車のエンタメ
更新日:2018.10.25 / 掲載日:2016.09.30
50年代のアメリカにVW「ポロ」が出現してホットロッドと一騎撃ち!?

アメリカのクルマ文化が華やかだった50年代。そこに現代のクルマがタイムスリップしていったら、どうなるでしょう?
……という設定のVW「ポロ」のCMが、妙にリアルでおもしろいんです。2009年にスペインで放映された「Cool」という作品です。

テールフィン、ホワイトリボンタイヤ、フレイムス(ファイアー・パターン)。いま見てもかっこいいアメ車が当たり前に走っている町並みに、ちょっと胸が高鳴ります。

そこに忽然と現れたのは……赤いポロ。現代の風景のなかではとくに目立たないコンパクトカーも、50年代の景色のなかでは強烈な個性を放って違和感さえ覚えます。

ライダースジャケットにリーゼントの青年たちも、ジュークボックスからロカビリーが流れるダイナーも、「いかにも!」な感じ。

一方、ポロのオーナーの青年は、やわらかい風合いのパーカーを羽織って、こちらも「いかにも!」21世紀の若者らしい自然体。

50年代のボスにケンカを吹っ掛けられ、ドラッグレースで勝負をすることになるんですが、さすがに走行性能では21世紀のクルマが勝つだろうと思っていたら予想外の展開に……。


アクセル全開でスタートしたアメ車は「ぶっちぎりで勝った!」と雄叫びをあげて喜んでいますが、ポロはまったく別のルールで勝負に挑みます。

ゆっくりと前進し、マドンナ風の女性の横に停まるポロ。そして、なんと、マドンナはポロの助手席に乗り込んでしまうんです。

おとなしそうに見える21世紀の青年は、意外と積極的にいきなりキスしちゃうかと思ったら、彼女のシートベルトを装着! なんてジェントルなんでしょう。

その様子を見てオロオロするばかりの子分たちを尻目に、悠々と走り去るポロ。スマートで、合理的で、現代っ子って感じです。
青春ドラマだったら怒り狂ったボスが子分を引き連れて仕返しに向かうところですが、さて、この続きはどうなるんでしょうか。ポロはそのまま21世紀に戻って行くのかもしれませんね。なぜ50年代にタイムスリップをしたのか、マドンナはどうなるのか、前後がとても気になるCMでした。