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更新日:2023.02.25 / 掲載日:2023.02.25

【Nostalgic 2days】まだまだ続く国産旧車ブーム

文と写真●九島辰也

 今年も芸文社主催の「第14回Nostalgic 2days(ノスタルジック・ツーデイズ)」に行ってきました。横浜パシフィコです。ここ数年毎回足を運んでいますが、いい感じ。クラシックカーブームとあって盛り上がっています。コロナ禍で一時期縮小されていましたが、もう完全復活と言えるでしょう。今年は年初のオートサロンも盛り上がっていましたから、こうしたイベントが増えるかもしれません。
 今年の会場は、純粋に国産旧車がたくさん並べられていた印象を強く受けました。突飛な演出は少なく、仕上がった個体を見せるといったブースの作り方です。例年だと再生プロジェクトの過程を表現する展示や写真がもっとたくさんあった気がします。フレームから手の込んだ作業をしているのを多くの人に知ってもらうためのものですね。昔から旧車のイベントには付き物といっていいでしょう。ラダーやセミモノコックなど、普段は見られない部分ですからとても勉強になります。
 では今年目についたクルマはというと、まずはトヨタ2000GT。ミントコンディションのそれはオークションで一億円以上の値がついたシロモノです。ビッカビカなので注目度は高かった。右ハンドルというのも高値の要因でしょう。当時の生産台数の右ハンドルと左ハンドル(主に北米への輸出用)の比率を鑑みると、値段の差は否めません。

日産 フェアレディZ

 フェアレディZも多かったです。S30型、S130型はもはや常連組。特に昨年日産が新型フェアレディZを展示するなど力を入れていたこともあり、今年もその余韻を感じました。ロングノーズのFRパッケージはやはりかっこいいですよね。人気の高さを感じます。個人的にも数年前、まだこれほど値段が上がる前にS30の左ハンドル車を買おうとしたことがあります。ただ、その時はクラシックカーラリーに参加することもあったので、よりクラシカルなダットサン・フェアレディにしました。1969年型の左ハンドルです

日産 フェアレディZ

 でももし今フェアレディZを買うのであればZ31後期かZ32型です。リアルに青春時代憧れただけに、手に入れたい。会場にはかっこいいブラックのZ31後期型2シーターとZ32型のコンバーチブル(ブラウンメタリック)が飾られていました。どちらも今見てもクール。なんなんですかね、このデザイン。僕が見惚れていると、横にいた友人が「昔のクルマの方が断然デザインがかっこいいのはなんでなんだろう」と質問してきました。確かにそんな気もします。今は毎年のように厳しくなっていく側面衝突規制をはじめとする保安基準がデザインの邪魔をしているのかもしれません。ドアが分厚くて重くなっているのはそのためです。
 それとカメラやセンサーをクルマのいたるところに取り付けるためそのスペースを確保するのも関係するかも。自動運転は電動化と同じくらいプライオリティが高いですからムゲにはできませんしね。クルマを製造する上での諸事情は日々変化しています。

日産 スカイライン

 次に目についたのはスカイライン。ケンメリやらR32やら歴代モデルが生息していました。その中でも個人的に足を止めてしまったのはRSターボ。赤と黒のツートンにゴールドのデカールがたまりません。まさに大学生の頃流行った象徴的な色合いです。屋根とボディを塗り分けたツートンはありますが、ボディを上部と下部で塗り分けた新型車は見当たりません。今思えば、なんて斬新なんでしょう。アフターマーケットならわかりますが、メーカー純正ですからね。きっと時代のトレンドとはそういうモノなのでしょう。

トライアンフ GT6

 輸入車ではジャガーEタイプやトライアンフGT6&スピットファイア、ボルボP1800ESあたりに目が止まりました。1967年型スピットファイアを持っていたことがありますが、その当時GT6にも憧れていました。個人的には今でもデザイナー、ジョバンニ・ミケロッティは天才だと思っています。

マツダ RX-7

 メーカー展示ではマツダブースに吸い込まれました。仕上がったFD型RX-7があったからです。若いころFC型のコンバーチブルに乗っていたこともあり、この辺は親しみがあります。ただ当時のFC好きはFDに抵抗があったことも確かですが。でも今となってはどちらもかっこよく感じます。ちなみに、マツダは現在レストア事業を細々と進めているとか。これまでにお客さんのクルマを5台仕上げたそうです。今後さらなる発展を期待したいですね。フェラーリのクラシケ部門のような活動ができるようになってほしい。
 なんて感じの今年のショーでした。国産旧車ブームはまだ続きそうなので、ここからの展開に期待したいですね。旧車が盛り上がってこそ、日本のカーカルチャーは成熟していると言えますから。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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