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更新日:2021.10.21 / 掲載日:2021.08.18
メルセデス・ベンツ GLC(初代/253系)の中古車選びで知っておきたい特徴とグレード構成

CクラスをベースとしたミドルクラスSUVが「GLC」。SUVブームが加速する2016年に登場して以来、順調に販売台数を重ねている人気モデルである。このクラスはライバルが多い激戦区だが、Cクラスの流れを汲む流麗なフォルムと豊富なパワートレインがGLCの強みでもある。今回は、GLCの改良遍歴とグレード別装備内容を紹介する。
メルセデス・ベンツ GLC(初代/253系)ってどんなクルマ?


2016年2月、メルセデスのミドルクラスSUV、GLCが発売された。このセグメントには従来GLKクラスが存在していたが、GLCはその市場を受け継ぐものである。GLKクラスでは直線的なエクステリアだったのに対し、GLCはCクラスに倣い曲線を多用したデザインなのが特徴。全長4670mm、全幅1890mm、全高1645mmというボディサイズは、GLKクラスと比べてひとまわりほど大きい。また、GLKクラスは左ハンドル車のみの設定だったが、GLCでは右ハンドル車が中心となり、日本でも受け入れられやすい仕様となっている。
パワートレインは、デビュー当初2.0L 直4ターボ+9速AT(GLC 250 4MATIC)のみだったが、遅れてプラグインハイブリッド車(GLC 350 e 4MATIC)、2.2L 直4ディーゼルターボ+9速AT(GLC 220 d 4MATIC)も登場。また、滑らかなルーフを持つクーペボディが追加されたこともトピックだろう。足まわりには、走行状況に応じてダンパーの減衰力をコントロールするアジリティコントロールサスペンションを採用し、路面を選ばない快適な走りを手に入れた。
改良遍歴は?
発売からおよそ半年後の2016年9月、「GLC 350 e 4MATIC」が追加された。メルセデスとしては、Sクラス、Cクラスに続く3番目のPHEVで、211馬力の2.0L 直4ターボにモーターを組み合わせている。リチウムイオン電池の容量は8.31kWhで、フル充電までに要する時間は「CHARGE」モードで1時間以内、AC200V電源使用で約4時間。電気のみで30.1kmを走行できる(欧州仕様)。
2017年2月の一部改良では、2.0L 直4ターボ+9速ATの後輪駆動モデル「GLC 200」、2.2L 直4ディーゼルターボ+9速ATの「GLC 220 d 4MATIC」、さらにクーペボディが新たに追加された。また、「GLC 250 4MATIC」は、好みの足まわりに変更できるエアボディコントロールサスペンション、インテリアのブラックアッシュウッドトリム、ヘッドアップディスプレイを標準装備。同年7月には、テレマティックサービス「Mercedes me connect」が搭載された。
2019年10月、GLCがマイナーチェンジを受けた。エクステリアは、クローム仕上げのアンダーガードと2本のパワードームを備えたボンネットにより、SUVらしさをアップ。AMGラインは、台形型のグリルデザインを採用しスポーティさを強調した。リアは、バンパーとエグゾーストエンドを一新。さらに、フルLEDリアコンビランプのデザインが一新された。パワートレインは、194馬力の2.0L 直4ディーゼルターボ(GLC 220 d 4MATIC)、258馬力の2.0L 直4ガソリンターボ(GLC 300 4MATIC)で構成される。また、対話型インフォテイメントシステム「MBUX」も新たに導入された。
メルセデス・ベンツ GLC(初代/253系)の主要グレード

グレード構成は、パワートレインで見ると「GLC 200」、「GLC 250 4MATIC(後にGLC 300 4MATIC)」、「GLC 220 d 4MATIC」、「GLC 350 e」の4 種類に大別される。このほか、メルセデスAMGも用意されるが、ここでは割愛する。ここではグレード別装備内容を見ていこう。
後輪駆動のエントリーモデル「GLC 200」系
184馬力の2.0L 直4ターボを搭載するGLC 200系。駆動方式は後輪駆動のみで、よりリーズナブルな価格でGLCの魅力を堪能できるグレードである。標準仕様と「スポーツ」が用意され、後者にはスポーツサスペンション、「Mercedes-Benzロゴ付きブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク(フロント)」、AMGスタイリングパッケージ、メモリー付きパワーシート、レザーARTICOダッシュボードなどの装備が充実する。全車で標準装備となるLED前後ライト、本革巻(ナッパレザー)ステアリング、COMANDシステム、レーダーセーフティパッケージなども与えられ、エントリーグレードといえども装備が充実している。
ガソリンの中核モデル「GLC 250 4MATIC」系/「GLC 300 4MATIC」系
デビュー当初から設定される中核モデルの「GLC 250 4MATIC」。211馬力の2.0L 直4ターボを搭載し、9速ATを組み合わせる。2019年10月のマイナーチェンジ以降、「GLC 300 4MATIC」に置き換えられ、最高出力は258馬力に高められた。足まわりは、エアボディコントロールサスペンションを標準装備。本革仕様にはBurmesterサラウンドシステムも与えられる。「スポーツ」には、「GLC 200 スポーツ」と同じくAMGスタイリングパッケージなどが与えられる。
クリーンディーゼル搭載車「GLC 220 d 4MATIC」系
2.2L直4ディーゼルターボを搭載する「GLC 220 d 4MATIC」。当初は170馬力/40.8kgmを発揮したが、2019年10月のマイナーチェンジでは2.0L 直4ターボに変更され、194馬力/40.8kgmを実現している。足まわりは「GLC 200」系と同じく、標準仕様がアジリティコントロールサスペンション、「スポーツ」がスポーツサスペンションを装備。それ以外の基本装備は「GLC 200」系とほぼ同じ内容となっている。
プラグインハイブリッドの「GLC 350 e スポーツ」
2.0L 直4ターボにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドが「GLC 350 e スポーツ」。足まわりは「GLC 250 4MATIC」と同じく、エアボディコントロールサスペンションを標準装備する。ブレーキキャリパーがブルーにペイントされるのも特徴。AMGスタイリングパッケージ、ステンレス製ランニングボード、Burmesterサラウンドシステムも標準装備となるなど、豪華な内外装が魅力の1台である。
※上の記述は、2017年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。
まとめ

ガソリンはもちろん、ディーゼルやPHEVなど幅広いパワートレインが設定されるGLC。レーダーセーフティパッケージなど、基本的な安全装備が充実しているから、どのグレードでも安心感が高い。パワートレインによって足まわりが異なるため、好みによってクルマ選びをするとよいだろう。