中古車購入ガイド
更新日:2022.03.16 / 掲載日:2022.02.10
中古車台数不足、決算期でも焦らず選びたい! “急がず買い”のススメ

3月といえば中古車購入を検討している人たちが焦り出す時期だが、そんなときだからこそ、急がず、焦らず、落ち着いて、購入を進めるべきだ。高過ぎる物件を掴まない、コンディションを見極められるなど、“急がず買い”にはメリットがいっぱい。決算期の基本的知識とともに、マイペース中古車購入を実現するための方法論を紹介していこう。
購入計画はあえて急がず腰を据えて考えるが得策
年度末の決算期にあたる3月が、1年を通してもねらい目の時期であるという定説に変わりはない。ただし、今どきは半導体をはじめとした部品の供給不足によって新車の生産が滞った影響を受け、中古車市場に流通するクルマが減少。いまだ品薄の状況が続いているうえに、新型コロナで停滞していた経済活動の再開によって海外からの中古車需要も高まっている。
そもそも中古車の相場は、需要と供給のバランスで成り立っている。特に2月から3月は、積極的に中古車を購入するために動く人が増えるが、市場にクルマが少ないとなれば、需要と供給のバランスは例年以上に大きく崩れる可能性があり、取引価格がいつも以上に上昇するのは自明といえる。
ただし、欲しいクルマが明確に決まっているなら急ぎたいところだが、ねらいが漠然としていたり、決算期が買い得だから乗っかろう……などと考えている人がいるなら、急がず、じっくりと構えて購入プランを立てることをオススメしたい。
たとえば、需要期とそれ以外の時期で中古車の市場がどのように変化するのか。その要因にはどういった事象が影響するのか。中古車を取り巻く情報を収集し、知識として身につけておけば、中古車をさらにお得に、かつ効率的に手に入れる可能性が高まるのだ。
中古車価格の推移について考える 〜需要期、決算期とは?〜
相場が変動するメカニズムを知れば、中古車の適正な価格が見えてくる!
基本的に中古車相場は、クルマを買いたいと考える人がどれだけいるかという、ユーザーの購入意欲によって変動が繰り返されている。1年を通して見ると1月から需要のピークを迎える3月に向かって上昇傾向が強まっていくのが通例だ。購入者が増えるので販売店は在庫車の充実を図るから、条件に合った車種を見つけやすくなるが、需要過多になるので通常時期よりも競争は激しい。
決算期をねらったユーザーがひととおり購入を終えた4月から5月以降なら、市場全体の流通台数こそ減少するものの、購入希望者も少なくなっているので需要期に比べると相場は下がる傾向にある。これが“急がず買い”の根拠でもある。また、SUVは冬前や、レジャーシーズン前に相場が上昇することがあるなど、クルマのタイプや用途によって季節柄が相場に影響するというのも覚えておきたい。

1-3月
1月、2月に大きな動きはないが、3月になると新車はもちろん中古車販売も決算期の影響を受けて、自動車販売が一気に活性化する。相場が需給バランスの影響で変動することを鑑みると供給量が増える3月は相場が下がりそうなものだが、クルマを買う人が多いため相場は全体的に安定基調で、人気車種では上昇傾向が強まる。

4-6月
市場は需要期に仕入れた在庫が余って供給過多となっており、なおかつゴールデンウィークが重なりユーザーの購入意欲が下がっている。そのため4月から5月にかけて相場は一気に平準化する。中古車をお得に購入するには適した時期といえるのだが、希望に適した物件を見つけるには少々時間を要する場合があるので要注意だ。

7-9月
ボーナス商戦の影響で7月上旬は一時的に動きがあるものの、8月はユーザーの意識が夏季休暇のレジャーへ向き、販売店も休暇をとるケースが多いため販売動向は鈍る。他の人が積極的に買わない時期なので、クルマをじっくり選ぶには最適だ。9月は中間決算の時期にあたり、需要が見込めるため相場は上昇する傾向にある。

10-12月
10月と11月は年末に向けた需要低下を反映するかのように、相場は下落基調となる。12月に冬のボーナスがあったとしてもユーザーの消費行動は年末年始の休暇に向けたものとなるため、この時期にクルマを買う人は少ない。中古車の流通台数は少ないが、クルマを安く手に入れたいなら最もねらい目の時期と言っていい。
“急がず買い”がオススメな理由 1「時間をかけて新知識を得られる!」
知識を増やしたうえで愛車選びに臨みたい
まず最初に伝えたいのは、“急がず買い”では、新しい知識を得られるのが一番のメリットだということだ。
新車、中古車を問わず、クルマを買うにはまず車種を決定しなくてはならない。しかしこの段階で、思いつきや値段だけで決めてしまうと、後悔することもある。というのも、多くのクルマに競合車が存在しているからだ。
同様に1車種をとってみても、現行型か先代型かなど、どの型を選ぶのかという選択肢があり、同じ型のなかでも年式によってグレードや装備が異なってくる。
このあたりをさらっと形式だけの情報だけでも得ておけば、より自分の好みに沿った選択ができるというもの。時間は誰にとっても貴重なものだ。しかし、後悔先に立たずである。より賢く、メリットのある愛車を手に入れるために、時間を作って情報を仕入れようではないか。

まずは欲しいジャンルにどんな車種があるのかを知る!
自分にぴったりのモデルを機能やデザインで選ぶ
この春までに愛車を手に入れようとしているアナタがまず最初に知っておくべきこと、それはクルマにはさまざまな車種があるということだ。ミニバンが欲しい、では知名度の高いセレナを「買おう!」と考えて、いきなりセレナを探し始めるのではなく、同クラスのミニバンにいったいどんな車種があるのかを知るべきである。ノア/ヴォクシーもステップワゴンも、はたまたデリカD:5もある。そしてそれぞれの車種がそれぞれの特徴を持っている。
すでに希望のジャンルが絞れているようなら、そのジャンルならではの機能をカーライフのなかでどう活かしたいか、一番活用できるモデルはどれかを考えてみたい。人をたくさん乗せたい、荷物を積んで出かけたい、走りを楽しみたいという目的の人だっているだろう。もちろん、ある程度希望や目的を満たす車種が複数台あるようなら、好みのデザインで選ぶのは当然だ。


ジャンルごとの特性
・軽自動車
世界最小クラスのボディに広い室内空間、高い燃費性能を特徴とする。日本特有のジャンルであるが、スタイリングの自由度は高い。
・コンパクトカー
00年代頃からブームになり一時代を築いたことで、今も車種数が多いジャンル。日本車は比較的小さく機能性の高いモデルが多い。
・ミニバン
多人数乗車をウリとするジャンル。基本的には箱型だが、フロントデザインには差異がある。ボディサイズの大小でも分けられる。
・セダン
かつての日本におけるスタンダードなボディタイプで、4〜5人乗車、リアにトランクというのが基本。近年、車種数は減っている。
・スポーツカー
クーペやオープンカーなどの種類はあるが、ベースは2人乗り。国産車に限ると車種数はかなり絞られ、古いモデルは高くなりがち。
・ワゴン
ボディの後方に大きな荷室を備えたボディタイプ。昨今、新車においては絶滅の危機に瀕しているが、中古車ならそれなりに選べる。
・SUV
車高が高く機能的。オフロード、オンロードそれぞれ得意な車種がある。車種数も激増していて、サイズ・デザインなど選び放題だ。
巷のハナシ
急がず買いを実行したリアルな人たちの声を聞いた。
購入車検討中の各段階で実際に悩んだ人たちはどう選んだのか。

自分の生活スタイルに合わせた選択
若い頃はスポーツカーに乗っていたんだけど、自分も少し落ち着いたので、ゴージャス系やVIP系のクルマに乗りたいなと。具体的にはアルファードかセルシオ、またはクラウンとかです。それぞれにエアロを付けて車高を落としてとか、いろいろシミュレーションしてみたんですが、どれもカッコいいんですよね。
ただ、よく考えたら自分独身だし、多人数乗車の必要なくね? って思って、アルファードは却下に。んで、セダンのどっちかってなって、最後はなんとなく走りがよさそうなクラウンのほうが自分に合ってると思って決めました。(橋下和年・35歳)

家族のことを考慮しつつ最後はデザインで決断
結婚してマイホームを購入しました。次にクルマを買うことになりましたが、家のローンがあったので予算をできるだけ抑えたいと考えました。さらに、普段は奥さんが通勤用に運転するため、車体が小さめのクルマを選びたい。家族会議をした結果、軽自動車かコンパクトカーということになりました。
次に、自分の住んでいる地域が北関東なんですが、近所に軽自動車に乗っている家が多かったんです。なので、つまらない見栄かもしれませんが(笑)、コンパクトカーにしようということを決め、昔からデザインが好きだったキューブを選びました。(三沢健一・28歳)
次に欲しい車種のモデルチェンジ時期を知る!
機能性と価格に大きく関与する
欲しい車種が決まったら、次にどの型を買うか決断したい。もちろん1代しかなかったような車種であればこの段階は省けるし、ジャンルのなかから絞り込んだときにある程度どの型か決まっている人も多いかもしれない。
ただ、どの型を選ぶかというのは中古車にとって意外と重要だ。同じ車種だから多少デザインが似ていたとしても、時代とともにメカニズムは進化するために、中身はまったく違ったクルマになることがある。
もうひとつ重要なのが価格だ。たいていの場合、新しい型のほうが相場は高いはずだが、その差というのは人気度で変わってくる。たとえば旧型が人気で新型が不人気だった場合、その差は小さくなる。これらを踏まえて型を選択したい。
型式が変わると相場はもちろん人気も違ってくる!


2011年から2016年まで販売された先代型CR-Vと2018年に発売された現行型CR-V。間に2年のブランクがあることに加え、現行型はそれなりに人気で流通台数も大きく異なる。
巷のハナシ

憧れのカタチにより近い先代型をチョイスした
オープンカーのロードスターを買うのは夢でした。それも初代ユーノスロードスターです。しかし現在あれを買うとなると、年式があまりにも古いので、ちょっと不安がつきまといます。最近のモデルということで現行型と先代型で悩みましたが、初代のような砲弾型フォルムの先代型を選ぶことにしました。今はまったく後悔していません。(今田三郎・38歳)
そして欲しい型の年式ごとのマイチェン情報を知る!
魅力もマイナス面も知っておく
車種が決まり、型も決まったら、次に知っておきたいのは、同車の同型にいつマイナーチェンジや一部改良が行われたかである。同型なのだから、モデルライフ中の変更などでそれほど魅力は変わらないと思うかもしれないが、マイナーチェンジで外観デザインや搭載エンジンなどを変えているようなら、その変化は人によっては大きいといえるに違いない。車種によっては大きく意匠を変えることもあったし、エンジンが変わると走りが変わるからだ。
さらに、型式によっては重大なリコールが起きたりすることもある。リコール前の年式ならその後で修理がなされているかなど、装備などの魅力アップする情報に加えて、そういったマイナス面の情報を集めることも大切であろう。



上級志向でひとランク上のクルマらしい高級感を手に入れた現行型のプリウス。しかしマイナーチェンジでは、より“燃費のよさそうな”デザインを採用している。機能面でも充実させた。
巷のハナシ

堂々とした先々代型のマイチェン後モデルを選択
最初はスバル車のセダンが欲しかったのですが、レガシィB4の物件をいくつも見ていくうちに、次第にSUVのアウトバックがいいなと思ったんです。そこで選んだのが、堂々としたスタイルの先々代型アウトバック。いろいろ調べていくうちに、2010年5月以降であればアイサイトがVer.2になることを知り、そちらを選びました。(三島修輔・41歳)
流通台数が多い車種のなかから
ねらいの物件を絞り出すコツ
型式と年式がある程度絞れたところで、欲しい車種が流通台数の多い車種だった場合、いかにしてねらいの物件を絞り出すべきか。
まずは価格を考慮したい。最初に予算を設定して、その予算内の物件を選ぶべきだ。予算オーバーで購入すると、後でパンクして、すぐ手放すことになってしまいかねない。また、駆動方式やトランスミッションなど、“購入後に変更できない”部分も先に決めて絞っておきたい。
それから、車両コンディションを選ぶことになる。走行距離は何万㎞くらいまでか、修復歴は許せるか、車検残はどれくらいか……。ここで改めて、価格との比較作業になる。
売約済みの可能性も考慮して、予算内で最良の物件と、他の気になる物件もいくつかチェックしておこう。

“急がず買い”がオススメな理由 2「相場の動きを見極められる!!」
需要期に相場はどう動くのか?
中古車購入に時間をかけるのであれば、絶対に知っておきたいのが相場のこと。そもそもの市場原理というのは、需要が多ければ価格は高くなり、供給が多くなれば価格は低くなる。しかし中古車においては、これらに時期という要素が絡んでくる。
2月から3月というのは、いわゆる企業で言うところの「決算期」。ここで数字を出そうとする営業は、売るために値引きをする、あるいは同等のサービスをしてくれる可能性もある。特にディーラー系の販売店においてその傾向は見られがちだ。
「決算期」ということで言えば、販売が活性化される。つまり販売店が在庫の増強を図り、下取りや買取に出される車両も増加するので、一概に相場が上がるとも言い切れない。また、流通台数が増えるため、自分のニーズにぴったりの物件を探しやすくなるし、普段は見つからなかったレア車が見つかることもある。

じつは人気のSUVの相場が下がり始めている?
決算期にニーズが増えて相場が上がりがちなジャンルといえば、軽自動車やコンパクトカーが挙げられる。4月からの新生活でクルマが必要となるために購入するという人が多く、新生活にはなにかと資金がかかるためコストを抑えたいとか、初めてのクルマなので小さいクルマを選びたいといった意図がみてとれる。では、相場が下がりそうなクルマは何か。じつは昨年くらいから一部のSUVの相場が下がり気味になっている。というのもSUVは新車での人気が高く、ここ数年で次々に新型が発表されているため。つまり相場が下がり始めているのは、先代型となったSUVの各モデルである。一度、比較検討してみるのも悪くないだろう。
2022年、相場のホットワード

[三菱]アウトランダーPHEV(先代型)
プラグインハイブリッドSUVの先駆として、2013年から販売されるロングセラーモデル。200万円以下の物件も増えてきた。
中古車中心相場 140万〜340万円

[ホンダ]ヴェゼル(先代型)
フィットベースのコンパクトSUVとして2013年に登場。優れた燃費性能と扱いやすいボディサイズでヒットモデルとなった。
中古車中心相場 110万〜230万円
中古車を知るにはまず新車から… 新車市場の影響を考える!

カーライフジャーナリスト 渡辺陽一郎さん
1961年生まれ。自動車専門誌の編集長などを経て、フリーのジャーナリストに。「読者に損をさせない」を重要なテーマに掲げて執筆を続けているベテラン自動車評論家。
発売と売れ行きとの間に相関関係が成立しなくなった
2021年は新型コロナウイルスに悩まされ、国内販売総数は445万台だった。2019年と比べると14%減っている。新車の納期は、通常は1〜2ヶ月だが、2021年は部品の供給不足などによって3〜4ヶ月に延びた。半年以上という車種もめずらしくない。そうなると新車の購入を諦めるユーザーも生じるので、すべてが悪い方向に進む。2022年は好転してほしいが、依然として予断を許さない状況だ。
それでも2021年には、魅力的な新型車が発売された。特に注目を集めたのは日産ノートだ。2020年12月に発売され、2021年に入ると順調に売れ始めた。日産の2021年における月別販売台数の対前年比を見ると、3月、4月、5月と増えている。部品の供給が変動した影響もあるが、ノートの売れ行きによるところも大きい。
トヨタでは、4月から5月に対前年比が伸びた。この時期はヤリス(ヤリスクロスを含む)が好調に登録され、対前年比をプラスに導いた。しかしその後は部品の供給不足に悩まされ、ヤリスクロスやハリアーの納期は半年に達する。そのために2021年の販売総数は横ばいになった。
以上のように販売面では苦戦を強いられたが、新型車の投入状況を見ると、2020年からヤリス、フィット、ソリオ、ノート、アクアとコンパクトカーの刷新が相次ぐ。そうなると従来型からの乗り換えも活発になり、中古車市場ではコンパクトカーの流通台数が増える。コンパクトカーは中古車の選択肢が増えて価格も割安になり、従来以上に求めやすくなるわけだ。
またコンパクトSUVの新型車も、ヤリスクロスに続き、カローラクロスやヴェゼルが登場した。コンパクトSUVの中古車もねらい目になる。
さらに2022年に入ると、1月13日に発売された新型ヴォクシー&ノアが好調に売れており、次期ステップワゴンも4〜5月には納車を伴った発売を行う。さらに秋にはセレナも登場するので、2022年の後半から2023年にかけてはミニバンの中古車も買い時になるだろう。
冒頭で述べた通り、今は新車の納期が不安定だ。それならば、新車の登場によって買い得感を強めた中古車をターゲットにするのが、今の時代に合った得する買い方といえるだろう。


モータージャーナリスト 岡本幸一郎さん
1968年生まれ。自動車メディアでの下積み生活を経た後、若くして自動車評論家としてデビュー。新車のインプレッションからカスタマイズまで、その知識は多岐にわたる。
半導体不足が販売の現場に与えた影響は大きかった
20年から21年の年央にかけて、前年比で100%超を達成していたトヨタも、秋には大きな落ち込みを見せた。ただしそれは20年の秋がかなり好調だったためで、実質的にはそれほど状況は悪くない。車種では、ヤリスやルーミー、ライズなど低価格車だけでなく、アルファードやハリアーなど高額な車種も相当売れた。これら人気車種は、中古車市場でも割高な相場を維持するに違いない。
フィットの伸び悩みが気になるホンダだが、N-BOXとヴェゼルは好調だ。ただし、年初にホンダから「今後の生産に影響のある車種」として両車の名前も聞いているので、供給不足、ひいては中古車の流通台数にも影響する可能性は考えられる。
スズキはスペーシアやハスラーが数字をけん引し、されにスマイルの登場もあって年終盤はワゴンRも伸びたが、全体としては状況は芳しくない。ダイハツも、タントとムーヴが安定した実力を発揮した半面、年後半に50%を連続して下まわるなど厳しい状況だった。
日産は変動が大きく、突出して数字がよかった月は20年が悪かったという状況。関係者によれば「半導体不足の影響がかなり大きく、納期に時間を要する状況が続いている」という。
マツダは変動が小さいほうだが、売れ筋モデルのない21年はしんどかった。通年で最も売れたのがマツダ2で、もっと売れるべきマツダ3やCX-30が伸び悩みを見せた。ただし、年終盤のCX-30やCX-5の改良という好材料があるので、22年は状況が好転しそうだ。
スバルはレヴォーグやインプレッサに加えて、改良を実施したフォレスターがいきなり売れたものの、その後はやや低調気味。三菱はデリカD:5が根強い人気を誇る以外の状況がよろしくなかった。エクリプスクロスも軽自動車も伸び悩んでいる。
半導体不足によって新車の供給が滞ると、巡り巡って中古車価格も高騰する。しかしこの状態が今後も続くとなると、残価設定ローンで残価を高く設定できるようになり、ローン支払額が低くなることも期待できる。


“急がず買い”がオススメな理由 3「物件をじっくり確認できる!!」
中古車物件の絶対見ておくべきポイントとは?


車両の状態だけでなく記録簿なども要チェック
〝急がず買い〟を実践すると、需要期に比べて車種選択に十分な時間を費やすことができる。そのうえ、販売店に顔を見せることで、店員からの印象もよくなり、こちらの希望に対して柔軟に対応してくれるなど、ほかの客以上に親身になってくれるなど、良質な物件を手に入れる可能性が高められる。
需要期なら物件のチェックはポイントを絞って行うことになる。即断即決をしたいところだが、焦らないようにしながら、物件のチェックは内外装の状態や装備の内容、走行に影響する部位などを細かく、納得いくまで確認したい。中古車の場合は多少の妥協点というのはつきものだが、それを少しでも減らせば後悔のない買い物ができる。
また、車両そのものの状態だけでなく、点検記録簿の有無や記載内容も確認しておきたい。記録簿に記載されている整備頻度や消耗品の交換サイクルを見れば物件の状態がより詳細に判断できるので、物件に対する安心が高まるはずだ。
さらに年式や走行距離といった情報を踏まえ、ねらっている物件が相場よりリーズナブルなのか、あるいは高めなのかなど、価格が適正か否かを判断して選ぶことも、時間的な余裕があるからこそ可能となる。
2022年、物件確認時のホットワード
どうする? コロナ対策をしながら車両チェック

感染防止の観点からも事前準備は重要となる
自動車販売に関連する団体や事業者は、新型コロナウイルス感染予防対策として実施すべき基本事項について整理したガイドラインに則って営業を行っている。ほとんどの店舗においては、密閉・密集・密接といういわゆる〝3密〟の防止や、飛沫感染、接触感染の防止など、感染発生リスクの高い状況を回避するための配慮を行うとともに、適切な対策を講じている。
1月現在、コロナウイルスはオミクロン株などの変異株の拡大も踏まえ、いまだ予断を許さない状況にある。やはり販売店訪問時にはできる限り最少人数で来店し、車両の状態をチェックする際には、正しいマスクの着用、石けんと流水による手洗い、手指の消毒の徹底といった基本的なことを確実に実践すべきで、これは自然と“急がず買い”をすることにもつながる。
そのうえで、販売店を訪れる際は、可能な限り事前に予約することを推奨したい。今どきはグーネットをはじめとしたウェブを介して物件を探すことができるうえに、車両の大まかな情報についてメールで問い合わせすることもできる。もともと効率的なクルマ探しを行うためのサービスは、コロナ禍においても有効なので活用したい。
また、店舗によっては、オンライン商談などの販売方法を取り入れていることもある。オンライン商談は、コロナ対策としてだけでなく、商談スピードの速さや店舗とユーザー双方のスケジュールや段取りが構築しやすいなど、感染予防以外にも大きなメリットがある。

リモート買いもあり?
自宅にいながら販売店とコミュニケーションが取れるので、非接触・非対面で安心なうえ、購入までの時間短縮にもつながる。グーネットでは対象車種が増加中だ。
試乗は必ずしもできるものではない?


クルマには走らせてこそ、わかる事柄が豊富にある
クルマは動く物だから、走らせてみないとわからないことがいろいろとある。しかも中古車の場合、車両によって状態が異なるので、新車以上に試乗が重要な決め手になるから試乗はできるだけ行っておきたい。
ただしここでも“急がず買い”の精神で、試乗ができないことも考慮に入れておきたい。たとえば、車検切れや車検がある在庫車でも任意保険が未加入であるとか、整備が行き届いていないといったケースがある。いずれの場合も、万が一トラブルが生じた場合はユーザーの負担になるので注意が必要だ。
試乗ができる場合も、焦らないことを信条とし、まずはエンジンがスムーズに始動することを確認。走り出したらエンジン回転の上昇やトランスミッションのつながりに違和感がないことや、乗り心地やハンドリングなどをチェックしよう。さらに重要なのは、ブレーキの利き具合。踏力に対して想定どおり止まれるかをしっかりと確認しておきたい。また、今どきは電子部品も数多く採用されているので、それらの使い方についても把握しておくといい。
そもそも販売店が試乗に対応してくれる店であるか、希望する物件が試乗できる状態であるかなどを事前に確認しておくことが正しい作法だ。
[総括]決算期3月までのスケジュールの目安
慎重にターゲットを決め焦らず挑むのが最適解
自動車販売全体が活気づく時期がやってきた。その波に乗って、得できるか否かは購入に向けた準備がカギを握っている。
とはいえ中古車市場に流通しているクルマのなかから、1台に絞り込むというのは決して容易なことではない。クルマ購入における最需要期とはいえ、ひとまず落ち着いて、焦らず慎重にターゲットを見極めるというのが、クルマ購入における賢い方法といえる。
まずは希望する車種やその競合車、格上モデルの値動きを、グーネットをはじめとしたメディアを活用して、日頃から相場の推移に気を配っておきたい。購入するエリアによって人気が集中するクルマは異なり、それに伴って相場の動きには違いがある。漠然と全国平均を見るだけでなく、自分が購入するエリアに絞ってチェックすることで適正価格が判断できるようになる。またエリアを絞ることで、どこの販売店に自分が欲しいクルマが在庫されているかといった情報を把握できるから購入先の目処も付けやすい。
クルマの用途や購入予算などを加味したうえで、どんなクルマをどこでいつ頃買うかを想定しておけば、市場動向に惑わされることなく落ち着いて愛車選びができるのだ。

