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更新日:2024.04.05 / 掲載日:2024.03.16
【2024年版】日産 セレナVSマツダ ビアンテを徹底比較
ミニバンは室内空間が広いだけでなく、高齢者や子供でも乗り降りしやすいことが魅力でしょう。そのため、大人数で出かける機会が多い方やファミリー層に支持されています。
ミニバンの中では、日産から販売されているセレナの他、マツダのビアンテも販売終了となったものの中古市場で根強い人気がある車種です。
今回は、セレナとビアンテの価格や室内空間の広さ、燃費性能など様々な観点から比較していきます。おすすめのグレードも紹介するので車選びの参考にしてみてください。

日産 セレナのプロフィール

セレナは日産から1991年に誕生したロングセラーのミニバンです。2022年12月には6代目へのフルモデルチェンジが行われました。
コンパクトなサイズでありながら広い室内を持つことから、ファミリーにも人気です。特に標準グレードは5ナンバーです。
5ナンバーはボディサイズや排気量が小さい、いわゆる小型車を指します。ナンバープレートの地名の横に5から始まる3桁の番号が書かれているため5ナンバーと呼ばれています。
普通乗用車である3ナンバーと比べると車体が小さい分、取り回しがしやすい5ナンバーは街乗りがメインの方におすすめできます。なお、セレナの標準モデル以外である「ハイウェイスター」「ルキシオン」「AUTECH」は3ナンバーです。
また、ガソリン車に加えてハイブリッドシステムe-POWERを搭載したモデルも選べます。安全運転を支援する「プロパイロット」が全車に標準搭載されているなど、高機能である点も特徴と言えるでしょう。
先代モデルとの比較
セレナの現行モデルは2022年12月発売開始の6代目です。ここでは2016年に登場した5代目と6代目について紹介します。
5代目セレナは日産の象徴的なVモーショングリルが取り入れられ、スタイリッシュな外観が特徴です。また、ミニバンとしては世界で初めて安全運転支援システム「プロパイロット」が搭載されました。
6代目からは第二世代のe-POWERが採用されていいます。新しいe-POWERはモーター出力が約2割アップしたことに加えて、燃費性能も向上しました。また、エンジン音が車内での会話を邪魔しないよう、静音性が高められています。
安全運転を支援する「プロパイロット」もアップグレードし、6代目からは高速道路での運転が楽になる速度制御ならびにステアリング操作アシスト機能が全車に標準装備されています。
マツダ ビアンテのプロフィール

ビアンテはマツダから2008年に販売開始されたミニバンです。ユニークなエクステリアデザインとゆとりのある室内空間を特徴としていますが、マツダがミニバン市場から撤退したことで2017年末に生産終了となりました。
ビアンテはミドルクラスのミニバンでありながら3ナンバーに位置づけられるコンパクトなサイズが特徴の車です。一方で全幅は1,770mmあるため、3列目に座ったときの圧迫感が軽減されています。
また、収納力があり使い勝手がよいため、販売終了となった現在は中古車市場で人気があります。
先代モデルとの比較
2008年8月に誕生したビアンテは、2017年末に生産終了するまでフルモデルチェンジは行われていません。ただし、何度かマイナーチェンジが実施されています。
例えば、2013年5月のマイナーチェンジ以降、FF全車に高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」と高効率オートマチックトランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」が搭載されたことで走行性能に加えて燃費性能も向上しました。
また、電動両側スライドドアが全車で標準装備されるなど、使い勝手も改善のたびに高まっていました。
グレードと価格の比較
ここでは、セレナとビアンテのグレードや価格を紹介します。
セレナのグレード (ハイブリッド車) | メーカー希望小売価格 |
---|---|
e-POWER X(2WD) | 3,198,800円 |
e-POWER XV(2WD) | 3,499,100円 |
e-POWER ハイウェイスター(2WD) | 3,686,100円 |
e-POWER ルキシオン(2WD) | 4,798,200円 |
e-POWER AUTECH(2WD) | 4,150,300円 |
セレナのグレード (ガソリン車) | メーカー希望小売価格 |
---|---|
X(2WD) | 2,768,700円 |
X(4WD) | 3,034,900円 |
XV(2WD) | 3,088,800円 |
XV(4WD) | 3,355,000円 |
ハイウェイスター(2WD) | 3,269,200円 |
ハイウェイスター(4WD) | 3,535,400円 |
AUTECH(2WD) | 3,733,400円 |
AUTECH(4WD) | 3,933,600円 |
ビアンテのグレード (ガソリン車) | メーカー希望小売価格 |
---|---|
20C-スカイアクティブ(FF) | 2,343,600円 |
20S-スカイアクティブ(FF) | 2,565,000円 |
グランツ-スカイアクティブ(FF) | 2,673,000円 |
20C(フルタイム4WD) | 2,559,600円 |
グランツ(フルタイム4WD) | 2,910,600円 |
セレナはハイブリッド車とガソリン車の設定があり、初期費用を抑えたい方にはガソリン車がおすすめです。一方、ビアンテはガソリン車のみの取り扱いです。
なお、ビアンテは生産終了となったため新車での購入ができず、中古車のみ流通しています。ビアンテに限らず、中古車は一般的にグレードや年式、状態によって価格が異なります。複数の中古車販売店を比較しながら検討するとよいでしょう。
外観とボディサイズの比較

こちらでは、セレナとビアンテのボディサイズを比較します。
セレナのグレード | ボディサイズ |
---|---|
標準ボディ | 全長4,690mm×全幅1,695mm×全高1,870mm |
ハイウェイスター | 全長4,765mm×全幅1,715mm×全高1,870mm |
ルキシオン | 全長4,765mm×全幅1,715mm×全高1,885mm |
AUTECH | 全長4,810mm×全幅1,725mm×全高1,870〜1,895mm |
ビアンテのグレード | ボディサイズ |
---|---|
20C-スカイアクティブ 20S-スカイアクティブ グランツ-スカイアクティブ | 全長4,715mm×全幅1,770mm ×全高1,835mm |
20C グランツ | 全長4,715mm×全幅1,770mm ×全高1,855mm |
ボディサイズはビアンテのほうがやや大きく、全グレードが3ナンバーに該当します。一方、セレナは標準ボディのみ5ナンバー、他のグレードは3ナンバーです。
なお、3ナンバーと5ナンバーの違いは排気量とボディサイズで決定します。小型車に分類される5ナンバーでは「全長4,700mm以下」「全幅1,700mm以下」「全高2,000mm以下」「排気量2,000cc以下」をすべて満たす必要があります。
なお、全高は両車種ともに1,800mm以上あるため、一部の機械式駐車場では入庫できない可能性があります。特に初めて行く場所では注意が必要です。
室内の広さを比較

こちらでは、セレナとビアンテの室内空間を比較します。具体的な数値は下記の通りです。
セレナ | 室内長3,145mm×室内幅1,545mm×室内高1,400mm |
---|---|
ビアンテ | 室内長2,990mm×室内幅1,545mm×室内高1,350mm |
どちらもゆったりとした室内空間を持つ車種ですが、セレナのほうがやや広いと言えます。近年は室内空間を広く取る車種が多いことから、新しいセレナに軍配があがるでしょう。
燃費性能の比較
ここからは、セレナとビアンテの各グレードごとの燃費(国土交通量審査値)を比較していきます。
なお、燃費の表示方法には日本国内で使用されてきた「J08モード」と、国際基準である「WLTCモード」があります。
J08モードは実際の燃費に近づくよう、エンジンが冷えた状態から平均速度や最高速度を引き上げながら計測してデータを算出します。
一方、WLTCモードは「市街地」「郊外」「高速道路」の各走行モードで得られたデータを元に、平均的な使用時間分配を考慮して算出します。
セレナのグレード | WLTCモード | 市街地モード | 郊外モード | 高速道路モード |
---|---|---|---|---|
e-POWER X(2WD) | 20.6km/L | 21.3km/L | 22.5km/L | 19.2km/L |
e-POWER XV(2WD) e-POWERハイウェイスター(2WD) | 19.3km/L | 19.7km/L | 20.7km/L | 18.3km/L |
e-POWER ルキシオン(2WD) | 18.4km/L | 20.4km/L | 19.5km/L | 17.0km/L |
X(2WD) | 13.4km/L | 9.8km/L | 14.0km/L | 15.4km/L |
XV(2WD) ハイウェイスター(2WD) | 13.0km/L | 9.5km/L | 13.6km/L | 14.9km/L |
X(4WD) XV(4WD) ハイウェイスター(4WD) | 11.6km/L | 8.6km/L | 11.9km/L | 13.4km/L |
ビアンテのグレード | JC08モード |
---|---|
20C-スカイアクティブ(FF) 20S-スカイアクティブ(FF) グランツ-スカイアクティブ(FF) | 14.8km/L |
20C(フルタイム4WD) グランツ(フルタイム4WD) | 9.4km/L |
燃費に関して算出方法が異なるため、やや判断が難しくなるものの、ハイブリッド車の扱いがあるセレナのほうに軍配が上がります。
動力性能の比較
こちらでは、セレナとビアンテの動力性能を見ていきましょう。両車種のスペックは下記の通りです。
セレナのグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
ハイブリッド車全グレード | DOHC水冷直列3気筒 | 1.433L | 72kW(98PS)/5,600r.p.m |
ガソリン車全グレード | DOHC水冷直列4気筒 | 1.997L | 110kW(150PS)/6,000r.p.m |
ビアンテのグレード | エンジン種類 | 総排気量 | 最大出力 |
---|---|---|---|
20C-スカイアクティブ(FF) 20S-スカイアクティブ(FF) グランツ-スカイアクティブ(FF) | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 1.997L | 151kW(111PS)/6,000r.p.m |
20C(フルタイム4WD) グランツ(フルタイム4WD) | 直列4気筒直噴 | 1.998L | -kW(-PS)/-r.p.m |
ビアンテは2013年のマイナーチェンジ以降、FF車においてスカイアクティブ技術を搭載したエンジンを採用してしています。ただし、4WDにおいてはスカイアクティブ技術を搭載せず、MZRエンジンと4速ATの組み合わせを採用しているため注意が必要です。
セレナはハイブリッド車とガソリン車の設定がある一方、ビアンテはガソリン車しかありません。両車種のガソリン車同士を比較するとセレナのほうがよりパワフルだと言えます。
タイヤサイズの比較
こちらでは、セレナとビアンテのタイヤサイズを比較します。具体的なサイズは下記の通りです。
セレナ | 205/65R16 95H |
---|---|
ビアンテ | 205/60R16 92H |
セレナとビアンテともに全グレードで同じサイズのタイヤが使用されています。インチ数も同じことから、タイヤに関しては大きなコストの差がないと言えます。
安全装備の比較

ここからは、セレナとビアンテの安全性能を比較します。
セレナは対歩行者用の衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報などを採用しており、国から「サポカーSワイド」に認定されています。
また、走行中や駐車時などの運転をサポートしてくれる全方位運転支援システムも危険回避やドライバーの疲れの軽減につながる機能です。
なお、セレナでは2022年12月発売の現行モデル全車ならびに2018年以降販売の一部モデルにおいて安全運転支援システム「プロパイロット」を搭載しています。
プロパイロットとは、先行車との車間距離の維持やステアリング操作のアシストなどを通じて主に主に高速道路での運転をサポートする機能です。特に最上級グレードのルキシオンに採用されている「プロパイロット2.0」ではナビと連動することにより、一部の状況によってハンドルから手を離すことが可能になるハンズオフ機能もあります。
ビアンテには衝撃を吸収する各種装備が備わっています。具体的な装備は下記の通りです。
- クラッシャブルブレーキペダル
- SRSエアバッグシステム
- 頸部衝撃緩和フロントシート など
また、2013年5月のマイナーチェンジから横滑りを防止するDSCシステムならびにタイヤの空転を防止するトラクションコントロールシステムがFF全車に標準装備されました。
ラゲッジスペースの比較

こちらでは、セレナとビアンテのラゲージスペース(荷室)を比較します。
セレナ | 奥行約450mm×幅約1,255mm×高さ約1,483mm(サードシートを使用した寸法) 荷室容量:約283L |
---|---|
ビアンテ | 奥行-mm×幅-mm×高さ-mm 荷室容量:最大-L |
ビアンテの詳細は調べることができませんでしたが、両車種とも車内が広いため、十分なラゲージスペースがあります。遠出や買物で荷物が多くなっても安心です。
おすすめグレードの選び方
セレナとビアンテはどちらも室内が広くて余裕があり、使い勝手のよい魅力的な車種です。また、複数のグレードを展開しているため、どれが自分に合っているのか分からず迷ってしまう方もいるでしょう。
ここからは、車選びで重視されることが多い「価格」「走行性能」「装備」の3つの観点から、それぞれのおすすめグレードを紹介します。
価格重視
自動車を購入する上で予算を決めている方は多いでしょう。
価格を重視する方には、セレナの中でもガソリン車のXをおすすめします。2WDモデルであれば300万円以下で購入可能です。なお、4WDの場合はやや価格がアップして約305万円です。
Xグレードにはハイブリッド車のモデルもあります。ハイブリッド車を希望する方はe-POWER Xを検討してみてください。
販売終了となったビアンテは現在、中古車のみ購入可能です。新車での価格が最も安かった20C-スカイアクティブ(FF)であれば中古車価格も他のグレードより抑えられている可能性が高いでしょう。
4WDのモデルが欲しい方には、スカイアクティブ機能が搭載されていない20Cがおすすめです。
なお、中古車はグレードだけでなく年式や状態によって価格が異なります。在庫状況も変動しやすいため、希望の車種・グレードが見つかるまで複数の中古車販売店をチェックしましょう。
走り重視
走行性能を重視する方には、セレナのガソリン車をおすすめします。ハイブリッドシステムのe-POWERを搭載したモデルよりもエンジンの出力が大きく、力強さを感じるでしょう。また、4WDはガソリン車にしか設定がありません。
なお、セレナの場合はどのグレードも同じエンジンを搭載しています。基本的にはエクステリアデザインの好みや装備、価格で選んでも問題ありませんが、エアロ仕様がスタイリッシュなハイウェイスターは特に人気があります。
ビアンテの場合は、20C-スカイアクティブ、20S-スカイアクティブ・グランツ-スカイアクティブを選ぶとよいでしょう。スカイアクティブ機能を搭載したエンジンを採用しており、力強く快適なドライブを楽しめます。ただし、4WDの設定がないため注意が必要です。
装備重視
グレードによる違いが大きいのが装備です。
装備を重視する方には、セレナのルキシオンがおすすめです。最上位グレードであるルキシオンには「プロパイロット2.0」に加えて、安全な駐車をサポートする「プロパイロットパーキング」「プロパイロットリモートパーキング」が標準装備されます。
この3つ装備は他のグレードではオプションとしても選択できない機能です。これらの機能に魅力を感じる方はルキシオンを選びましょう。
ビアンテの中で装備が充実したグレードは、グランツ-スカイアクティブです。当初は特別仕様車でしたが、2013年5月のマイナーチェンジの際にラインナップに加えられました。
専用デザインのフロントやシルバーのリアフィニッシャーモール、LEDリアコンビネーションランプベゼルなど、様々な専用装備を備えています。また、両側電動スライドドアを採用しているため乗り降りしやすく、使い勝手がよいことも特徴です。
※本記事は、2024年2月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。