中古車購入ガイド
更新日:2022.06.03 / 掲載日:2022.06.03
【BMW X3】ディーゼルモデルなら300万円台で探せる魅力のミドルSUV

BMW X5よりもひとまわり小型で、カジュアルなキャラクターを打ち出したSUVがX3。2004年に初代が登場して以降、ミドルクラスSUVとして人気を集めている。さらに小さなX1が登場して以降、ほどよいサイズと実用性が売りとなり、多くのシーンで活躍できるモデルといえる。2011年には2代目、2017年には3代目が発売された。今回は3代目(G01型)の改良遍歴とグレード別の中古車相場をみていこう。
BMW X3(3代目/G01)ってどんなクルマ?

2017年10月発売モデルのデータ(xDrive20i Mスポーツ)

2017年10月に登場した3代目X3。キドニーグリルが大型化され、ボディサイドにはエアブリーザーを採用することで力強くスポーティなスタイルになった。インテリアは、クローム加飾を効果的に採用したほか、リアドアパネルやセンターコンソールなどに「X」や「X3」のエンボス加工を施すことで個性を演出。装備面では、音声認識やタッチスクリーンが搭載されたiDriveナビゲーション、BMWコネクテッドドライブ、安全運転支援機能のドライビングアシストプラスを標準装備している。
パワートレインは、2.0L 直4ガソリンターボ(xDrive20i)、2.0L 直4ディーゼルターボ(xDrive20d)を設定。駆動方式は全車4WDとなる。前後重量配分は、ほかのモデルと同様50:50という理想的なバランスで、フロントにはダブルジョイントスプリングストラット、リアは5リンクサスペンションにより、高い運動性能と悪路走破性能を両立する。また、2020年にはPHEV仕様も設定され、豊富なパワートレインが選べることも大きな魅力となっている。
改良遍歴は?
2018年9月、高性能バージョン「M40d」が設定された。BMW Mパフォーマンスモデルに位置付けられるこのモデルは、M社が手がけたチューニングと高性能なパワーユニットが与えられる。パワートレインは、3.0L 直6ディーゼルターボを搭載し、最高出力326馬力、最大トルク69.3kgmを発揮する。エクステリアも専用デザイン。
2019年6月には、シリーズの頂点に位置する「X3M」と「X3M コンペティション」が登場。前者は480馬力、後者は510馬力を発揮する直6ターボエンジンを搭載している。
2020年3月には、ガソリンエンジンのMパフォーマンスモデル「M40i」が登場。パワートレインは、3.0L 直6ガソリンターボを搭載し、最高出力387馬力、最大トルク51.0kgmを発揮する。また、同年4月にはPHEVの「xDrive30e」が登場。こちらは、2.0L直4エンジンに109馬力のモーターを搭載し、システムトータルで292馬力を発揮。モーターのみで44kmを航続可能となっている。
2020年11月、「M40d」に48Vマイルドハイブリッドテクノロジーを搭載。これは回生エネルギーを利用可能な48Vスタータージェネレーターとバッテリーを搭載し、エネルギーの高効率化を実現。また、最大11馬力の加速力をブーストすることもできる。
2021年10月にはマイナーチェンジを受けた。エクステリアは、前後デザインをリニューアル。キドニーグリルを左右一体構造とし、パワフルなフロントフェイスとなった。また、ドライバー支援システムとして「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」が装備され、一定の条件下ではステアリングから手を離して走行可能となっている。またアクティブクルーズコントロール、衝突回避軽減ブレーキなどが盛り込まれた「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」も標準装備された。
BMW X3(3代目/G01)のグレードと相場

現行型X3は、パワートレイン別に見ると「xDrive20i」、「xDrive20d」、「xDrive30e」に分けられる。また、Mモデルとして「M40d」、「M40i」、「X3M」が用意され、全6モデルを設定。また、Mモデル以外では「Xライン」や「Mスポーツ」も設定され、装備内容が異なっている。ここでは各モデルの中古車相場をみていこう。
「xDrive20i」
184馬力の2.0L 直4ガソリンターボを搭載した「xDrive20i」。「Xライン」は、外観にサテンアルミニウムのパーツを採用するなど、標準のモデルと比べて豪華な内外装となっている。一方「Mスポーツ」では、サイドサポート付きスポーツシート、Mスポーツサスペンションを標準装備。中古車市場においては、ディーゼルと比べて物件数が少なく探しにくいのが難点。中古車平均価格は432万円となっており、300万円台の物件はほとんど流通していない。
「xDrive20d」
190馬力の2.0L 直4ディーゼルターボを搭載した「xDrive20d」。こちらにも「Xライン」や「Mスポーツ」が設定されるが、それぞれの装備内容はガソリン車と共通である。中古車の大半はこのディーゼルモデルとなっており、「Mスポーツ」が「Xライン」の3倍ほど流通している。中古車平均価格は393万円と、ガソリンより安いのも魅力だ。価格の下限は350万円と、比較的手頃な価格で購入できる。
「xDrive30e」
プラグインハイブリッドの「xDrive30e」は、環境意識の高いユーザーにぴったりのモデル。ただし中古車平均価格は640万円と高額で、そのほとんどが2021年式。物件数もまだ少ないため、中古車としての買い時はもうしばらく先になりそうだ。
「M40d」/「M40i」/「X3M」
現行世代は、走りを追求したM系モデルも充実している。中古車平均価格は、「M40d」が621万円、「M40i」が756万円、「X3M」が908万円と、標準のX3と比べて非常に高額。このなかで買いやすいのは「M40d」で、物件数はほかの2モデルと比べて3倍ほど。とはいえ、全体的に物件が少ないため、予算にぴったり合う中古車は探しにくいのが現状。
※上の記述は、2022年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年5月時点のデータ。
まとめ

登場から5年が経過し、物件数が充実している現行型X3。ガソリン、ディーゼル、PHEVと各種パワートレインが設定されるが、中古車でねらうならディーゼルの「xDrive20d」が基本となりそうだ。こちらは300万円台半ばの予算から探すことができ、物件も充実する。新車時価格は600万円台後半から700万円台ということを考慮すると、およそ半額にまで下がった。ミドルクラスSUVを探すなら、X3は候補に入れたい1台といえよう。