車のエンタメ
更新日:2021.10.07 / 掲載日:2021.10.07

大人が楽しむ!「はたらくくるま」図鑑 オーテックジャパン編<2>

スーパーロングボディ・ワイド幅、ハイルーフ仕様のマイクロバスがベースとなる。※写真は旧型ベース。もちろん現行キャラバンにもラインナップされている。

●取材・文:鈴木ケンイチ ●写真:鈴木ケンイチ、日産自動車、オーテックジャパン

 街で見かけるワンボックスカーの“はたらくくるま”の中で、ノーマルのように見えても、その中身は仕事に特化した改造が加えられている。そうした改造したクルマは特装車と呼ばれる。今回は、そんな特装車を生産するオーテックジャパン社を訪ねた。どんな会社なのか? どんな改造が加えられているのかをチェックした

“はたらく”キャラバン 三態!!『幼児通園専用車』

幼児専用シートで25人もの定員を実現

 幼稚園や保育園などで使われる送迎バスは「幼児専用車」と呼ばれる。ネーミングからもわかるように、普通のマイクロバスやミニバンではなく、幼児のために専用にしつらえられたクルマで、れっきとした保安基準が存在する。

 座席の寸法にはじまり、通路の寸法、非常口の設置義務、幼児バスの表示など、細かなルールが存在している。「幼児バス」の三角のマークは、保安基準で定められたものであったのだ。

 面白いのは、幼児はシートベルトの脱着が難しいので、緊急時の脱出のため、シートベルトの装備義務が除外されていること。そのかわりシートバックの背が高くなっていて、保護パッドがついている。ただし、シート前後の寸法は、子どもサイズ。大人が座ることは困難だ。また、車内右側に5列あるシートは3人掛けで、左側3列のシートは2人掛け。この8列のシートに、幼児を21人も乗せるのだ。

 それに前席に2人、サイドのドアの前に1人、車両後部に1人の大人用のシートもある。つまり、この車両は大人4人と幼児21人、合計25人を運ぶことができる。通常のキャラバンは、マイクロバス仕様でも14人乗りだ。幼児専用車にすることで、11人も多くの人が運べることになる。

 ちなみに日産では、他に大人2人と幼児12人という仕様も用意されている。ニーズにあわせて、乗車人数を選べるようになっている。

 たくさんの幼児を運ぶことに特化した“はたらくくるま”は、安全性も幼児用に特化しているのだ。
仕様:大人4人+幼児21人乗り ボディタイプ:スーパーロングボディ・ワイド幅 ルーフ形状:ハイルーフ 寸法:全長5230×全幅1880×全高2285㎜ エンジン:2.5リッター水冷直列4気筒ガソリン・エンジン 最高出力:108kW(147馬力)/5600rpm 最大トルク:213Nm/4400rpm 5速AT 価格:392万8100円〜423万9400円

限られた空間で子どもたちがいかに快適に安全に過ごせるか。そこかしこにノウハウが詰め込まれている。
前後のシート間隔は幼児サイズ。手のひらよりも短い前後165㎜。座面もわずか前後240㎜しかない。
車両中央と車両最後尾に2つの保護者席が設置される。大人用なので、シートベルトが装備される。
非常口の設置が義務なので、後部ハッチバックには車内から開閉するハンドルが備えられている。
座席の下は、床面が高くなっていて、背の低い幼児でも、窓から外が眺められるようになっている。

スライド方式の窓は、開口部が80㎜に制限されている。幼児が顔を出したり外に落ちないための基準だ。
この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ