モータースポーツ
更新日:2025.06.12 / 掲載日:2025.06.12
トヨタが描く“未来”の走り!液体水素で走る次世代レーシングカー初公開

TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は6月11日、モータースポーツにおける水素技術の開発を進めるため、液体水素(LH2)を燃料とするテストカー「GR LH2 Racing Concept(GR LH2 レーシング・コンセプト)」を初公開した。
このテストカーは、6月11日~15日にかけて「第93回ル・マン24時間レース」が開催されるフランス・ル・マンのサルト・サーキット内にあるフランス西部自動車クラブ(ACO)が設置するH2ビレッジで展示される。
液体水素で挑む、未来を見据えたレーシングカー
トヨタは、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」と、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環として、日本国内のスーパー耐久シリーズを含むモータースポーツの厳しい環境下で水素技術を磨いてきた。

日本のスーパー耐久シリーズで、ルーキーレーシングが走らせている水素エンジンカローラは、2021年のデビュー時は気体水素を燃料としていたが、2023年からは液体水素を搭載。2022年には、GRヤリスH2がFIA世界ラリー選手権(WRC)のイプルーラリーでデモンストレーション走行を行い、ラリーの世界における水素エンジンの可能性を示した。
2023年には、水素エンジンカローラがル・マンの舞台でデモンストレーション走行を行い、また将来的に導入される可能性のある水素カテゴリーを想定し水素エンジンを搭載したコンセプトカー、「GR H2 Racing Concept(GR H2 レーシング・コンセプト)」をル・マンで発表した。

さらに技術開発が進む中、今回液体水素を燃料とするGR LH2 レーシング・コンセプトが新たな段階として披露された。このテストカーは、現在FIA世界耐久選手権(WEC)で戦っているGR010 ハイブリッドをベースに開発。カラーリングは「未来」を象徴しており、トヨタのル・マン参戦40周年のコンセプトである「過去」「現在」「未来」を結びつける3つ目の重要な要素になるとしている。
GR LH2 レーシングコンセプトは、今後の実走テストを通し、トヨタの水素技術やインフラの継続的な開発を担うとともに、モータースポーツへの挑戦を通じた水素の可能性を広げるための仲間づくりを行っていくとした。
GR LH2 レーシング・コンセプト車両概要
パワートレーン:水素エンジン+ハイブリッドシステム
搭載燃料:液体水素
全長:5,100mm
全幅:2,050mm
TOYOTA GAZOO Racing 公式HP:
https://toyotagazooracing.com/jp/
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