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更新日:2021.06.21 / 掲載日:2021.06.21

「ル・マンにおけるポルシェのサクセスストーリー」6月より世界10か国で巡回展示を開催

フリッツ・エンツィンガーが、ル・マンでの最初のポルシェクラスの勝利を振り返る

フリッツ・エンツィンガーが、ル・マンでの最初のポルシェクラスの勝利を振り返る

 ポルシェAGは6月18日、これから数ヵ月間にわたって、「ル・マンにおけるポルシェのサクセスストーリー」を掲げて世界中で巡回展示を行うと発表した。

 ポルシェのル・マンにおける歴史は、軽合金製クーペの356 SLでクラス優勝を果たした1951年から始まり、その後107回のクラス優勝と19回の総合優勝が続いた。初めてのクラス優勝から70年後の今年、ポルシェはこの重要なテーマに6つのエピソードを捧げる新シリーズ「ポルシェモーメント(Porsche Moment)」によって、世界中、そしてツッフェンハウゼン本社において、ル・マンにおける数多くの歴史的な瞬間に触れる。

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日本を含む10か国で巡回展示を開催!

ル・マンでの最初のポルシェクラスの勝利から70年

ル・マンでの最初のポルシェクラスの勝利から70年

 ポルシェは、ル・マンでのポルシェのサクセスストーリーを世界中で称えるために、2021年6月から2022年1月まで巡回展示を行う。計画では、フランス、オランダ、英国、米国、中国、日本、アラブ首長国連邦、ドイツを含む10ヵ国の14ヵ所で開催。ポルシェ愛好家たちは、歴史的なコレクションから20台以上のオリジナルの優勝車の外観を楽しむことができるという。世界中のポルシェエクスペリエンスセンターでは、巡回展示と並行してヘリテージコーナーが設置され、その歴史をより深く探求する。さらに、カリフォルニアのモントレーカーウィークなど、さまざまなクラシックカーイベントが計画されている。パンデミックの状況に応じて、ライブまたはバーチャルで当時のドライバーが参加。彼らはポルシェファンとモータースポーツ愛好家にエキサイティングな経験について見識を提供してくれるだろう。

ル・マン覇者がポルシェの歴史を辿る旅

ル・マン24時間レースへの356 SLの参加は、ポルシェのル・マンでのサクセスストーリーの出発点となった

ル・マン24時間レースへの356 SLの参加は、ポルシェのル・マンでのサクセスストーリーの出発点となった

 「私たちは、新しいフォーマットであるポルシェモーメントを通じて企業、製品、またはレースの歴史を築いてきた過去の特別な瞬間に、今日の観点からハイライトを当てます。我々は同時代の証人たちによって、これらの瞬間を可能な限り忠実に再構築し、ソーシャルメディアを介してこの特別なポルシェモーメントを再び体験することをファンに促します」と、ポルシェヘリテージ&ミュージアムの責任者を務めるアキム・ステイスカルは述べている。ル・マン覇者で世界耐久選手権チャンピオンのティモ・ベルンハルトが、ホストとしてファンをこれらのエピソードに誘う。彼はツッフェンハウゼンとヴァイザッハで興味深い同時代の証人たち(車と人物)に出会う。

ティモ・ベルンハルトとフリッツ・エンツィンガーが新しい「ポルシェモーメント」シリーズを開始

ティモ・ベルンハルトとフリッツ・エンツィンガーが新しい「ポルシェモーメント」シリーズを開始

 ポルシェモーメントの最初のエピソードでは、ティモ・ベルンハルトが、2年間会うことのなかった仲間で、ポルシェモータースポーツ副社長のフリッツ・エンツィンガーを招く。エンツィンガーは、ル・マンでポルシェを3回の総合優勝に導いた人物。Werk 1の歴史的なレンガ造りの建物での再会は、ル・マンの伝説をツッフェンハウゼンまで運んできたように見える。
 「信頼と友情はレースで成功するために重要だ」と356 SLから降りながらエンツィンガーは語る(SLはスーパーライトを表す)。アルミニウム製ボディによって、クーペの重量はわずか680kgで、1949年11月にシュトゥットガルトでロイター社が製造したスチールボディの356クーペよりも約120kg軽量だ。「当時のポルシェワークスチームのヴィルヘルム・ヒルトは、356 SLに“アルミ缶”のニックネームを付けたんだ」とエンツィンガーは笑いながら話した。社内では、この車には“Type 514 Porsche Sport for Le Mans 1951”という名前が付けられている。

  • ル・マン-1951年6月23日24日:ル・マンでのポルシェの最初の出場で、オーギュスト・ヴイエとエドモン・ムーシュは、ポルシェ356SLでクラス優勝を収めた

    ル・マン-1951年6月23日24日:ル・マンでのポルシェの最初の出場で、オーギュスト・ヴイエとエドモン・ムーシュは、ポルシェ356SLでクラス優勝を収めた

  • 1951年を振り返る

    1951年を振り返る

 ポルシェは、1948年からオーストリアのカリンシア地方にあるグミュントで44台のタイプ356/2クーペを製造。これらとは別に11台のボディシェルはシュトゥットガルトに運ばれ、そのうちの数台に手が加えられた。ポルシェモーメントの最初のエピソードで紹介される車は、クラス優勝を飾った歴史的なNo.46より1年遅れて1952年に製造された。「50PS未満の車が、ル・マンの2,840.65kmを平均速度118.36km/hで走る姿を想像してみてください。それも1951年に! この車は道路を走ってレースへと移動し、田舎道を走ってツッフェンハウゼンまで戻りました」とエンツィンガーは話す。優勝したNo.46のドライバーは、フランスのポルシェ輸入業者であったオーギュスト・ヴイエとエドモン・ムーシュが務めた。24時間レースに2人のドライバーで参加することは、当時は珍しいことではなかった。

 Werk 1前でのベルンハルトとエンツィンガーの出会いは、ツッフェンハウゼンから始まりル・マンでのクラス初優勝に続くポルシェの旅の象徴。当初のチームは、コーチビルダーのロイター社のビル内で発足されました。
 「今日では、道路を走ってル・マンまで競技用車を運転することは考えられません」と、ベルンハルトは、1951年6月16日にサーキットへ到着した危険な11時間の旅について話した。「出発は午前7時15分で、フェリー・ポルシェがチームを送り出しました」とエンツィンガーは、当時のチーフデザイナーのカール・ラーベの日誌に収められたこの瞬間の歴史的写真と記述を見せながら話す。レーシングドライバーのヴイエとル・マン24時間のレースディレクターのシャルル・ファルーは、フェルディナンドとフェリー・ポルシェに前年のパリモーターショーでル・マンに参戦するように説得していた。

 1951年6月24日の優勝への道のりは長いことが予想された。3台の競技用車とトレーニングカーのうちの2台がレース開始前にアクシデントに見舞われ、残った1台の軽量で排気量を増やした46PSの水平対向4気筒エンジンに全ての期待が寄せられることになったのだ。
 「ポルシェでル・マン優勝を果たすと、それは会社全体に影響を与えます。当時の優勝も同じだったに違いありません。ル・マンは魔法の場所です」とエンツィンガーは回想する。エンツィンガーにとってのル・マンで最高のポルシェモーメントは、2015年の優勝だった。「最初のフリー走行から言葉では言い表せない感情でいっぱいでした。心の高ぶりはゴールラインでピークに達しました。」
 ティモ・ベルンハルトの個人的なポルシェモーメントは、2017年の総合優勝だ。「3連覇は、最高のチームでのみ可能です。21ヵ国から集まった私達は、全員が同じ目標を持っていました。」
 ポルシェのさらなる伝統が、モータースポーツから市販車への技術移転だ。これは今日まで変わることなく当てはまる。「サーキットは、ポルシェのテクノロジーの開発研究所です。ポルシェでは、革新的なソリューションは最も厳格な条件下で実証されなければならず、その時初めて公道仕様車に移すことができます。逸話によると、優勝した356 SLがレースを終えてツッフェンハウゼンにたどり着いた時、そのエンジンはル・マンに向けて出発した時より4PSパワーアップされていたようです。」と40歳のベルンハルトは話した。

ポルシェは、356SLと他の5つのレーシングレジェンドでルマンでの成功を振り返る

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 ポルシェミュージアムは、2021年6月16日にティモ・ベルンハルトとフリッツ・エンツィンガーが出演する最初のポルシェモーメントをInstagram @porsche.museumに投稿。その後毎週、さらに5つのエピソードが続き、ポルシェモーメントはヴァイザッハへと移る。ティモ・ベルンハルトはそこで、ノルベルト・ジンガー、ヴァルター・ロール、ハンス=ヨアヒム “シュトリーツェル” シュトゥックなどのスターや同時代の証人たちに出会う。917 KH(1971年)、936/81と924 GTP(1981年)、962(1987年)、911 GT1(1998年)、および919ハイブリッド(2017年)も登場する。ポルシェのル・マン伝説を明らかにし、それぞれの勝利の歴史的重要性を物語る、数多くの逸話が語られる。この特別な巡回展示は、ポルシェのソーシャルメディアで広く紹介される予定だ。

 興味を持つファンは、ポルシェミュージアムのワークショップのビューを提供するガラスパーティションの背後から「ル・マンでのポルシェのサクセスストーリー」をフォローすることも可能。巡回展示はそこにも立ち寄り、ル・マンのクラス優勝と総合優勝を飾った6台の車が展示される。

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