中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.21 / 掲載日:2013.06.14
スバル レガシィ ツーリングワゴン (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
スバル レガシィ ツーリングワゴン (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-BRG
参考車両:2.0GT DIT
初年度登録:2012年5月 (2012年5月)
■全体のチェックポイント
参考車両は、2012年5月に新設定された2.0 直噴ターボ車「DIT」。チェックの際は、スポーティモデルのユーザーは走り屋が多いということを念頭においておく。車体まわりを念入りに調べるのはもちろんだが、エンジンから足まわりまで、本来の性能を発揮できる状態かどうか確認する必要がある。
外装だけでなく骨格にダメージがないか確認する
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、外装にずれや歪みなどがないか、車両の様子を見る。車体の姿勢(傾き)にも注意。
前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスをチェック。細部では、バンパーの角あたりや下部の損傷。フロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.縁と奥も覗いてチェック
2.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、損傷や修理跡などがないか、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたりも慎重にチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側に設置しているライナー(泥よけカバー)の状態にも注意しよう。
3.ドアと周辺を調べる
3.ドアと周辺を調べる
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外していないかヒンジ部のネジもチェック。ドアを修理・交換していないかは、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など、開口部や関連部の状態も詳しく調べて判断する必要がある。
4.下側に要チェックポイント
4.下側に要チェックポイント
車体側面下部に装着しているサイドシルスポイラー。傷、破損、修理跡などがないかチェック。取り付け状態もチェックし、交換した様子がないか調べる。
重要なのは、サイドシルスポイラーで覆われているサイドシル(車体の梁)のほうだ。損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないか、床下側やステップ部(サイドシルの上側)周辺もチェックしたい。
5.後部も丹念にチェック
5.後部も丹念にチェック
後面も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。バンパーの切り欠きに収まっているマフラーエンドの位置にも注意。
6.テールゲートを開けてみる
6.テールゲートを開けてみる
テールゲートは、開閉具合をチェックし、上げた全開状態でしっかり止まっているかチェック。取り付けネジを調べると同時に、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺もチェック。テールゲートの立て付けが狂っていれば、テールゲートがずれている場合もあるが、車体が歪んでいる疑いもあるので要注意。
7.開口部も慎重にチェック
7.開口部も慎重にチェック
テールゲート開口部も、鉄板接合部の溶接、シーラー、塗装などの状態に注意しながら修理や交換の形跡がないかチェック。下のバンパーから上のルーフまで、関連部の状態も細かくチェックする。
独特のエンジンと走行機構各部の状態に注意
1.エンジンをかけてみる
キーレスアクセス&プッシュスタートの具合を試しながらエンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯状態も見る。可能なら試乗して、エンジンの吹け上がりなどもチェック。ターボ車は、タービンの異常音などにも注意したい。
2.走行時の状態をチェック
2.走行時の状態をチェック
「DIT」のCVT は、セレクトレバーが[D]の時にSI-DRIVE を[S#]にすると8速マニュアルモードになる。できれば試乗して、CVTの無段変速動作、マニュアルモード、パドルシフト、エンジン特性が変わるSI-DRIVEの走行モード[I]・[S]・[S#]などの具合をチェック。しかし、異常や不具合を判断するのは難しいので、販売店で点検してもらおう。
3.足まわりの状態も確認
3.足まわりの状態も確認
「2.0GT DIT」は、ビルシュタイン製ダンパーを装備。オイル漏れがないか、ヘタリや抜けがないかチェック。交換時期も推測したい。
前17/後16インチベンチレーテッドディスクのブレーキも、異常がないかチェック。EBD付ABS、VDC、ブレーキアシスト、ブレーキオーバーライドなど関連機構も、きちんと点検・整備しているか確かめる。
4.ホイールをチェック
4.ホイールをチェック
「2.0GT DIT」は、ガンメタリック塗装+切削光輝18 インチアルミホイール。傷、塗装剥げ、歪み(変形)、破損などがないかチェック。リムの縁も、傷や欠け、曲がりなどがないか見る。
5.タイヤの減り方にも注意
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の摩耗状態を調べて、一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションに異常を抱えている可能性もあるので要注意。
6.床下も覗いてみる
6.床下も覗いてみる
車体のパネルなど鉄板部、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理・交換の形跡などがないかチェック。油汚れ(オイルやグリスの漏れ)などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食の進行状態を調べる。
7.正しい点検・整備が必要
7.正しい点検・整備が必要
「DIT」は直噴(ダイレクトインジェクション)とツインスクロールターボを組み合わせた高出力型だが、水平対向エンジン自体が特殊。VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御4WD)なども含めて、スバル独自の機構を正しく点検・整備しているか必ず確かめたい。
インテリアの状態と装備機器類の機能を確認
1.装備機器の作動も確認
パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備の作動状態をチェック。キーレスアクセスによるドアの解錠・施錠具合も確認。エアコンは、特に冷房の効き具合に注意。標準装備はオーディオレスだが、オーディオ一体ナビなどが付いていれば、関連機能も正常かチェックする。
2.隅まで細かくチェック
室内は、汚れ、染み、傷などがないか。前席周辺から後席、ラゲッジスペースまで丹念にチェック。床や天井のほか、ボックスやポケットなどは内部の状態も見る。ボックスの蓋などは、可動部の破損にも注意。6:4分割可倒式リアシート、トノカバー、カーゴフック、サブトランクなどもチェックしたい。
3.車体内側の鉄板を見る
車体前部は、ボンネットを修理/交換していないかチェック。フェンダーは、エンジンルーム側も腐食や修理跡がないかチェック。エンジンルームを構成するサスペンションタワー(サスペンションの取り付け部)あたりに歪みや修理跡がないかチェック。
細部まで調べるのは難しいが、車体の骨格となっているパネル、フレーム、メンバー(補強部材)などにダメージがないか念のため確認したい。
4.前部の要チェックポイント
4.前部の要チェックポイント
衝撃を受けると影響が及びやすい、エンジンルームの最前部にあるラジエターサポートも、修理や交換していないか必ず調べる。カバーで覆われて見づらい部分もあるが、ラジエター本体、グリル、バンパー、ヘッドライト、フェンダーなど関連部の状態もチェックする。
5.細部は販売店で点検
装備類はとりあえずわかるところだけでもチェックして、不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
目利きはココを見る!
「車両の現状」を確認する
●中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプションや後付け装備などが付いていないか確認。整備状況も販売店で確認する。
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を参考に、車両の状態を探る。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/ 交換している可能性がある。●プレスライン(パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理・交換することがあるので、まずネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
● 2009年5月に発売した5代目レガシィシリーズ。「ツーリングワゴン」は、2010年5月と2011年6月に一部改良した後、2012年5月にマイナーチェンジ。フロントまわりの意匠および内装を刷新。従来の2.5Lエンジンは改良型に変更。新たに2.0LのDIT(直噴ターボ)エンジン搭載車を設定している。
走行特性を変更できるSI-DRIVE、パドルシフト、電動パーキングブレーキ、走行安定制御VDC などは全車に標準装備。「2.5i」は、2.5Lエンジン+ 6 速マニュアルモード付CVT+電子制御4WD。16インチアルミホイール、カジュアルクロスシート、アルミ調加飾パネルなどを装備。「Lパッケージ」では、アイドリングストップやオールウェザーパックを追加し、17インチアルミホイール、左右独立温度調整機能付フルオートエアコンなどを装備。
「2.5iアイサイト」は、2.5iLパッケージの装備に運転支援システム・アイサイトの機能を追加。「Sパッケージ」では、ビルシュタイン製ダンパー、18インチアルミホイール、アルミパッド付ペダル、スポーティクロスシート、カーボン調パネルなどを装備する。
「2.5GT アイサイト」は、2.5L ターボ285馬力エンジン+マニュアルモード付5速AT+VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御4WD)。装備は2.5i L パッケージとほぼ同じだが、前17/後16インチベンチレーテッドディスクブレーキなども装備している。
「2.0GT DIT」は、2.0L ターボ300 馬力エンジン+高トルク対応型8速マニュアルモード付CVT+VTD-AWD。装備はSパッケージ装着車に近いが、ガンメタリック18インチアルミホイール、デュアルマフラーカッター、エンジンカバーなどがDIT専用装備となっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
2.5i | DBA-BRM | CVT-6M | 4WD |
2.5i L パッケージ | DBA-BRM | CVT-6M | 4WD |
2.5i アイサイト | DBA-BRM | CVT-6M | 4WD |
2.5i アイサイト S パッケージ | DBA-BRM | CVT-6M | 4WD |
2.5GT アイサイト | DBA-BR9 | 5AT-M | 4WD |
2.0GT DIT | DBA-BRG | CVT-8M | 4WD |
●その後、2012年9月には、「2.0GT DIT」にも「アイサイト」を設定している。