車のエンタメ
更新日:2018.10.27 / 掲載日:2016.03.30
ホンダ「N360」のアメリカ輸出1号車復活へ
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
日本にくらべてアメリカやヨーロッパは旧車好きが多い。きちんと手入れをして長年乗り続けていても低年式車というだけで自動車税が重課となる日本とはちがって、欧米ではビンテージカーは税制も優遇されているという背景もあるとはいえ、47年前の日本車をフルレストアするというのだから「アメリカってロマンがあるなぁ!」って思っちゃうでしょ?
今回レストアされるのは、1967年に発売されたホンダ初の量産型乗用車「N360」の輸出モデル「N600」。しかも、プレートに車体番号「N600-10000001」が刻まれた個体、つまりアメリカにテスト車両としてはじめて輸入されたホンダ車なんである。
めっちゃ大事にされてきたわけでもなさそうで、ボディはあちこち錆びているし、内装もボロボロ、エンジンも足回りももちろん走れる状態ではない。ふつうなら、こんな状態のクルマがガレージから発掘されてもそのまま放置して朽ち果てさせるか、さっさとスクラップにしてしまうところだろう。実際、この「シリアル #1」もスクラップ寸前のところで、世界で唯一のN600専門レストアショップを営むティム・ミングスさんのもとにやってきたのだからラッキーとしか言いようがない。やっぱり運命ってあるんじゃないかなぁ、と思わされてしまう。
父の愛車だったN600にこどものころから憧れ、これまでに300台以上のN600をレストアしてきたティム・ミングスさんにとっても、このシリアル #1との出会いは特別なものだったという。パーツをひとつひとつていねいにはずして必要なメインテナンスを施し組み上げていくプロジェクトは、まだはじまったばかり。「フルレストアが完成したら、この特別な1台を誰もが見て楽しめるように博物館に展示する」そうで、作業の様子は今後、特設のウェブサイトでも公開していく。
「Nコロ」の愛称で親しまれたN360も、終売からすでに44年。修理するにしてもパーツの入手は困難で、ティム・ミングスさんは自身であらゆるパーツをストックしている。N600のスペシャリストとしてティム・ミングスさんが取材を受けた2014年の動画には、ガレージの様子やレストア前のシリアル #1も登場しているので、併せてご覧あれ。