中古車購入ガイド
更新日:2025.11.08 / 掲載日:2025.11.08
BMW 3シリーズ(F30/F31)前期と後期でどう違う?|輸入車の前期後期を比較

いま輸入車の中古車販売が好調なのがBMW 3シリーズ。手頃なサイズとスポーティな走りは日本の道路事情にもマッチしており、高い人気を誇っている。現行型は2019年に発表された7代目(G20/G21)だが、今回紹介するのは先代モデル(F30/F31)。2012年の発表から13年以上経過しているが、物件が豊富で相場も手頃なため、中古車市場では今なお現役のモデルだ。今回は3シリーズの前期型と後期型を比較しつつ、その相場動向を探っていこう。
3シリーズ(F30/F31)ってどんなクルマ?

2012年1月にフルモデルチェンジを受け、6代目になった3シリーズ(F30/F31)。コードネームF30はセダン、F31はツーリングを示している。もともと3シリーズはコンパクトな大きさゆえ、日本でもファンが多いプレミアムセダン/ワゴン。6代目は、伝統のキドニーグリルが低い位置に配置され、ワイドて低重心はスタイルとなったのが特徴。全幅は、日本仕様では1800mmに抑えることで先代同様扱いやすさもキープした。
パワートレインは、当初2.0L 直4ガソリンターボ+8速AT(328i)を搭載していたが、のちにハイブリッドやディーゼルエンジンなども追加。ライフスタイルや好みに応じて選べるようになった。また「スポーツ」、「モダン」、「ラグジュアリー」、「Mスポーツ」など内外装が異なる仕様が用意され、豊富なグレードで展開されるのも特徴。走りと快適性を両立するプレミアムセダンとして、現在中古車市場でも高い人気を誇っている。
3シリーズの前期と後期はどうやって区別するの?

多くのクルマは、定期的に改良が行われるのが一般的だ。特に輸入車の場合、そのサイクルは概ね1年であることが多く、年次改良と呼ばれている。多くの輸入車メーカーでイヤーモデル制度を採用し、前年夏〜秋頃に年次改良を受けたモデルは、翌年のイヤーモデルとして販売される。
BMW 3シリーズもイヤーモデル制を導入しているが、内外装のデザインを変更する改良はマイナーチェンジと呼ばれることが多い。さらにマイナーチェンジの前後を区別するため、改良前を前期型、改良後を後期型と呼ぶ慣わしがある。マイナーチェンジは複数回に渡ることもあり、その場合は前期型、中期型、後期型と呼ぶケースも。
先代3シリーズ(F30/F31)の改良遍歴は、次のとおり。
2012年4月:「320i」を追加
2012年7月:「アクティブハイブリッド3」を追加
2012年8月:「320i xDrive」/「320d ブルーパフォーマンス」を追加
2013年8月:衝突回避・被害軽減ブレーキを標準装備
2014年8月:アクティブクルーズコントロールを標準装備
2015年8月:マイナーチェンジ ⇦ ここが分かれ目!
2016年1月:「330e」を追加
2016年5月:「320d」に新世代ディーゼルエンジンを搭載
2016年9月:「318i」を追加
2017年8月:装備内容を変更
上記の遍歴のとおり、2012年1月〜2015年8月までに販売された車両を前期型、それ以降から2019年3月のフルモデルチェンジまでの車両を後期型と呼ぶ。
前期/後期のエクステリアを比較すると?


2015年8月、3シリーズはマイナーチェンジを受けて後期型となった。最初にエクステリアを比較してみよう。写真は、前期型(上)が328i ラグジュアリーで後期型が340i スポーツライン。一見すると改良の前後で大きな変化はなさそうに見えるが、ディテールまで目をやると違いが見えてくる。後期型ではフロントエプロンのデザインが変更されており、エアインテークが大きくなった。


最も大きな違いとなるのは後期型からLEDヘッドライトを採用したことだろう。伝統の丸型4灯をベースに、後期型では上下がカットされたコロナリングスモールライトを備え、より精悍なフロントフェイスになった。左右内側のLEDライトからキドニーグリルに向かって流れるLEDライトバーも採用され、視覚的に一体感のある印象を与えている。


リアまわりは、前期・後期ともにL字型リアコンビランプを採用しているが、前期型は横基調のバーが配置されているのに対し、後期型はそれが立体的な造形となっている。合わせて後退灯の位置も変更された。


Mスポーツのフロントフェイスを比較すると、ヘッドライトは他の仕様と同じくLEDヘッドライトを採用して精悍なフロントフェイスに。Mスポーツ専用の前後バンパーは、基本的に前期型のデザインを踏襲しつつもよりスポーティな印象を与えている。


3シリーズツーリングのリアまわりを比較。こちらもセダンと同じく、後期型のL字型リアコンビランプは躍動的な曲線を描いたLEDライトバーを採用。プレミアムワゴンらしいモダンさを強めている。
前期/後期のインテリアを比較すると?


次にインテリアを比較してみよう。前期型(上)がラグジュアリーライン、後期型(下)がスポーツライン。センターパネルは、前期型がマットブラック仕上げなのに対し、後期型はハイグロスブラック仕上げとなるのが大きな違い。また、後期型ではエアアウトレット周辺部にクロームアクセントが施され、エレガントになった。
グレード構成やパワートレインの違いは?

前期型には、「アクティブハイブリッド3」と呼ばれるハイブリッドモデルが設定されていた。しかし、2015年8月のマイナーチェンジでは廃止に。その後継として2016年1月、プラグインハイブリッドの「330e」が登場。同じハイブリッドであるが、後者は外部充電が可能であり電気のみで36.8kmも走行可能となっている。

また、前期型の最上位グレード「335i」の名称がマイナーチェンジで「340i」に変更された。新世代の3.0L 直6ガソリンターボを搭載し、最高出力は20馬力高い326馬力を発揮する。さらに後期型には、新たなエントリーモデルとして「318i」が追加されたこともトピック。こちらは1.5L 直3ターボ+8速ATを搭載し、スポーティな走りと経済性を両立したモデルとなっている。
中古車相場の違いは?

最後に中古車相場を見ていこう。F30/F31の中古車価格帯と中古車平均価格を比較すると次のようになる。
| 中古車価格帯 | 中古車平均価格 | 物件掲載台数 | |
| 前期型(2012年~2015年) | 60万円~230万円 | 116万円 | 約400台(F30/31) |
| 後期型(2015年~2019年) | 90万円~350万円 | 200万円 | 約300台(F30/31) |
前期と後期の差は大きく、中古車平均価格はおよそ90万円ほど開きがある。とはいえどちらも100万円以下の物件が存在し、どちらも買いやすい状況。物件数は前期型が多いものの、その差は大きくない。予算に応じて選べる状況といえそうだ。
