中古車購入ガイド
更新日:2023.02.10 / 掲載日:2023.02.10
【電気自動車】日産リーフをはじめとする人気EVの相場は?

ここ数年、国産・輸入車問わず電気自動車(EV)が増えている。最近話題となったのは、トヨタ bZ4X、スバル ソルテラ、マツダ MX-30のようなSUVの新型EV。また、昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーでは、軽のEVである日産 サクラと三菱 eKクロスEVが本賞を受賞し、ほかにもヒョンデ アイオニック5、BMW iXが各賞を獲得するなど、EV関連のニュースが増えてきたと感じる。そこで今回は、現在中古車でねらえる人気EVをチョイスし、相場を探っていきたい。
電気自動車はどんなクルマ?
従来の電動化モデルといえば、内燃機関(エンジン)とモーターを組み合わせたハイブリッドカーが中心だった。最近はこれに加え、電気モーターのみで走行するEVも増えている。モーターを駆動するためのエネルギー源は、エネルギー密度や起電力が大きいリチウムイオン式バッテリーが一般的だが、水素を補充してモーターを駆動する燃料電池車(FCV)なども広い意味での電気自動車といえる。今後のEVの主流となりそうなのが、大容量バッテリーを搭載したピュアEVで、これをBEV(Battery Electric Vehicle)と呼ぶこともある。
その特徴は、なんといっても自動車から排出される二酸化炭素がゼロであること。二酸化炭素は温室効果ガスであり、世界規模で削減することが課題となっているものだ。二酸化炭素排出の削減を目指し、多くの自動車メーカーがより性能の高いBEVの開発を急いでいる。モーターは低回転から高いトルクを発揮する特性があるため、内燃機関とは異なったドライビングフィールを持つのも特徴となっている。
日産 リーフ

日本市場におけるEV普及の草分けとなったのが日産リーフ。初代は2010年12月にEV専用車として発売された。流線型のハッチバックボディにモーター、リチウムイオン電池(24kWh)を搭載し、200kmの航続距離を実現した。また、改良によってバッテリーも進化し、30kWhのモデルも登場。航続距離は280kmへと延長され、遠方へのロングドライブも可能になった。今回紹介するのは、2017年9月に発表された2代目リーフ。曲面を多用した滑らかなフォルムから一転し、シャープな印象のデザインとなったのが見どころ。バッテリー容量は40kWhに拡大され、航続距離は先代の280kmから400km(JC08モード)へと大幅に伸びている。自動運転技術「プロパイロット」のほか、駐車場での車庫入れをアシストする「プロパイロット パーキング」機能も導入され、日産の先進性を象徴する1台となっている。
登場から5年以上経過した現在の中古車市場を見ていこう。物件数は、先代モデルよりも多くなり、市場は現行型が中心となっている。価格の下限は140万円前後で、中古車平均価格は238万円。2017年発売時の新車価格が315万360円~399万600円だから、100万円以上も値下がりしており、そろそろ買い時といえる。100万円台の物件も多く、これからEVを買う人には、選択肢の有力候補になるだろう。
三菱 i-MiEV(アイミーブ)

2010年4月に発売された電気自動車がi-MiEV。ベースとなったのは、軽自動車「i(アイ)」で、ラゲッジルームの下にリチウムイオン電池を搭載。一充電走行距離は160km(10・15モード)と、同時期に発売された日産リーフ(先代)よりも短いが、シティコミューターとしての用途ならば使い勝手は悪くない。2018年には、前後バンパーのデザインが変更され、全長は3395mmから3480mmへとアップ。これにより軽自動車から登録車に変更となっている。同時にフロントフォグランプの標準装備するなど、仕様も一部変更された。他のメーカーから新型EVが登場したあとも生産が続き、2021年の生産終了まで10年以上に及ぶロングセラーとなった。
生産期間が長いこともあり、手頃な価格の中古車が多く揃っている。価格の下限は30万円と、かなり安い物件も存在しており、手が出しやすいモデル。中古車平均価格は81万円。低年式の物件でも走行距離が伸びていない個体が多く、一見するとコンディションが良いものが中心となっている。しかし、バッテリーセルの劣化や故障リスクなどもあり、これらを交換した場合は高額な出費となるケースも報告されている。安いからと飛び付かず、販売店に相談して購入するのがおすすめだ。
プジョー e-208

欧州車のなかでも電動化モデルの開発に積極的なのがプジョー。1990年代には106をベースとした電気自動車を手がけるなど、電動化が注目される以前から開発に着手していたメーカーである。そんなプジョーが2020年7月に発表したのが、プジョー e-208。現行型208は、PSAグループの最新プラットフォーム「CMP」を採用しているが、こちらは内燃機関とEVどちらにも対応しており、初めからEVを見据えて開発が行われた。136馬力のモーターと50kWhのリチウムイオン電池を搭載し、一充電航続距離は340km(WLTPモード)に達する。外観は、ボディカラーに合わせて塗装されたラジエーターグリル、ブランドエンブレムなどが内燃機関との違い。
発表から2年以上経過し、物件数は少しずつ増えている。新車時価格は389万9000円~423万円だったが、中古車平均価格は370万円と、やや下がっている。現時点ではどの物件にもメーカー保証が付いており、ほとんどのモデルが低走行の良コンディション車が中心だから、新しいEVがほしいひとにはオススメできるモデルといえよう。
BMW i3

2014年4月に登場したBMW i3は、コンパクトなボディを持つEV。ボディサイズは全長4010mm、全幅1775mm、全高1550mmと、一般的なコンパクトカーよりもやや全高が高いのが特徴。ライフドライブ構造と呼ばれるCFRP製のパッセンジャーセル(基本骨格)を採用することで、高いボディ剛性を誇り、軽量化にも一役買っている。ラインアップは、ピュアEV仕様のほか、発電用の647ccのエンジンを搭載した「レンジエクステンダー」の2タイプから選べる。マイナーチェンジを重ねるごとに進化し、最終的にピュアEV仕様の一充電走行距離は360km、レンジエクステンダーでは466kmとなった(WLTCモード)。
デビュー当初の中古車価格は499万円~546万円と、このクラスとしては高額なモデルだった。しかし現在の中古車平均価格は292万円とかなり下がっている。物件はそれほど多くないが、探せば十分に見つかる範囲だろう。その大半はレンジエクステンダーとなっており、ピュアEV仕様は相場が低いが探しにくい状況。同価格帯でも走行距離にばらつきがあるが、おおよそ200万円~250万円の予算があれば、複数の候補から選べる。
※中古車平均価格は2023年2月時点のデータ。
まとめ

今回は価格が手頃なコンパクトカーを中心に選んだが、より大型のモデルは高価格帯のものが多く、手が届きにくい。現実的な予算で探すとなれば、あまり選択肢がないのがEVの現状といえる。しかし、今後は日産サクラ、ホンダ eなどのニューモデルも登場し、中古車での選択肢が増えていく。また、上級EVも経年で相場が下がり、予算圏内に入ってくるだろう。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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