日産「リーフ」がドライバーの気持ちをバラしちゃいます！

　そしていよいよメインイベント。夜の自動車教習所で、教習生に実際に運転してもらった走行シーンです。助手席に教官を乗せて、はじめて運転する電気自動車で、よくわからない装置（ヘッドセット）を装着して、撮影されながら走るなんて、自分が教習生だったら緊張しすぎて倒れそうですが、撮影に協力してくれたみなさんは楽しそう。

　縦列駐車でテンパりぎみになる場面では、思わず笑っちゃうし、投影される文字の変化にも「おぉー！」ってなってテンションあがっちゃいました。「最近の若者はクルマに興味がないとかクルマ離れが進んでるとか言うけどさー。そうだよね、クルマってこんなふうにワクワクするもんだったよねー」なんてしみじみ思っちゃったりして。なんか、いい動画だなぁ。

　今回の企画で、男女30人の被験者を対象に、リーフ運転時のさまざまなシーンで脳波を測定した結果、発進時には50％以上のドライバーの脳波がβ波に、コーナリング中は90％以上のドライバーの脳波がα波になることがわかったそう。脳科学の分野では、リラックスしていたり集中度があがっているときにはα波が、緊張度や興奮度が高いときにはβ波が出ると言われているので、発進するときには「エキサイティング」と感じ、コーナーを走っているときには「気持ちいい」と感じているってことらしいです。

　動画中で映し出されていることが確認できたのは「スイー」、「ドキドキ」、「ウォォオオ」、「うぉお！」、「グィ～ン！」、「ゾワッ！」、「やば！！！！！！」、「スイスーイ」、「ふわ」、「…ピタッ」、「いけー！」、「きもちいぃいい！！」、「いっけー！！」、「ぐぐぐ」の14パターン。いずれも「感情」や「思考」というよりも「感覚」に近いところを表現していて、多少の動きはあるもののアニメというよりはマンガ特有のオノマトペに近い印象を受けます。登録されているのは33パターンということなので、ほかにどんなパターンがあるのかも気になるところ。

　もちろん、この技術がすぐに市販車に搭載できるかっていうとそういうもんではないのはわかります。「サンキューハザード」のかわりに「Thank You！」とか「ありがとうございます！」とか出せるようにでもなればドライバーのコミュニケーションツールとしても活用できるかもしれないけれど、「ドキドキ」とか「うぉお！」とか「スイスーイ」じゃあ挨拶にもなりません。そもそも、暗くないと見えないし、狭い道路ではまともに投影できないし、文字に気を取られて事故にでもなったらシャレになりません。

　この原稿を書きながら、「この技術をどんなふうに使ったらみんなが楽しめるだろう？」って考えてたんですが、夜のレースで、せめぎ合ってるドライバーのフィーリングが見えたらおもしろいかも？　トップ独走中のドライバーは「スイスーイ」、「きもちいぃいい！！」で、追いかける立場のドライバーは「いけー！」、「いっけーー！！」、コーナーでちょっと攻めすぎちゃったりしたら「やば！！！！！！」とか……。エキシビジョンレースでもいいんで、企画してみてもらえませんかねぇ？