中古車購入ガイド
更新日:2021.12.23 / 掲載日:2021.12.23
日産 エクストレイル(3代目/T32)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

海や山など、アウトドアユースに最適なクルマとして2000年に登場した日産エクストレイル。オールモード4×4による力強い走りとタフギアとして使い倒せる実用性が高く評価され、デビューからまもなくSUVの人気株となった。その後、燃料電池車として改良したコンセプトモデルや、2代目にクリーンディーゼル車をいち早く追加するなど、先進技術を惜しみなく投入されたモデルでもある。今回は2013年に登場した3代目(T32)の改良遍歴とグレード別装備内容を紹介したい。
日産 エクストレイル(3代目/T32)ってどんなクルマ?
2017年6月発売モデルのデータ(20X ハイブリッド)

新車時価格帯(2017年6月)
2013年12月、日産 エクストレイルがフルモデルチェンジを受けた。新型の特徴は、なんと言っても走行性能の強化である。従来の「オールモード 4×4-i」を継承しながら、世界初の「アクティブライドコントロール」、「アクティブエンジンブレーキ」、「コーナリングスタビリティアシスト」などの先進技術を全車に採用し、乗り心地や運転のしやすさを高めた。また、「エマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「LDW(車線逸脱警報)」、「進入禁止標識検知」などの各種機能をパッケージにした「エマージェンシーブレーキパッケージ」装着車も設定している。
発売当時のパワートレインは、2.0L 直噴式4気筒+新型エクストロニックCVT。駆動方式は2WDと4WDを設定する。アイドリングストップや軽量ボディなどにより、当時としてはクラストップレベルの16.4km/L(JC08モード)という低燃費を実現した。また、使い勝手も進化。先代でも定評だった防水フロアシートを継承しつつ、荷物のサイズや種類に合わせて自由自在に空間を仕切れる防水フレキシブルラゲッジを採用。加えて室内のポケットやカップホルダーなどの収納スペースも増やされた。インテリジェントキーを持っていれば、手などをセンサーにかざすだけでバックドアが開く「ハンズフリー機能付きリモコンオートバックドア」をオプション装備。なお、今回より7人乗り3列シート車も設定し、幅広いニーズに応えている。
改良遍歴は?
2015年4月、2.0Lのハイブリッドモデルを追加。これは日産独自の1モーター2クラッチ、パラレル方式のハイブリッドシステムを採用し、JC08モード燃費20.6km/Lという低燃費を実現したモデルである。エクステリアは、フロントドアとバックドアに専用エンブレムが与えられ、見た目でわかるようになっている。さらに同年12月には一部改良が行われ、全車に「エマージェンシーブレーキ」、「LDW(車線逸脱警報)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」を標準装備。
2017年6月、マイナーチェンジを受けた。エクステリアは、Vモーショングリルを拡大し、グリルからエンジンフードへとキャラクターラインを連続させることでタフな印象を強調。またハイ/ロービームともにプロジェクターを採用し、精悍なフロントデザインとなった。インテリアは、インパネやステアリングのデザインを一新。そして今回の改良の大きなトピックとなるのが、先進の運転支援システム「プロパイロット」の導入である。これは高速道路において、アクセル、ブレーキ、ステアリングを全て自動的に制御して走行する機能。そのほか、ハンズフリーでバックドアを開閉できる「リモコンオートバックドア」を採用するなど、利便性もさらに高められた。
2019年1月の一部改良では、「ハイビームアシスト」、「日産オリジナルナビ取付パッケージ」を全車標準装備。また、すでに標準装備となっている「踏み間違い衝突防止アシスト」に、前進時歩行者検知機能を追加。また「20X」にはLEDヘッドライトを標準装備としている。
2020年1月の一部改良では、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」にミリ波レーダーを採用することで、夜間時での性能が向上するとともに、プロパイロットの性能も高められている。また「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」を新たに全車標準装備とした。同年10月の改良では、フロントグリルやバンパー下部をダーククローム仕上げとし、アルミホイールを全車ダークカラーに変更。インテリアは、運転席と助手席にパワーシートを標準装備(一部グレードを除く)。さらに、マニュアルモード付きCVTを全車標準装備とするなど、内外装や走りにも手が加えられた。
日産 エクストレイル(3代目/T32)の主要グレード

基本グレードは、「20S」、「20X」、「20Xi」が用意される。パワートレインは2.0Lのガソリンとハイブリッドから選択可能で、駆動方式(FWD/4WD)や乗車定員(5名/7名)の違いも用意されるため、バリエーションはかなり多い。また、オーテックが手がけた「モードプレミア」や「エクストリーマーX」など、特別仕立てのモデルも選べる。今回は代表的なグレードの装備内容を紹介したい。
エントリーグレード「20S」/「20Sハイブリッド」
踏み間違い防止アシスト、フロント&バックソナー、LDWなどの安全装備は標準採用されるが、プロパイロットはオプションでも装着不可。インテリアは、ガソリン車がマニュアルエアコンとなるが、ハイブリッドはオートエアコンが標準装備となる。一方、ガソリン車のみ防水フレキシブルラゲッジ、防水ラゲッジが装備される。
量販グレード「20X」/「20Xハイブリッド」
インテリアは、本革巻ステアリング&シフトノブ、オートエアコン、セカンド可倒式シートを標準装備。また、ガソリン車では3列シートを選択できることも大きな特徴である。なお、プロパイロットはオプション装着が可能。装備面では、リモコンオートバックドアが与えられる。
上級グレード「20Xi」/「20Xiハイブリッド」
エクステリアは、LEDヘッドランプ、ハイビームアシスト、フォグランプを採用するのが「20Xi」シリーズの特徴。プロパイロットをはじめ、インテリジェントLI、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、インテリジェントDA(ふらつき警報)などの先進安全装備も充実する。室内の仕立ては「20X」シリーズとほぼ同等。
※上の記述は、2018年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ

ミドルクラスSUVとして高い人気を誇るエクストレイル。3代目ではさらに上質さが増し、プロパイロットなどの運転支援システムも充実していった。先代はクリーンディーゼルだったが、3代目はハイブリッドを設定することで環境にも配慮する。パワートレインは2種類で、グレードは装備内容の違いによるもの。中古車として探すなら、オートエアコンなどの快適装備が揃う「20X」以上のグレードがオススメだ。また、より個性を強調するなら各種特別仕様車を探す選択もあるだろう。