中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.06 / 掲載日:2014.10.24
トヨタ カローラ フィールダー(2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
トヨタ カローラ フィールダー (2012年5月~2013年8月)
DBA-NZE161G
参考車両:1.5G エアロツアラー 2WD 5MT
初度登録:2012年5月
追加装備:<メーカーオプション>15インチアルミホイール、HIDビューアシストパッケージ<ディーラーオプション>SDナビゲーションシステム、専用フロアマット
全体のチェックポイント
外装の小傷よりも骨格部のダメージに注意する
1.外観の様子から探る
1.外観の様子から探る
まずは、外装に異常がないか車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意したい。
2.ぶつけやすい部分に注目
2.ぶつけやすい部分に注目
バンパーは、角や下部、グリル、フォグランプなどの損傷に注意し、ずれていないか立て付けを調べる。下側にあるスパッツ(空気整流板)の破損などにも注意。
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたり、奥のタイヤハウス内、内側にあるライナー(泥よけカバー)などの状態もチェックする。
3.周辺部も同時にチェック
3.周辺部も同時にチェック
ドアは、外面だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部や周辺に異常がないかチェックする。
4.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドマッドガードに損傷や修理/交換跡がないかチェック。それよりも重要なのは、覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェック。
5.損傷の度合いも調べる
ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部周辺を詳しく調べて損傷の程度と範囲を確かめる。
左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺もチェックする。
6.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。リアスポイラー、ナンバープレート、マフラーなどの損傷にも注意。
バックドアは、開閉具合をチェックし、支えているダンパーロッドの効き具合も確認。内側やヒンジ部もチェック。樹脂製バックドアは、大きな損傷を負うと交換する可能性が高いことに注意したい。
開口部も、溶接やシーラーの異常に注意しながらチェック。スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないか調べる。
7.車体の内側もチェック
7.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部をチェック。フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡がないか見て、取り付け状態も調べる。同時に、フレームなど車体パネルもチェック。
最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートおよび周辺の関連部品なども、必須チェックポイントだ。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
1.5L車は175/65Rタイヤ&樹脂フルキャップ付15インチスチールホイールが標準装備だが、参考車両はメーカーオプションの185/60Rタイヤ&15インチアルミホイールを装着。
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面の一部だけが減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも注意する必要がある。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意してチェックする。
9.異常がないか床下も見る
9.異常がないか床下も見る
車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換の痕跡などがないかチェック。
油脂汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を見る。
★損傷の有無と修理/交換歴を確認する
11代目「カローラ」は、従来型よりもコンパクト・軽量化。「フィールダー」は、全長を縮小しながら荷室長を拡大し、樹脂製バックドアを採用。サイドターンランプ付電動格納ドアミラーやLEDスリットビームストップランプ付リアスポイラーを標準装備。「エアロツアラー」は、フロントスポイラー&リップスポイラー、スモーク加飾ヘッドランプ、フロントフォグランプ、サイドマッドガード、リアバンパースポイラー、専用LEDリアコンビネーションランプを装着。参考車両には、「HIDビューアシストパッケージ」のプロジェクター式ヘッドランプとメーカーオプションの15インチアルミホイールが付いている。
外装の損傷だけでなく、車体骨格のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器類の機能・作動をチェック
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないか。ドア、フロア、天井などもチェック。ボックスやポケット、トレーなどは内部も見る。シート表皮の染みや破れ、樹脂パネルの傷や割れ、ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などは開閉機構や可動部の破損などにも注意しながらチェックする。
2.トランク内までチェック
前席周辺だけでなく、後席も、センターアームレスト、リクライニング、6:4分割格納などを試しながら周辺を丹念にチェック。
後部ラゲッジスペースも、傷みがないかチェック。リアシートのワンタッチ格納(側面の左右にあるレバーで前倒し)、トノカバー、格納式フック、前後2分割デッキボード、アンダートレイなどの状態もチェックする。
3.装備機器の作動を確認
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な電装機器の作動状態をチェック。ワイヤレスドアロックリモコンの機能も確認。オートエアコンは、特に冷房の効きに注意して調整・設定具合をチェック。
4.追加装備の機能も確認
「1.5G」は、オーディオレス(カバーレス)・4スピーカーとステアリングスイッチを標準装備。参考車両は、ディーラーオプションのSDナビゲーションシステムを装着している。GPSボイスナビゲーションや携帯連携、TV・DVD・SD・AM/FMなどのAV機能、ステアリングスイッチ操作など関連機能も正常か確認したい。
★細部の具合は販売店で点検してもらう
車両をチェックする際は、標準装備や追加装備など装備内容を販売店で確認。装備機器類の具合は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに故障などがないかは販売店で細かく点検してもらおう。特に電装機器の機能と作動状態に注意したい。
走行関連機構各部の調子と整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類、メーターやドライブモニター表示なども見る。容易に始動しない場合は、なんらかの問題を抱えている。疑問があれば、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
2.運転支援機能もチェック
MTは、シフトレバー操作して緩みや引っかかりなどがないかチェック。可能なら試乗して、クラッチの具合と同時にシフト具合をチェック。
走行機能としては、ブレーキ、サスペンション、ステアリングなど基本的な機構のほか、[ABS]・[EBD]・[ブレーキアシスト]や[VSC]&[TRC]の機能と作動。「HIDビューアシストパッケージ」装着車は、付随する各機能が正常か確認したい。
とはいっても、異常を判断するのは難しいので、販売店で点検してもらうほうがいい。
★正しく点検・整備してもらう
参考車両は、1.5L[1NZ-FE]エンジン・2WD(前輪駆動)・5速MT。[制動力配分EBD付ABS&ブレーキアシスト]と横滑り抑止[VSC]&空転防止[TRC]は全車標準装備。運転を補助する機能としては、「HIDビューアシストパッケージ」装着車が装備する、オートマチックハイビーム、オートレベリング機能付ディスチャージヘッドランプ、コンライトなどもある。
とりあえずはオイル漏れなどに注意しながらエンジンルーム内を見て、詳しい整備状況は販売店に聞く。車両の購入を決めるなら、走行に関わる部分をすべてきちんと販売店で点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
今回の車両のプロフィール
●2012年5月に発売した11代目「カローラ」。セダン「アクシオ」とステーションワゴン「フィールダー」は、車体・外装・内装を一新し、従来型よりもコンパクト・軽量化。居住性や快適装備を充実し、安全性能や燃費性能なども向上した。
「カローラフィールダー」は、1.5Lエンジン・5速MT/CVT・2WD/4WD(2WD・CVT車は6月に追加発売)と1.8Lエンジン・7速マニュアルモード付CVT・2WDを設定。
1.5L車「1.5X/1.5G」は、ハロゲンヘッドランプ、ワイヤレスドアロックリモコン、ドライブモニター付3眼メーター、ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、カーボン調シボインパネ、15インチスチールホイールなどを装備。「1.5X」は、マニュアルエアコン、オーディオレスなどが標準装備で、車両安定機構やエアバッグの一部を省略する「ビジネスパッケージ」を設定。「1.5G」は、ヒーター付ドアミラー、ステアリングオーディオスイッチ、ナノイー付オートエアコンなどを装備。
1.8L車「1.8S」は、HIDビューアシストパッケージ、スマートエントリー&スタートシステム、マルチインフォメーションディスプレイ、本革巻きステアリングホイール&シフトノブなどを標準装備。
「エアロツアラー」は、1.5G/1.8Sに、エアロパーツ、スモーク加飾ヘッドランプ、フロントフォグランプ、専用リアコンビネーションランプ、スエード調トリコット表皮スポーツシートなどを装着。
メーカーオプションとして、アイドリングストップ(1.5L・2WD・CVT車)、15インチアルミホイール(1.5G/1.8S)、HIDビューアシストパッケージ(1.5G)、ルーフレール(全車)などを設定している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
1.5X * ビジネス | DBA-NZE161G | 5MT | FF |
DBA-NZE161G | CVT | FF | |
DBA-NZE164G | CVT | 4WD | |
1.5G * エアロ | DBA-NZE161G | 5MT | FF |
DBA-NZE161G | CVT | FF | |
DBA-NZE164G | CVT | 4WD | |
1.8S * エアロ | DBA-ZRE162G | CVT | FF |
●その後、2012年12月に特別仕様車「エアロツアラー・W×B(ダブルバイビー)」を設定。2013年8月には、「ハイブリッド」車を追加している。