タイヤ交換
更新日:2022.12.28 / 掲載日:2022.12.28
雪対策のスタッドレスタイヤ選び!みんなの重視するポイント/新顔の布製チェーンとは
いよいよ冬シーズンが到来。車にとって冬=雪対策で欠かせないのが「スタッドレスタイヤ」だ。雪国ではすでに履き替えた人もいると思うが、スタッドレスタイヤを購入する際に最も重視するのは「安全性能」で、メーカー選びでは「信頼」であることがMOTAの実施した「スタッドレスタイヤに関するアンケート」で分かった。
スタッドレスタイヤのメーカー選びの基準は「信頼」

同調査は、自動車総合ポータルサイト「MOTA」の運営などを行うMOTAが、車を所有しスタッドレスタイヤに興味を持っている120人を対象に10月に実施したもの。回答者のうち、「スタッドレスタイヤを持っている」人は68.3%。このスタッドレスタイヤ所有者に昨年の履き替え時期を質問すると、最も多かったのは「12月上旬」で39.0%。次いで「11月」が31.7%、「12月中旬」が12.2%となり、8割を超える人が年内に履き替えていることから、同調査におけるスタッドレスタイヤ所有者は降雪地帯の居住者が多いと判断できる。
所有しているスタッドレスタイヤのメーカーは、1位「ブリヂストン」(62.1%)、2位「横浜ゴム」(25.6%)、3位「住友ゴム(ダンロップ・ファルケン)(8.5%)で国内メーカーが上位を独占。その中でブリヂストンが他を引き離して断然トップとなっている。海外メーカーでは「ミシュラン」(4.9%)と「ピレリ」(3.5%)が続いている。
「タイヤメーカーとして信頼できると思えるメーカー」を聞くと、「ブリヂストン」が89・2%と高い支持を獲得して1位。次いで、「横浜ゴム」(55.0%)、「住友ゴム(ダンロップ・ファルケン)」(43.3%)、「ミシュラン(35.0%)」、「トーヨータイヤ」(30.0%)」となった。所有しているスタッドレスタイヤのメーカーの順位とほぼ同様になっていることから、自分が「信頼できる」と思えるメーカーのタイヤを選んでいることが分かる。
スタッドレスタイヤで最も重視するのは「安全性能」

「今後、スタッドレスタイヤを購入する際に最も重視するポイント」を質問したところ、1位「安全性能」(83.3%)、2位「価格」(70.0%)、3位「耐久性能」(57.5%)の順になった。スタッドレスタイヤは雪道やアイスバーンなど事故が起きやすい路面でのスリップを防ぎ、運転者や同乗者の安心・安全に直結する機能製品であるため、価格よりも「安全性能」に対するニーズが高いことが分かった。それ以外では「乗り心地」「低燃費性」「静粛性」と、スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤと同じような性能が求められている。
「今後の購入場所」については、「タイヤ専門店」が50.0%と半数の人がタイヤ専門店での購入を検討している。以下、「大型カー用品店」(40.8%)、「ディーラー」(27.5%)、「ガソリンスタンド」(13.3%)、「インターネット販売」(13.3%)と続いている。
布製のラインアップが拡充しタイヤチェーンの選択肢が拡大


スタッドレスタイヤは降雪地帯の必需品だが、非降雪地帯のユーザーにとって突然の降雪時に使用するのは「タイヤチェーン」だ。タイヤチェーンといえばかつては金属製か樹脂製だったが、最近は布製がシェアを伸ばしている。ポリオレフィンやポリエステルなどの繊維で作られており、ヨーロッパを中心に広く使われている。布製のためコンパクトかつ軽量で、小型車でも収納が容易であり、装着もタイヤに被せるだけと容易なので人気が高まっている。
スペインの「ISSE」(イッセ)は、2019年に日本市場に進出し、イッセ・スノーソックスの販売を開始。今年は「日本スペシャルサイズ」を導入して日本市場の攻略に力を入れている。
もともと欧米のタイヤを基準に設計された製品のため、近年日本で普及しているタイヤ幅145~165、12~15インチといった狭幅の小さなタイヤだと装着感がややゆったり目になることがあり、フィット感が課題となっていた。そこで、日本スペシャルサイズをラインアップに追加し、最も小さい54サイズと58サイズで布の裁断パターンを変更することで、より快適に走行できるように新製品を開発して投入した。
また、ノルウェーの「AutoSock」(オートソック)は早くから日本市場に参入しており、乗用車メーカーでは、日産自動車、ヒョンデ、ジャガー・ランドローバー、ボルボなどに加え、LindeやDAFTrucksといった商用車メーカーでも純正オプションとして採用されている。
イッセと同様に日本市場へのアプローチを強化しており、軽乗用車や軽バン向けサイズのラインアップを拡充することで、布製チェーンの普及を図っている。
雪国のユーザーはスタッドレスタイヤへの履き替え準備は万全だと思うが、準降雪地帯や非降雪地帯のユーザーはこれから冬支度を始める人が大半だろう。準備がまだなら、この冬はチェーン選びが楽しくなりそうな、そんなラインアップが揃ってきた。
出典:アフターマーケット 2022 年 12月号