中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.19 / 掲載日:2013.10.18
ホンダ N BOX カスタム(2011年12月~2013年5月)中古車購入チェックポイント
ホンダ N BOX カスタム (2011年12月~2013年5月) 中古車購入チェックポイント
DBA-JF1
参考車両:G・Lパッケージ
初年度登録:2012年12月
追加装備:<メーカーオプション>ナビ装着用スペシャルパッケージ(リアワイドカメラ、リア2スピーカー、ワンセグTV対応マイクロアンテナ)、リア右側パワースライドドア <ディーラーオプション>ホンダGathers(ギャザズ)ナビ、フロアカーペットマット (2011年12月)
■全体のチェックポイント
2011年12月に新発売した「N BOX」。参考車両は、2012年12月に一部改良した時期の「N BOX カスタム」だ。車体まわり、室内や装備の状態をチェックしながら使い勝手なども確かめる。もちろん、エンジンや変速機、アイドリングストップ、車両挙動安定化制御システムなど、走行機能の状態と各部の整備状況を確認することも大切だ。
外装だけでなく車体骨格のダメージにも注意
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、車体のどこかに異常がないか探ってみる。前面は、バンパー、グリル、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。
細部では、フロントガラスの飛び石傷。「カスタム」は、メッキガーニッシュなども注意したいところ。
2.奥の様子も覗いてみる
2.奥の様子も覗いてみる
バンパーは、角や下側に損傷がないかチェック。ずれていないか立て付けも確認。開口部やナンバープレート、フォグランプ、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)も、損傷や修理跡がないかチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内およびフェンダー部を覆っているライナー(泥よけカバー)なども異常がないか調べる。
3.スライドドアをチェック
3.スライドドアをチェック
左右スライドドアは、開閉具合をチェック。スライドドア自体に損傷や修理跡がないかチェックし、ブラケット(ドアの支え金具)やローラー、レール(上下と側部にあるスライド溝金具)などの状態も調べる。「Lパッケージ」は、左側パワースライドドアと両側イージークローザー。参考車両は、オプションで追加した右側パワースライドの作動具合もチェックする。
4.関連部も詳しく調べる
4.関連部も詳しく調べる
フロントドアは、開閉具合をチェック。外側だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも見る。同時に、ピラー(柱)やステップ部など、開口部も異常がないか慎重にチェックする。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部に設置しているサイドシルガーニッシュも、損傷や修理跡がないかチェック。
重要なのは、ガーニッシュ(飾り板)で覆われているサイドシル(車体の梁)の部分。床下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないか必ずチェック。ドア開口部のステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べる。
6.テールゲートを開けてみる
後部も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどを慎重にチェック。テールゲートは、解錠・施錠と開閉の動きをチェック。テールゲート内側も修理跡などがないか見て、取り付けネジをチェック。ヒンジおよびルーフ側も歪みや修理跡などがないかチェック。開口部も、パネル接合部に注意しながら修理/交換跡がないか調べる。
★修理/交換歴を聞いてみる
「N BOX」は、骨格を組み立ててからパネルで覆う(インナーフレームにフロアを結合し、アウターパネルを貼り付ける)といった難しい話はさておいて、車体の骨格部を修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理/交換している部分がないか販売店で確認したい。
室内の状態と装備機器の具合をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態も確認。シートは、染み、擦れ、破れにも注意。ボックスやポケットなどは、内部の状態もチェック。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意ながらチェックする。
2.装備機器の作動を確認
2.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ブレーキランプなど保安装置、ウインドウ開閉、ドアロック、室内ランプの点灯など基本的な部分ののほか、スマートキーシステムによる各部作動状態をチェック。エアコンは、特に冷房の効き具合に注意し、調整操作してみる。
3.追加装備の具合も確認
参考車両は、メーカー装着オプションのナビ装着用パッケージとディーラーオプションのAV一体ナビを装備。ナビをはじめ、TV・DVD/CD・FM/AMラジオ・USBなどの機能がすべて正常かチェック。ナビは、インターナビ機能や地図情報の更新状況なども確認したい。リアカメラによるリアビューや照明付オーディオリモコンスイッチなど関連機能の具合もチェック。
4.シートアレンジもチェック
前席だけでなく、後席周辺も慎重にチェック。5:5分割可倒式リアシートのチップアップ&ダイブダウンなども試して、シートアレンジの具合を確認。後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないか調べる。
★販売店で細部まで調べてもらう
装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、不具合などがないかは販売店で点検してもらおう。
走行に関わる部分全般の整備状況を必ず確認
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警告ブザー音などにも注意。プッシュエンジンスタート/ストップスイッチやスマートキーシステムの具合もチェック。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.オートマチックをチェック
CVTは、エンジンをかけて、セレクトレバーの操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行中のオートマチック動作をチェック。変速機構の不具合に注意したいが、異常を判断するのは難しいので、販売店で点検してもらおう。
3.エコ機能もチェック
3.エコ機能もチェック
「N BOX」は、アイドリングストップ機構を搭載。[ECONモード]スイッチや[エコインジケーター(好燃費運転時にスピードメーターのグリーンランプが点灯)なども装備。これらの低燃費走行をサポートする機構も正常か確認したい。
4.整備状況を確かめる
4.整備状況を確かめる
点検整備記録を参考に、エンジン周辺をチェック。せめて日常点検項目くらいはチェックしたいが、とりあえずオイル漏れなどがないか見る。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認しよう。
5.ホイールとタイヤを調べる
5.ホイールとタイヤを調べる
「Lパッケージ」は、14インチアルミホイールを標準装備。傷や破損などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がりなどにも注意。過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意したい。
タイヤは、スリップサインを目安に、残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る異常摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションの異常も考えられるので要注意。
6.床下の様子もチェック
6.床下の様子もチェック
下まわりにダメージがないか、床下も覗いてみよう。車体パネルや補強部材などのほか、マフラーやサスペンション、ブラケットなど部品類も、傷、曲がり、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、範囲と腐食の進行状態をチェックする。
★正しく点検・整備してもらう
車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTはもとより、車両挙動安定化制御システムVSA、EBD(電子制御制動力配分システム)付ABS、ヒルスタートアシストHSAといった運転支援機構なども含めて、ステアリング、ブレーキ、サスペンション、駆動系など、走行に関わる部分をすべてきちんと点検・整備して納車してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲートなどは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●“ミニバンの魅力を凝縮した軽乗用車”を打ち出し、「N」シリーズ第1弾として2011年12月に新発売した「N BOX」。モデルタイプには、標準スタイルの「N BOX」とカスタムカー風スタイルの「N BOX カスタム」を設定。
「N BOX カスタム」は、カスタムデザインバンパー、メッキガーニッシュ、ドアミラーウインカー、クリアレンズリアコンビネーションランプ、専用シート表皮、専用常時点灯3眼メーターなどを組み込んでいる。仕様グレードの「G」は、660エンジン+CVT(無段変速機)+アイドリングストップを搭載し、マニュアルエアコン、13インチスチールホイールなどが標準装備のスタンダードタイプ。「G・Lパッケージ」は、Gの装備に、両側スライドドアイージークローザー、左側パワースライドドア、フルオートエアコン、ピアノブラック調トリム、14インチアルミホイールなどを加えた上級タイプ。「G・ターボパッケージ」は、660ターボエンジン+7速マニュアルモード付CVT&パドルシフトを搭載。Lパッケージの装備に加えて、右側パワースライドドア、クルーズコントロール、本革巻きステアリングホイール、15インチアルミホイールなどを標準装備している。
●2012年7月には、Nシリーズ第2弾「N BOX+(エヌボックス プラス)」を発売。
●2012年12月にN BOXシリーズを一部改良し、燃費および快適性や使い勝手を向上。全車にフルオートエアコンとエマージェンシーストップシグナルを標準装備。「G」の13インチスチールホイールは、14インチに変更している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-JF1 | CVT | FF |
DBA-JF2 | CVT | 4WD | |
G・Lパッケージ | DBA-JF1 | CVT | FF |
DBA-JF2 | CVT | 4WD | |
G・ターボパッケージ | DBA-JF1 | CVT | FF |
DBA-JF2 | CVT | 4WD |