中古車購入ガイド
更新日:2022.07.29 / 掲載日:2022.07.29
【VW ポロ(AW)】現行型でも100万円台の予算で探せる!? 一押しの輸入コンパクト

ゴルフの弟分として1975年に登場したコンパクトカーのポロ。日本では1996年に3代目(6N)から本格導入され、累計25万台以上が輸入・販売される人気モデルである。ボディは小さいけれど走りはワンランク上なのが持ち味で、このクラスのベンチマーク的な存在だ。2002年には4代目(9N)、2009年10月には5代目(6R)、2018年には6代目(AW)が登場。今回は、現行型(6代目)の改良遍歴と中古車相場の動向を探ってみたい。
VW ポロ(AW)ってどんなクルマ?


2018年、8年ぶりのフルモデルチェンジを受けたポロ。MQBと呼ばれるモジュールを導入した新型は、全長4060mm、全幅1750mm、ホイールベース2550mmと、先代と比べてひとまわり大きくなった。一方で全高は低くなり、ロー&ワイドなプロポーションとなったのが特徴。ホイールベースが80mm伸びたおかげで後席も広くなり、ラゲッジルームは280Lから351Lへとアップ。コンパクトカーながらも快適で実用性のあるモデルに進化した。
室内は、水平基調のダッシュボードを採用。新世代インフォテイメント「ディスカバープロ」が導入され、8インチのスクリーンにセンサーボタンとダイヤルを採用することで視認性と操作性を高めている。安全面では、衝突被害軽減ブレーキの「フロントアシスト」、「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」、「アクティブボンネット」、「デイタイムランニングライト」を全車標準装備としている。
当初のパワートレインは、95馬力の1.0L 直3ターボを搭載。従来の1.2Lよりもパワフルになり、高い静粛性も実現している。トランスミッションは7速DSGが組み合わされる。また後に1.5Lターボの「Rライン」、2.0Lターボの「GTI」など、スポーツモデルも追加されている。
改良遍歴は?
2018年7月、「GTI」を追加。専用のスポーツサスペンション、電子制御式ディファレンシャルロック「XDS」を採用し、より高度なハンドリングを実現する。パワートレインは2.0L 直4ターボ+6速DSGを搭載し、最高出力200馬力、最大トルク32.6kgmを発揮。同年10月には一部改良を受け、新オプション(テクノロジーパッケージ)やインテリアカラーの追加が行われた。
2019年1月、新エンジン(1.5TSI Evo)を搭載した新グレード「TSI Rライン」が登場。1.5L 直4ターボ+7速DSGを搭載し、最高出力150馬力、最大トルク25.5kgmを発揮する。専用17インチホイール、エアロパーツなども与えられる。
2020年3月の改良では、オプションのセーフティパッケージにレーンキープアシストシステム「レーンアシスト」を追加。これはフロントガラス上部に設置されたカメラで車線をモニタリングし、車線を逸脱するとドライバーに警告およびステアリング操作をサポートするもの。
2022年6月、マイナーチェンジを受けた。外観デザインがリニューアルされ、全長は4085mmとなった。LEDマトリックスヘッドライト、新デザインのLEDリアコンビランプの採用もトピックである。パワートレインは、同じ排気量ながら細部が改良を受け。高効率化および静粛性の向上を実現している。グレードは「TSIアクティブベーシック」、「TSIアクティブ」、「TSIスタイル」、「TSI Rライン」の4つで展開され、名称も変更。従来の「TSI Rライン」が搭載していた1.5L 直4ターボはラインアップから外れている。
VW ポロ(AW)の主要グレード

グレード構成は、「TSIトレンドライン」、「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」、「TSI Rライン」、「GTI」で構成される。2022年のマイナーチェンジ以降は名称が変更されたが、中古車はほとんど流通していないため、今回は割愛する。各グレードの装備内容と中古車相場をみていこう。
「TSIトレンドライン」
最もベーシックなグレードがトレンドライン。駐車支援システム「パークアシスト」、「パークディスタンスコントロール」など一部の予防安全装備が省かれているが、ドライバー疲労検知システムは標準装備。パワートレインは上級グレードと共通だが、一部の安全装備が省かれているため物件数は非常に少なく、全体の5%程度しか流通していない。ただし中古車平均価格は134万円とかなり安くなっている。
「TSIコンフォートライン」
中堅グレードのコンフォートラインは、装備と価格のバランスがよいグレード。リアビューカメラ、オートライト、レインセンサー、2ゾーンフルオートエアコン、ランバーサポートなどの快適装備が標準となり、外観には15インチアルミホイールも装着される。物件数は全体の半数近くを占めており、中古車平均価格は181万円。
「TSIハイライン」
上級グレードのハイラインは、コンフォートラインの装備に加えてアダプティブクルーズコントロール、スタティックコーナーリングライト、LEDヘッドライト、フロントフォグライト、16インチアルミホイールを装着。物件数もコンフォートラインとほぼ同じ割合で流通し、中古車平均価格は194万円。
「TSI Rライン」
スポーティな内外装と150馬力の1.5Lターボを搭載したRライン。2022年6月のマイナーチェンジでは、ほかのグレードと同じく1.0Lターボが与えられたため、同じグレード名でも後期型はパワートレインが異なっていることに注意。トレンドラインよりも物件が多いものの、割合は少ないため探しにくいのが難点。また、中古車平均価格は245万円とやや高めとなっている。GTIとの価格差が少ないため、よりパワフルなGTIをねらったほうがお得という見方もある。
「GTI」
200馬力の2.0Lターボを搭載し、走りを追求したホットハッチがGTI。物件数は全体のおよそ1割と少ないが、じっくり探せば見つかるはず。中古車平均価格は268万円と、全グレードのなかで最も高額。しかし、100万円台後半の物件も少しずつ増えており、今後は探しやすくなるかもしれない。コンパクトなホットハッチがほしいなら考慮したいモデルである。
※上の記述は、2018年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年7月時点のデータ。
まとめ

世代を重ねるごとに上級モデル顔負けの質感に進化するポロは、輸入コンパクトカーの第一候補に入るクルマ。今年マイナーチェンジを受けたことで、現行型の相場ダウンが期待される。グレードは「TSIコンフォートライン」または「TSIハイライン」が選びやすく、100万円台半ばの予算があればターゲット圏内に入る。一方、ホットハッチとして「GTI」も注目。走りと実用性を兼ねた鉄板チョイスと言えるだろう。

ライタープロフィール
1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。
また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。
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