【2024年版】トヨタ クラウン VS レクサス ISを徹底比較

トヨタのクラウンとレクサスのISシリーズは、いずれも高級セダンとして有名です。洗練されたボディデザインと上質な素材を使ったインテリアが魅力的です。

しかし、セダンを購入しようと考えると「自分にはクラウンとISのどちらが適しているのだろう」と悩む方もいるでしょう。

この記事では、クラウンとISについて、価格や燃費、装備など様々な観点から比較します。長く乗れる車選びにぜひお役立て下さい。

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トヨタ クラウンのプロフィール

トヨタを代表するセダンである「クラウン」は1955年に誕生し、これまで70年近い間、多くのユーザーから支持される車です。

クラウンは日本で初めて純国産車として販売され、国内の車のはじまりと言っても過言ではないほど自動車作りの基盤となっている車種です。

室内の快適さはVIPを乗せるにふさわしいつくりで、乗るたびにドライバーも同乗者も特別感を得られます。

近年では、セダンだけでなくクロスオーバーやスポーツモデルなど様々なタイプを展開しています。発売当初からのブランドを大切にしながらも時代に合わせて変化を続けています。

先代モデルとの比較

クラウンは1955年の発売からモデルチェンジを繰り返し、現在は16代目です。今回は直近3代のクラウンについて歴史を振り返ります。

14代目のクラウンは2012年から2018年まで販売されたモデルです。「原点回帰と革新」をテーマに作られたこの1台はモチーフの王冠が大きくなり、フロントグリルで存在感を放っています。

躍動感のある顔つきがそれまでのクラウンとは大きく異なり、当時のファンを驚かせました。

15代目のクラウンは2018年から2022年まで販売されたモデルです。キャッチコピーは「CROWN BEYOND」です。

BEYOND（ビヨンド）には「超える」「向こう側に」という意味があります。名前の通り、これまでのクラウンのイメージを一新するスポーティーな見た目、車と情報がつながる車載通信機DCMの搭載など革新的な取り組みが多く見られます。

また、この代より「Toyota Safety Sense」を全車に搭載しています。

16代目のクラウンは2022年から販売される現行モデルです。この代では全部で4つのタイプを用意し、幅広いユーザーニーズに応えています。セダンとSUVを融合したクラウンクロスオーバー、スポーティーなモデル、ワゴンとSUVを融合させたエステートが従来のセダンに加わっています。

いつの時代もクラウンはニーズに応え、車作りの先を歩んでいます。

レクサス ISのプロフィール

レクサスISはトヨタ「アルテッツァ」の後継モデルとして販売されるセダンです。上質な内外装とスポーティなデザインは、年代問わず多くのファンを獲得しています。

レクサスブランドの中でも比較的、取り回しが良いコンパクトなボディサイズのため、初めてレクサスの購入を検討する方におすすめです。

先代モデルとの比較

ここでは、レクサスISの歴史を振り返ります。

2005年から2013年まで販売された初代は「アルテッツァ」の後継モデルとして誕生します。プレミアムスポーツセダンとして他のセダンとの差別化が図られました。

2代目は2013年から販売される現行モデルです。2代目よりレクサスブランドに共通している、スピンドルグリルの採用が始まります。このデザインの採用でダイナミックなフロントフェイスに仕上がっています。

2代目では後部座席の拡大が図られ居住性が向上。また、コックピットデザインも大きく変化し、先代よりもドライバーが運転しやすい車として進化しています。

また、ハイブリッドモデルの登場やLexus Safety System+の搭載など、技術の進歩が多方面で見られるでしょう。

グレードと価格の比較

ここでは、クラウンとISの価格とグレードを紹介します。ラインナップされるグレードと価格は下記の通りです。

クラウン セダン	メーカー小売希望価格
Z（ハイブリッド車 2WD）	7,300,000円（税込）
Z（燃料電池車 2WD）	8,300,000円（税込）

クラウン クロスオーバー （ハイブリッド車のみ）	メーカー小売希望価格
CROSSOVER RS“Advanced”（4WD）	6,400,000円（税込）
CROSSOVER RS（4WD）	6,050,000円（税込）
CROSSOVER G“Advanced・Leather Package”（4WD）	5,700,000円（税込）
CROSSOVER G“Advanced”（4WD）	5,100,000円（税込）
CROSSOVER G“Leather Package”（4WD）	5,400,000円（税込）
CROSSOVER G（4WD）	4,750,000円（税込）
CROSSOVER X（4WD）	4,350,000円（税込）

クラウン スポーツ	メーカー小売希望価格
SPORT RS（プラグインハイブリッド車 E-Four）	7,650,000円（税込）
SPORT Z（ハイブリッド車 E-Four）	5,900,000円（税込）

IS （ハイブリッド車）	メーカー希望小売価格
IS 300h特別仕様車”F SPORT Mode Black III”	6,310,000円（税込）
IS 350h”Version L”	6,010,000円（税込）
IS 300h”F SPORT”	5,810,000円（税込）
IS 300h	5,270,000円（税込）

IS （ガソリン車）	メーカー希望小売価格
IS 500”F SPORT Performance”	8,500,000円（税込）
IS 350特別仕様車”F SPORT Mode Black III”	7,010,000円（税込）
IS 350”F SPORT”	6,510,000円（税込）
IS 300特別仕様車”F SPORT Mode Black III”	5,860,000円（税込）
IS 300”Version L”	5,560,000円（税込）
IS 300”F SPORT”	5,360,000円（税込）
IS 300	4,810,000円（税込）

クラウンとISを比較すると、価格面では同じラインです。また、各車種共にモデルの種類が多いため、選ぶものによって予算が大きく異なるでしょう。

外観とボディサイズの比較

ここではクラウンとISのボディサイズを比較します。具体的な数値は下記の通りです。

クラウン セダン	全長5,030mm×全幅1,890mm×全高1,475mm
クラウン クロスオーバー	全長4,930mm×全幅1,840mm×全高1,540mm
クラウン スポーツ	全長4,720mm×全幅1,880mm×全高1,565〜1,570mm
IS	全長4,710〜4,760mm×全幅1,840mm ×全高1,435〜1,440mm

クラウンはモデル展開が豊富で、それぞれ大きさが少しずつ異なります。

クラウンとISのサイズについては、大きな違いはありません。

室内の広さを比較

ここではクラウンとISの室内空間を比較します。具体的なサイズは下記の通りです。

クラウン セダン	室内長1,970mm×室内幅1,595mm×室内高1,135mm
クラウン クロスオーバー	室内長1,980mm×室内幅1,540mm×室内高1,170mm
クラウン スポーツ	室内長1,850mm〜1,855mm×室内幅1,540mm×室内高1,175mm
IS	室内長1,945mm×室内幅1,500mm×室内高1,160mm

クラウンはモデルにより室内空間が若干異なりますが、ISと同じセダンタイプで比較するとややクラウンの方が室内空間が広いと言えるでしょう。

燃費性能の比較

クラウンとISの各グレードごとの燃費（国土交通量審査値）は下記の通りです。

クラウン セダンのグレード	WLTCモード	市街地モード	郊外モード	高速道路モード
ハイブリッド車 Z（2.5L）	18.0km/L	14.4km/L	18.4km/L	19.7km/L

※燃料電池車の数値記載はありません。

クラウン クロスオーバーのグレード	WLTCモード	市街地モード	郊外モード	高速道路モード
ターボハイブリッド車	15.7km/L	12.6km/L	15.8km/L	17.6km/L
ハイブリッド車	22.4km/L	21.2km/L	23.8km/L	22.1km/L

クラウン スポーツのグレード	WLTCモード	市街地モード	郊外モード	高速道路モード
プラグインハイブリッド車	20.3km/L	17.5km/L	21.5km/L	21.0km/L
ハイブリッド車	21.3km/L	19.1km/L	22.7km/L	21.6km/L

ISのグレード	WLTCモード	市街地モード	郊外モード	高速道路モード
IS 500（2WD）	9.0km/L	5.5km/L	9.5km/L	11.8km/L
IS 350（2WD）	10.7km/L	7.0km/L	11.2km/L	13.3km/L
IS 300h（2WD）	18.0km/L	15.6km/L	18.3km/L	18.8km/L
IS 300h（AWD）	16.2km/L	14.4km/L	16.6km/L	16.8km/L
IS 300（2WD）	12.2km/L	8.8km/L	12.0km/L	14.7km/L

燃費性能ではハイブリッド車を得意とするクラウンに軍配が上がります。

動力性能の比較

こちらではクラウンとISの動力性能を見ていきましょう。両車種のスペックは下記の通りです。

クラウン セダンのグレード	エンジン種類	総排気量	最大出力
ハイブリッド車（全グレード）	直列4気筒	2.487L	136kW（185PS）/6,000r.p.m
燃料電池車	圧縮水素高圧タンク（3本）	タンク容量：141（前方64＋中52＋後方25）	134kW（182PS）/6,940rpm

クラウン クロスオーバーのグレード	エンジン種類	総排気量	最大出力
ハイブリッド車	直列4気筒	2.487L	137kW（186PS）/6,000r.p.m

クラウン スポーツのグレード	エンジン種類	総排気量	最大出力
プラグインハイブリッド車	直列4気筒	2.487L	130kW（177PS）/6,000r.p.m
ハイブリッド車	直列4気筒	2.487L	137kW（186PS）/6,000r.p.m

ISのグレード	エンジン種類	総排気量	最大出力
IS 500	V型8気筒	4.968L	354kW（481PS）/7,100r.p.m
IS 350	V型6気筒	3.456L	234kW（318PS）6,600/r.p.m
IS 300h	直列4気筒	2.493L	131kW（178PS）6,000/r.p.m
IS 300	直列4気筒インタークーラー付ターボ	1.998L	180kW（245PS）5,200〜5,800/r.p.m

動力では多様な排気量を用意しているISに軍配が上がります。より力強い走りを楽しみたい場合はISの500がおすすめです。

タイヤサイズの比較

ここでは、クラウンとISのタイヤサイズを確認します。具体的なサイズは下記の通りです。

クラウン セダン	235/55R19
クラウン クロスオーバー	21インチタイヤ
クラウン スポーツ	235/45R21
IS	（F）235/45R18（R）235/45R18、（F）235/40R19（R）265/35R19

ダイナミックな印象を受けるクラウンの方が大きめのタイヤを装着しています。タイヤサイズは大きいほどコストがかかるため、着目したいポイントです。

安全装備の比較

クラウンにはトヨタ チームメイト「アドバンストパーク」「アドバンスト ドライブ（渋滞時支援）」が搭載されており、駐車時にドライバーをサポートしたり、渋滞時に運転の不可を軽減できます。

また、トヨタ独自の予防安全パッケージである「Toyota Safety Sense」が搭載されており、2種類のセンサーが一般道、高速道路ともに危険を察知して警告します。車の運転操作に不安を感じる場合も、最新の機能がサポートしてくれます。

ISにはプリクラッシュセーフティが搭載されており、昼夜を問わず自転車を検知して警告できる機能が備わっています。

ボディが大きいISはどれだけ注意深く周囲を見ていても、見落とす可能性がゼロではありません。特に夜間の運転は視認性が低下するため、サポートがあると安心できるでしょう。

この他にも歩行者と衝突した際の衝撃を軽減、アクセル踏み間違いの予防など様々な装備が充実しています。

ラゲッジスペースの比較

ここでは、クラウンとISのラゲッジスペースを比較します。具体的な数値は下記の通りです。

クラウン セダン クラウン クロスオーバー	奥行1,120mm×幅1,335mm×高さ545mm 荷室容量：約450L
クラウン スポーツ	奥行959mm×幅1,439mm×高さ725mm 荷室容量：約397L
IS	奥行1,030〜1,085mm×幅1,265〜1,480mm×高さ460〜470mm 荷室容量：約342〜379L

ラゲッジのサイズはクラウンの方が大きいでしょう。

なお、ラゲッジスペースは実際に車を確認してみることがおすすめです。シートアレンジをして自分が載せたい荷物が乗るか確かめるのが良いでしょう。

おすすめグレードの選び方

ここからは、クラウンとISの中でも、「価格」「走り」「装備」の3つの観点から特におすすめしたいグレードを紹介します。

予算や求めるポイントにあわせて自分にぴったりの1台を選びましょう。

価格重視

価格重視でクラウンを選ぶ場合は、セダンのハイブリッドモデルがおすすめです。730万円からと決して安くはないものの、ラインナップの中では価格を抑えて購入できるでしょう。

なお、今回のモデルチェンジから登場したクロスオーバーは450万円以下で購入できるものもあります。

ISはガソリン車で排気量が一番小さいIS300が、481万円と最も価格を抑えて購入できます。しかし、排気量としてはクラウンよりも大きく力強い走りを期待できます。

走り重視

走りを重視する場合、クラウンはセダンのハイブリッド車のZモデルがおすすめです。燃料電池車も走行に不自由さを感じず、スムーズな走りを期待できますが、水素ステーションの整備がまだ行き届いていないことから、燃料補給をする際に地方の場合は不安が残るでしょう。

ISシリーズではIS 500 F SPORT Performanceがおすすめです。力のあるV8エンジンを搭載し、高い出力と加速性能で、まるでスポーツカーのような走行を楽しめます。

装備重視

装備面でクラウンを選ぶ場合、クロスオーバーの「“Advanced“」がおすすめです。シートは本革使用で内装色がイエローブランを選択できるため、他のクラウンと差別化できるでしょう。クラウンの優雅さに遊び心が加わった1台です。

ISシリーズでは「IS 350 F SPORT」がおすすめです。内外装はスポーティーな仕様で乗るたびに心が踊ります。F SPORT専用のデザインから特別感を得られるでしょう。

※本記事は、2024年3月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。