中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.21 / 掲載日:2013.02.08
トヨタ クラウン アスリート(2004年8月~2005年10月)中古車購入チェックポイント
トヨタ クラウン アスリート (2004年8月~2005年10月) 中古車購入チェックポイント
DBA-GRS182
参考車両:3.0アスリート
初年度登録2005年3月 (2005年3月)
■全体のチェックポイント
運転を楽しむドライバー向けというのが「アスリート」のチェックポイントのひとつ。年式や走行距離によっては、内外装を細かくチェックするほか、エンジンや走行機構各部の状態と整備状況を確認する必要がある。
外装だけでなく車体骨格のダメージにも注意して
まずは車体まわりをしっかり調べる。外装の傷、塗装、立て付けなどの状態をチェック。ドアは、ヒンジ部を調べるほか、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など周辺も慎重にチェックする。
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
車両の正面から、バンパーやフェンダーなどがずれていないかチェック。ヘッドライトの片方だけが新しい場合は、その側の車体部を修理してないか確認。バンパーは、角や下側も損傷がないか見る。
2.周辺も調べて判断する
2.周辺も調べて判断する
ドアは、ヒンジ部のネジもチェック。立て付け調整でネジを回すことがあるので、ネジだけでなく、ドアキャッチ(ロックの受け金具)やピラー、サイドシルなど、関連部品や周辺の状態も詳しく調べよう。
3.パネルの色調もチェック
3.パネルの色調もチェック
フェンダーは、ホイールアーチ部(縁の部分)やタイヤハウス(内側)も損傷や修理跡がないか見る。フェンダーの色調がドアなど周辺と違っていれば、修理/交換で塗装している疑いもあるので注意。
4.交換した形跡にも注意
4.交換した形跡にも注意
「アスリート」は、側面下部にサイドマッドガードを装着している。傷や破損、修理跡などがないかチェック。取り付け状態も調べて、新品と交換していないか確かめる。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
車体側面は、ドアの開口部も必ずチェック。アスリートはサイドマッドガードで覆われているが、内側にあるサイドシル(車体の梁)が重要。損傷がないか、修理/交換の形跡がないか、床下側やステップ部(サイドシルの上側)もチェック。
ぶつけた痕跡や修理や交換した形跡がないか
車体後部も、前部と同様に細かくチェック。トランクリッドは、解錠・施錠の具合をチェックし、全開状態で下がってこないかダンパーの状態も確かめよう。
1.鉄板の接合部を調べる
1.鉄板の接合部を調べる
トランクリッドを開けて、トランクリッドおよびヒンジの取り付け状態をチェック。開口部には鉄板の継ぎ目があるので、シーラー、溶接、塗装などの状態などに注意し、修理や交換の形跡などがないかチェック。
2.トランクリッドもチェック
後部も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどのバランスを見る。トランクリッドは、開閉具合をチェックし、内側に修理跡がないか調べる。
“走りのアスリート”の整備状態を確認したい
エンジンはもちろん、トランスミッション、ブレーキ、サスペンションなど走行機構の状態をチェック。できれば試乗して、各部の機能と動作を確認したい。
1.整備状態を確かめる
1.整備状態を確かめる
とりあえずエンジンと周辺の様子を見る。オイル漏れなどにも注意。3.0L車は、マニュアルモード付6速AT。車両安定制御VSC&TRCやブレーキアシストなども付いている。できればすべての機能を試してみたいが、整備状況を販売店に聞いて確認しよう。
2.ボンネットをチェック
2.ボンネットをチェック
ボンネットは、開閉具合をチェックし、裏面側に修理跡がないか見る。取り外したり、交換していないか、取り付け状態もチェック。
3.車体内側の骨格に注意
遮音カバーがあるので細部は見えないが、エンジンルーム内側の鉄板にダメージがないかチェックしたい。最前部にあるラジエターサポートも要チェックポイントだ。
4.不具合の兆候を探る
4.不具合の兆候を探る
エンジンがすぐにかかるか、始動具合をチェック。アイドリング回転は安定しているか。振動が大きくないか。異音が聞こえないか。排気ガスの白煙や黒煙にも注意。
5.ホイールとタイヤを調べる
5.ホイールとタイヤを調べる
「アスリート」は、18インチアルミホイール。傷や破損などがないかチェック。リム(タイヤと接している縁の部分)に傷や曲がりがないか。ホイールに歪み(変形)がないかチェック。
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷やひび割れなどがないか確認。接地面の一部だけが減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションなどの異常も考えられるので要注意。
6.足まわり状態もチェック
「アスリート」は、電子制御サスペンションを標準装備。古くなると劣化している可能性もある。前後とも16インチディスクのブレーキも、利き具合を確かめるが、パッドやディスクの摩耗にも注意したい。
室内の状態と同時に装備機器の作動もチェック
もともと快適装備は充実しているが、3.0アスリートはカーナビなども標準装備。すべて正常に作動することを確かめたい。
1.仕様と機能を確かめる
1.仕様と機能を確かめる
G-BOOK対応DVDボイスナビが正常に機能するか確認。液晶画面が暗すぎないか(使い込むと暗くなる)、地図データが古くないかといったところにも注意しよう。
2.スイッチを入れてみる
2.スイッチを入れてみる
エアコンは、冷房・暖房の効き。オーディオは、ラジオやCDなどの音源。ヘッドライトの点灯やウインカーの点滅、ミラーやシートの調整、スマートエントリー&スタートシステムなども。実際に操作して、機能と動作をチェック。
3.隅まで細かくチェック
3.隅まで細かくチェック
室内は、汚れ、傷、穴、破損などがないか。前席だけでなく後席周辺も、ドアや床、天井なども含めて丹念にチェック。ボックスやポケットは、内部も見る。シートは、表面を調べたら、座り心地もチェック。
★販売店で点検してもらう
とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
■最初に車両の情報を確認する
●中古車両の現物を販売店で見る際は「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備以外に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
目利きはココを見る!
立て付けを見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。
●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
塗装の状態を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。
●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、新車時から外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部は、車種によっては塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
固定ネジを回していないか見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジや車体左右の同じ部分のネジと見比べる。
●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部も、修正跡や修理跡がないか見る。
溶接とシーラーに異常がないか見る
●車体部品を交換する場合は、溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。
●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、パネルの接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分があれば、車体の左右同じ場所を比べてみる。
■今回の車両のプロフィール
●2003年12月にフルモデルチェンジして12代目となった「クラウン」。高級感と後席の快適性を重視した「ロイヤル」に対し、「アスリート」は外装のほか、太径18ホイールや電子制御サスペンションAVSなどを装備したスポーティ仕様モデルだ。
●2004年8月に一部改良。2.5L車に4WDを追加している。「2.5アスリート」は2.5Lエンジンに5速ATを組み合わせたベーシックタイプ。「3.0アスリート」は、3.0Lエンジン+マニュアルモード付6速AT。DVDボイスナビ&オーディオ、マイコンプリセット電動ステアリングなども標準装備している上級タイプ。「Gパッケージ」では、前席パワーシート、リアオートエアコン、高精度DVDボイスナビなどを追加装備する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
2.5アスリート | DBA-GRS180 | 5AT | FR |
2.5アスリート i-Four | DBA-GRS181 | 5AT | 4WD |
3.0アスリート | DBA-GRS182 | 6AT-M | FR |
3.0アスリート Gパッケージ | DBA-GRS182 | 6AT-M | FR |
●その後、2005年10月にマイナーチェンジし、3.0Lを3.5Lへ変更。2008年2月のフルモデルチェンジで「クラウン(ロイヤル/アスリート)」は13代目へと替わっている。