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更新日:2021.11.15 / 掲載日:2021.09.22
メルセデス・ベンツ CLA(初代/C117)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

セダンの実用性とクーペのデザイン性を両立するのが、4ドアクーペという新ジャンル。メルセデス初の4ドアクーペとなったのが、2005年に登場したCLSクラス。それに続く4ドアクーペの第2弾が、2013年にデビューしたCLAである。CLSよりもふた回りほど小柄だが、エレガントな佇まいは格上のクーペにも劣らぬ魅力を放つ。今回は、初代CLA(C117)の改良遍歴と装備内容を紹介したい。
メルセデス・ベンツ CLA(初代/C117)ってどんなクルマ?
2013年7月発売モデルのデータ(CLA 250 4MATIC) 新車時価格帯(2013年7月 AMGを除く)
2013年7月、コンパクトな4ドアクーペ 「CLAクラス」が発売された。その名称からも推測できるように、ひと足早く登場した3代目Aクラスのシャシーをベースに4ドア化したもの。ホイールベースはAクラスと同じく2700mmだが、全長は4685mm(CLA 250 4MATIC)とAクラスよりも大きい。エクステリアは、ボンネットからリアエンドまで滑らかな曲線を描いたスタイルが見どころだ。それでいながら、4ドアにより後席へのアクセス性が優れているのも美点である。インテリアは、全席にヘッドレスト一体型スポーツシート、チューブデザインのメーターパネル、SLS AMGの流れを汲むエアアウトレットを採用するなど、全体的にスポーティな仕立てとなっている。
パワートレインもAクラスと共通項が多い。デビュー当初は、122馬力の1.6L 直4ターボ(CLA 180)、211馬力の2.0L 直4ターボ(CLA 250 4MATIC)、360馬力の2.0L 直4ターボ(CLA 45 4MATIC)を設定する。いずれもアイドリングストップ機能を備え、7速デュアルクラッチ式トランスミッション(7G DCT)を組み合わせる。安全面では、レーダー型衝突警告システム「CPA」、ドライバーの疲労を検知して警告する「アテンションアシスト」を全車標準装備する。
改良遍歴は?
2015年6月、CLAの新たなバリエーションとしてシューティングブレークが追加された。ルーフラインをリアエンドまで伸ばすことで、スタイリッシュな造形を維持しつつ、ステーションワゴンに匹敵する室内空間とラゲッジルームを確保。特に後席のヘッドクリアランスは4ドアクーペ のCLAから42mm拡大され、快適性をアップ。また、AMGが手がけたスポーティモデル「CLA 250 シュポルト 4MATIC シューティングブレーク」が導入されたこともトピックである。
2015年11月の一部改良では、「CLA 250 シュポルト 4MATIC シューティングブレーク」の最高出力が218馬力に高められたほか、電子制御式油圧アダプティブダンピングシステムを搭載。
2016年8月、シリーズ全体がマイナーチェンジを受けた。エクステリアは、ダイヤモンドラジエターグリル、LEDハイパフォーマンスヘッドライトを装備。リアまわりは、エグゾーストエンドと一体化した新設計のバンパーデザインや、リニューアルされたLEDコンビネーションランプにより、エレガントな佇まいとなった。インテリアは、8インチに大型化されたワイドディスプレイを全車標準装備。インストルメントクラスターは、新デザインの文字盤や指針により視認性をアップ。そのほか、パッケージオプションのAMGアドバンスドパッケージを選択すれば、AMGフロントアクスル ディファレンシャルロック、AMGパフォーマンスエグゾーストシステムが与えられ、さらにスポーティなドライビングを楽しむこともできる。
2017年7月、一部改良を実施。この際、2.0L 直4ターボの「CLA 220 4MATIC」が追加された。また、「CLA 250 シュポルト 4MATIC」にパノラミックスライディングルーフを標準装備したほか、ドアミラーカバー、リアバンパーなどがブラック塗装に変更されている。
メルセデス・ベンツ CLA(初代/C117)の主要グレード

グレード構成は、「CLA 180」、「CLA 180 AMGライン(CLA 180 スポーツ)」、「CLA 250」、「CLA 250 4MATIC」、「CLA 220 4MATIC」、「CLA 250 シュポルト 4MATIC」、「CLA 220 4MATIC」で構成される(AMG系を除く)。ここでは各グレードの装備内容を紹介したい。
エントリーグレード「CLA 180」
CLAシリーズのエントリーグレードとなる「CLA 180」。122馬力/20.4kgmを発揮する1.6L 直4ターボ+7速DCTを搭載する。駆動方式はFFのみ。CPA(衝突警告システム)が標準装備となるが、緊急ブレーキ機能が付くCPAプラスはオプション設定。インテリアは、レザーツインシート、クローム付き本革巻きステアリングを採用する。
スポーティな内外装の「CLA 180 AMGライン」/「CLA 180 スポーツ」
パワートレインは「CLA 180」と同じだが、スポーティな内外装が与えられる上級モデルが「CLA 180 AMGライン」。2016年8月のマイナーチェンジでは、「CLA 180 スポーツ」が同等のスポーティ仕様としてラインアップされている。エクステリアは、AMGデザインのエクステリア、専用ロゴ入りブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク、18インチのAMGホイール、プライバシーガラスを標準装備。インテリアは、レザーDINAMICAシート、メモリー付きフルパワーシート、AMGスポーツステアリング、レッドステッチ入りダッシュボードを採用する。
2.0LターボのFFモデル「CLA 250」
211馬力/35.7kgmを発揮する2.0L 直4ターボ+7速DCTを搭載する「CLA 250」。AMGデザインのエクステリア、専用ロゴ入りブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク、レザーDNIAMICAシート、レッドステッチ入りダッシュボードなど、装備内容は「CLA 180 AMGライン」とほぼ同等。これに加え、LEDポジショニングライト、LEDウインカーも標準装備される。
2.0Lターボの4WDモデル「CLA 250 4MATIC」
「CLA 250」と同じエンジンを搭載するが、4WDシステムにより高速安定性を高めたのが「CLA 250 4MATIC」。装備内容はFFモデルとほぼ同じだが、ホイールが2トーンとなるのが4WDの特徴。
専用チューニングの足まわりを持つ「CLA 250 シュポルト 4MATIC」
パワートレインは「CLA 250 4MATIC」と共通だが、走りに関する専用装備が与えられたのが「シュポルト」と呼ばれるスポーツモデル。AMGを除けば、このモデルがトップグレードとなる。アダプティブダンピングシステム、レッドブレーキキャリパー、専用チューニングのトランスミッション、ESP、電動パワーステアリング、エンジンサウンドを採用。エクステリアにはリアルーフリップスポイラーが装着されるのもトピック。
パワーを抑えた2.0Lターボ「CLA 220 4MATIC」
2017年に追加された新グレード。2.0L 直4ターボ+4WDを搭載するが、184馬力/30.6kgmとパワー&トルクはやや控えめ。装備内容は「CLA 180 AMGスタイル」とほぼ同等だが、こちらにはスポーツステアリング、クライメートコントロールが標準装備される。
まとめ

CLAは、Aクラスよりもパーソナルカーとしての性格が強いモデルゆえ、こだわりを持ったグレード選びをしたくなる。スポーティな内外装なら「AMGライン」や「スポーツ」のネーミングが付くグレード、ホットハッチのような走りの楽しさを追求するなら「シュポルト」がオススメだ。エンジンは全3タイプ(AMGを含めると4タイプ)あるので、ライフスタイルに合わせたクルマ選びができるだろう。