペンション、VSA(ABS+TCS+横すべり抑制)、ヒルスタートアシスト機能などもきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
室内の状態と装備機器類の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。シート表皮の染み、擦れ、しわ、破れなどにも注意。床や天井の状態もチェック。ボックス類は、内部の状態もチェック。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意したい。
2.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ブレーキランプなど保安装置。ウインドウ開閉、ドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分の作動状態をチェック。キーレスエントリーシステムによる各部動作も確認。フルオートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意し、調整操作してみる。送風の臭いにも注意。
参考車両は、オプションで追加しているホンダHDDインターナビのナビ・TV・FM/AM・DVD/CDなどのほか、ナビ連動ETCやリアカメラなど関連機能も正常か確認したい。
3.後部まで念入りに調べる
前席だけでなく、2列目席、3列席、後部ラゲッジスペースまでチェック。参考車両は、7人乗り用6:4分割セカンドシートのスライドや跳ね上げ(ウォークイン機構)、5:5分割サードシートの折り畳みや跳ね上げ収納など、シートアレンジを試しながら周辺に傷みがないか丹念にチェックする。
★細部は販売店で調べてもらう
装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは販売店で点検してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。●パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺の状態も調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際には溶接部文を外すことがあるので、パネル接合部を調べる。●スポット溶接(丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2008年5月に新発売したコンパクトミニバン「フリード」。2009年5月に一部改良。2010年7月に2列シート5人乗りのハイトワゴン「フリード スパイク」を発売。2010年11月に「フリード」をマイナーモデルチェンジ。2011年10月に「フリード/フリード スパイク」をマイナーモデルチェンジし、両モデルにハイブリッド車を追加。「フリード」は、従来の3列シート7人乗り/8人乗りの3列目シートを3席から2席へ替えて、3列シート6人乗り/7人乗りに変更。「フリード ハイブリッド」は、外装に、ハイブリッド専用のフロントグリル/ヘッドライトガーニッシュ/LEDリアコンビネーションランプ、専用デザインホイールキャップ、HYBRIDエンブレム、フリードのエアロタイプと同様の前後エアロバンパー/サイドシルガーニッシュ/テールゲートスポイラーを装着。2012年4月にはフリードシリーズに新グレードを設定したが、ハイブリッド車の基本仕様装備に変更はない。
●2012年11月にフリードシリーズを一部改良。ハイブリッド車は、装備設定を一部変更し、従来のセットオプション「Lパッケージ」を「グランパッケージ」に変更している。
スタンダードの「フリード ハイブリッド」は、2列目キャプテンシート(内側アームレスト)と3列目5:5分割跳ね上げシート(センターアームレスト付)の6人乗り。エコアシスト、マルチインフォメーションディスプレイ、専用デジタルメーター、フルオートエアコン、シルバー塗装センターパネルなどを標準装備。
上級の「ハイブリッド ジャストセレクション」は、2列目がキャプテンシート(両側アームレスト)の6人乗りと6:4分割タンブルシート(センターアームレスト付)の7人乗りを設定。スマートキーシステム、イモビライザー、クルーズコントロール、助手席アームレストなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 | 定員 |
ハイブリッド | DAA-GP3 | CVT | FF | 6 |
ハイブリッド ジャストセレクション | DAA-GP3 | CVT | FF | 6 |
DAA-GP3 | CVT | FF | 7 |