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タイヤ交換
更新日:2025.07.17 / 掲載日:2025.07.16

何もかもが進化したミシュラン PRIMACY 5を体験!【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ミシュラン

 昨今のタイヤの進化は目覚ましい。発売当初ゴツゴツした乗り心地のエコタイヤは快適になり、SUVブームに対応するように専用タイヤがラインアップされるようになった。というか、どれも皆広く認知され、リプレイス用タイヤのカテゴリーを確立している。

 また、昨今のトレンドとしてウェット性能が各ブランドとも非常に良くなっている。これは高出力になったクルマ自体がウェット面でのパフォーマンスを意識したことによるもので、それに沿うようにタイヤもまたパフォーマンスを上げた。今やフェラーリやポルシェのドライブモードにも“ウェット”は標準装備される。「ハイパワーカーは雨の日に乗るものんじゃない」というのは、ひと昔前の話だ。

プレミアムコンフォートの代表選手。その最新作「ミシュラン PRIMACY 5」

ミシュラン PRIMACY 5

 さて、新しくなったミシュランPRIMACY 5(プライマシー・ファイブ)である。PRIMACYシリーズは、言わずもがなプレミアムコンフォートタイヤの代表選手である。ミシュランの誇るスポーツ性能や静粛性を担保しながら、コンフォートな乗り心地を提供してくれるタイヤだ。OEタイヤとしても装着されているだけに、その恩恵を得ているドライバーは多いことだろう。

 PRIMACY 5はその最新版で、これまでラインアップされてきたPRIMACY 4+とPRIMACY SUV+を統合したものとなる。サイズ幅を広くして背の低いクルマから高いものまでに対応する。セダン、ミニバン、SUVといったように。

 では、何が進化したかというと、何もかもと言っていいだろう。ひとつのタイヤでSUVまでこなすのだから、構造からして違う。SUVの方が背の低いクルマよりも一般的に重量が増し、重心が高くなる。よってふらつきを防止するため横剛性を上げなくてはならない。さらにいうと、昨今のタイヤの進化論に接地面を大きくする方が走行状態を良くするというのがある。なので、ショルダーまでしっかり使って路面を駆るよう設計される。面圧が高いとか低いとかではなく、トラクションを稼ぐ接地面をとにかく増やすという理論だ。

ミシュラン PRIMACY 5

 なので、今回PRIMACY 5もそうした設計が施された。クルマに装着されたタイヤを縦方向から見るとわかるが、そのシルエットはこれまでよりもスクエアになっている。そのシルエットを例えるならロープロファイルのレーシングタイヤのようだ。

 そんな新しい構造のPRIMACY 5には新素材と新規のトレッドパターンが採用される。素材は新世代の合成ゴムで、濡れた路面での高いグリップ性能と低い転がり抵抗を手に入れた。トレッドパターンもウェット面をかなり意識。ショルダーの縦溝幅を広げ排水性能を上げたのはそのひとつだろう。しかも見た目も悪くない。パターンのレイアウトはタイヤ然としていて好印象だ。

ミシュラン PRIMACY 5

PRIMACY 5の実力をテストドライブで確認

 そんなPRIMACY 5をウェット状態でリアルに走らせてもらった。ミシュランが用意してくれたクローズドエリアでのテストドライブだ。そこで背の低いクルマでのウェット走行やミニバンでのスラロームやバンク走行などを体験した。

 結論から言うと、そうした走行でPRIMACY 5の走りは光った。ウェット路面でのグリップ性能は高く、ブロックのエッジがしっかり働いているのがわかる。排水性が高いのもそう。クルマを降りてからフェンダーを見るとしっかり跳ね上げた水の跡がライン状になっていた。トレッドパターンが見事に機能しているということだ。ミニバンの安定感にも驚いた。スラロームではステアリング操作で鼻先をイン側に向けると、しっかりリアタイヤが追従するのを感じる。しかもその時ロールを抑え込み、横方向へ安定したグリップ力を見せつける。多少大袈裟に聞こえるかもしれないが、これはリアルに実感できる挙動。

 また、このタイヤは耐摩耗性に優れていることも付け加えよう。それは新品タイヤと50%以上削った廃棄手前の状態をつくったタイヤを乗り比べて感じられる。

ミシュランはタイヤ業界の一歩先を目指している

 この性能の背景にはミシュランのサスティナブル戦略が関係する。彼らはライフサイクルの長いタイヤを開発・製造しているのだ。企業としてはライフサイクルが短い方が儲かりそうだが、あえてそれを長くし、廃棄タイヤを減らす計画を実行する。さらにいえば生産時の二酸化炭素発生を減らす工夫にも力を入れているメーカーなのだ。

 といったことを理解した今回のテストドライブ。タイヤテストをする機会は多いので、各メーカー努力しているのは理解しているが、ミシュランが目指しているのはさらにもう一歩先のような気がした。

自動車ジャーナリストの九島辰也氏(写真:ユニット・コンパス)
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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