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更新日:2018.10.17 / 掲載日:2015.10.27
トヨタのコンセプトカー「S-FR」「C-HR」を解説!≪東京モーターショー2015特集≫

森野恭行
高人気を保つ「86」がAE86レビン/トレノの遺志を継ぐモデルなら、「S-FR」は60年代に活躍したトヨタスポーツ800(通称ヨタハチ)の再来と表現できる存在だ。
丸みを帯びた愛らしいスタイルだけでなく、できるかぎりコンパクトにまとめたボディサイズや、ライトウエイトスポーツの王道と言えるFRの駆動方式にも、名車ヨタハチのDNAを感じ取ることができる。
エンジンをフロントミッドシップに搭載し(つまり前後重量配分は理想的)、ミッションは6速MTを採用。そしてリヤにも独立式のサスを採用するというのだから、ハンドリングのポテンシャルは間違いなく高い。
それでいて、キャビンは2+2というから、多くの人にアピールできる汎用性も持ち合わせているのだ。「すぐにでも市販して!」という、スポーツカーファンの熱烈なラブコールが聞こえてくるようだ。
なのに……じつはS-FRについては、「すでに市販化を断念」という残念な噂が流れている。でも、ユーザーが本気でこのエントリースポーツの市販化を望み、その声を真剣にトヨタに伝えれば、良い方向に流れが変わる可能性だってある。「21世紀のヨタハチ」は、今回のショーのなかでも「スター」と位置づけられる、話題性の高い1台だ。
S-FRのインパネ
S-FRのシート
S-FRのセンターメーター
「C-HR」

C-HRのスタイリング
日産ジュークが火をつけたコンパクトクロスオーバーの世界的ブームは、トヨタにとっても無視のできないものになった。それを証明するのが、市販化が確実と目される「C-HR」の存在だ。参入するのはジュークよりやや上のカテゴリーで、ボディはCセグメントサイズ。4代目プリウスで導入するTNGAを母体とし、1.8Lハイブリッドの心臓を搭載するというのがもっぱらの噂だ。
気になるのは……見る者の目を釘付けにする大胆なスタイルを、どこまで忠実に市販モデルで再現するか。タイヤ&ホイールを少し小径にし、リヤドアを拡大するといった修正は行われるだろうが、全体のイメージを崩さずにプロダクトモデルへと移行すると思われる。
日本では、4代目RAV4の市場投入が見送られたカタチだけに、コンパクトで、手の届く価格帯のSUVの登場を待ちわびているファンが少なくない。遠くないであろうXデーのために、「C-HR」の姿をしっかりと目に焼き付けておきたい。
C-HRのボディライン
C-HRの大胆な造形
C-HRのテールランプ