中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2013.03.15
トヨタ プリウスα (2011年5月~2012年7月) 中古車購入チェックポイント
トヨタ プリウスα (2011年5月~2012年7月) 中古車購入チェックポイント
DAA-ZVW40W
参考車両:G 7人乗り
初年度登録:2011年5月
追加装備:<メーカーオプション>樹脂パノラマルーフ、HDDナビゲーションシステム&プリウスαスーパーライブサウンドシステム、プリクラッシュセーフティシステム&レーダークルーズコントロール、インテリジェントパーキングアシスト (2011年5月)
■全体のチェックポイント
小傷に気を取られて大きなダメージを見逃さない
車体まわりは、外装にずれがないか、傷や凹みがないかチェック。損傷や修理跡があれば、ダメージの程度と範囲を確認。念のために車体の骨格も調べる。
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
外観のどこかにずれなどがないか。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスをチェック。細部では、バンパーの角や下部の損傷。フロントガラスの飛び石傷にも注意しよう。
2.ドアと周辺を調べる
2.ドアと周辺を調べる
ドアは、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理・交換していないか、ヒンジのネジも見る。ドアと同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など、ドア開口部や周辺もチェックする。
3.縁と奥も覗いてみる
3.縁と奥も覗いてみる
フェンダーは、立て付けを見て、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁も、損傷や修理跡などがないかチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側に設置しているライナー(泥よけカバー)の状態にも注意しよう。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面で注意したのは、下部のサイドシル(車体の梁)だ。損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。床下側も覗いて、下に突き出ている部分も慎重に調べる。さらに、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も必ず見る。
5.開口部も慎重にチェック
5.開口部も慎重にチェック
テールゲートを開けたら、開口部にある鉄板接合部を調べる。溶接、シーラー、塗装などの状態に注意しながら修理や交換の形跡がないかチェックする。
6.テールゲートを開閉する
6.テールゲートを開閉する
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどのバランスを見る。テールゲートは、開閉の具合と全開状態で下がってこないかチェック。
ハイブリッドシステムと走行機能の状態を確認
ハイブリッドシステムはもちろん走行に関わる部分はすべてチェック。可能なら試乗したいところだが、何をおいても各部の整備状況は必ず確かめたい。
1.整備状態を確認する
1.整備状態を確認する
エンジン、モーター、発電用モーター、コントロールユニットなどを一体にしてエンジンルームに収めている。とりあえずは、オイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺を見る。詳しい整備状況は、販売店スタッフに聞いて確認しよう。
2.システムを始動してみる
2.システムを始動してみる
電子キーを携行してパワースイッチを押し、ハイブリッドシステムを始動。始動したら、電子制御式シフトレバーも操作してみる。シフトポジションには通常の「P(パーキング)」はなく、上にPスイッチがある。それぞれの操作具合と作動が正常かチェック。
停車・スタート・通常走行・加速・高速走行・減速の各モードにおけるエンジンとモーターの制御と動作に異常がないかは販売店で点検してもらおう。
3.走行時の状態をチェック
EV・ECO・PWR(パワー)の各ドライブモードも正常か確認。ハイブリッドシステム関連状況はメーター内のインジケーターでも読み取れるが、表示灯の点滅・点灯やブザー音などにも注意したい。
★正しく整備してもらう
ハイブリッドシステムの不調や不具合を判断するのは非常に難しい。車両接近通報装置、車両安定機構S-VSC、ヒルスタートアシストコントロールなども含めて、各機構をすべて正しく点検・整備して納車してもらうようにしよう。
室内の状態と同時に装備機器の機能も調べる
参考車両は、「3列シート7人乗り」しっかりとチェック。標準装備の機器類のほか、追加しているメーカーオプションも、正常に作動するか確かめたい。
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態も調べるほか、ボックスなどは内部も見る。シートは、染み、擦れ、破れなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンのルーバーなどは、可動部の破損にも気を付けながら動き具合もチェックする。
2.全席をもれなくチェック
2.全席をもれなくチェック
前席だけでなく、後席へ移動しながら周囲をチェックしていく。7人乗りは、2列目、3列目席と後ろに行くほど天井が低くなっていることも実際に座って確かめよう。
3.シートアレンジもチェック
3.シートアレンジもチェック
6:4分割可倒式2列目シートは、ウォークイン機構。5:5分割3列目シートは、ワンタッチチルトダウン。各シートの動き具合を調べながらシートアレンジを試してみる。荷室後部のデッキを開けて、アンダートレイの状態も見てみよう。
4.装備機器類の作動を確認
4.装備機器類の作動を確認
ドアロックやパワーウインドウ、室内ランプなど基本的な部分の作動状態をチェック。ステアリングスイッチの機能を確認。リモコンキーでの各部動作も確認。ワンダイヤル式エアコンは、冷房・暖房の効きを確かめる。
5.制御機能の異常にも注意
オプションのプリクラッシュセーフティシステム&レーダークルーズコントロール。低速・減速・追従・加速の各制御を確認。グリルカバー(エンブレム)に汚れがあると、後ろにあるレーダーセンサーが感知して車間制御が解除されることも注意ポイント。
6.関連機構もチェックする
6.関連機構もチェックする
樹脂パノラマルーフもオプションで装備。電動ロールシェードの作動具合をチェック。ドアロック連動クローズ機構の状態も確認。
7.スイッチの機能も確認
7.スイッチの機能も確認
この車両には、「G」で装備のヘッドライトクリーナー、全車標準装備の車両接近通報音ON/OFF、オプションのパーキングアシストモード切り換えのスイッチが有効になっている。各スイッチを押して、それぞれの機能と作動をチェック。
8.追加装備もチェック
メーカーオプションのHDDナビ&サウンドシステム。ナビやオーディオのほか、ハンズフリーやETCなど付随する機能もチェック。ナビとセットで装備するパーキングアシスト(フロントバンパー左右に超音波センサー、テールゲートにカメラが付く)や一時停止表示&音声案内なども、ナビと連動している。システム全体の機能が正常か確かめたい。
★細部は販売店で点検
とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
★タイヤとホイールをチェックして車両の状態を推測する
★タイヤとホイールをチェックして車両の状態を推測する
タイヤは、スリップサインを目安に残り溝の深さを点検し、傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の摩耗状態を見て、一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションに異常を抱えている可能性もあるので要注意。
「G」は、アルミホイールを装備。傷、塗装剥げ、破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)も、傷や欠け、曲がりなどがないか調べる。事故などで過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
■最初に車両の現状を確認する
●中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
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「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、新車時から外装色とは異なっていることがある。車種によっては塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新しく塗装した跡かどうか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭を塗装していれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部や車体左右の同じ部分のネジと見比べてみる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、取り付けネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部も、修正跡や修理跡などがないか見る。
「パネルの接合部」を見る
●車体部品を交換する場合は、溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれているなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の合わせ目などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、ヒダがあるなど、パネルの接合状態や塗布方法によって形状が違っていることもあるので注意する。
■今回の車両のプロフィール
●2011年5月に発売した「プリウスα」は、ハイブリッド車「プリウス」の資質に、広い室内空間と使い勝手のよさを加えたワゴン。2列シート5人乗りと3列シート7人乗りを設定。2列シート車は後部デッキ下にニッケル水素電池、3列シート車はセンターコンソールボックス内にリチウムイオン電池を設置。
仕様グレードの「S」は、スタンダードタイプ。上級の「G」は、本革巻きステアリングホイールやクルーズコントロールなどを標準装備。グレードとは別に設定している、「Lセレクション」はスチールホイールが標準装備で、フォグランプやセンターアームレストなどを省略。「ツーリングセレクション」は、前後バンパースポイラー、LEDヘッドランプ、本革巻きステアリングホイール、17インチアルミホイールを追加。「ツーリングセレクション スカイライトパッケージ」では、ツーリングセレクションに樹脂パノラマルーフを追加する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 定員 | 型式 | シフト | 駆動 |
S | 5 | DAA-ZVW41W | CVT | FF |
Lセレクション | DAA-ZVW41W | CVT | FF | |
ツーリングセレクション | DAA-ZVW41W | CVT | FF | |
G | 5 | DAA-ZVW41W | CVT | FF |
ツーリングセレクション | DAA-ZVW41W | CVT | FF | |
G | 7 | DAA-ZVW41W | CVT | FF |
ツーリングセレクション スカイライトパッケージ | DAA-ZVW41W | CVT | FF |