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故障・修理
更新日:2025.09.12 / 掲載日:2020.10.19

スタッドレスタイヤの寿命と見分け方|長持ちのコツも徹底解説

スタッドレスタイヤの寿命は、見た目だけでは判断がつきにくいものです。溝が残っていても、ゴムが硬化していればグリップ力は大きく低下し、雪道や凍結路でスリップを起こすリスクが高まります。そのため、摩耗や劣化に気づかず使い続けると、事故につながる危険性が高くなるので注意が必要です。

とはいえ、「いつ交換すべき?」「まだ使えるか不安」と悩む人も少なくありません。

そこでこの記事では、スタッドレスタイヤの寿命を見極める具体的なチェックポイントや、劣化を早めるNG行動、寿命を延ばす正しい使い方まで丁寧に解説します。

1. スタッドレスタイヤの寿命目安

スタッドレスタイヤを着用した車(イメージ)

スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路でもしっかりグリップする冬専用のタイヤです。見た目に問題がなくても、ゴムが劣化していると本来の性能が発揮されません。

「まだ溝があるから大丈夫」と思っていても、劣化が進んだ状態では安全性が大きく低下し、思わぬ事故につながる恐れもあります。

ここでは、スタッドレスタイヤの寿命の目安と、走行距離や保管状態による違い、さらに7〜10年使っても問題ないのか、といった疑問にもお答えします。

(1) 一般的な寿命は3〜5年

スタッドレスタイヤの寿命は、一般的にタイヤの製造から3〜5年程度が目安とされています。これはタイヤの摩耗だけでなく、ゴムの経年劣化が影響してくるためです。

スタッドレスタイヤは、低温でも柔らかさを保てる特殊なゴムを使用しており、この柔軟性が雪道や凍結路でのグリップ力を発揮しています。ただし、ゴムは時間の経過とともに硬化していくので、使用していなくても性能は劣化します。

そのため、溝が十分に残っていても、ゴムが硬化していると路面への密着力が落ち、雪道や凍結路でスリップするリスクが高くなります。

3年を過ぎたあたりからスタッドレスタイヤの状態を定期的に確認し、必要であれば交換を検討するとよいでしょう。5年以上経ったタイヤは、性能が大きく低下しているので使用は避けましょう。

(2) 使用年数・走行距離・保管環境でも違う

スタッドレスタイヤの寿命は、使用年数や走行距離だけでなく、保管環境によっても影響を受けます。

たとえば、走行距離が少なくても、屋外での保管や直射日光にさらされた状態が続くと、ゴムの劣化は早まります。反対に、温度や湿度の管理が行き届いた場所で保管されていれば、性能の低下をある程度抑えられることもあります。

また、冬季以外もスタッドレスタイヤを履き続けていると摩耗が進むため、寿命を縮める原因になります。ただし、ゴムの硬化は外観からは判断がつきにくいため、装着前に販売店や整備工場で点検を受けることをおすすめします。

(3) スタッドレスタイヤの寿命を7年や10年もたせられる?

スタッドレスタイヤは、一般的に5年以内の使用が推奨されています。一方で、「寿命は7年程度あるのでは」「10年近く使えた」という声も見られます。

近年はゴムの素材や設計の改良により、タイヤの劣化スピードが緩やかになってきました。ただし、7年や10年の長期使用を前提にするのは現実的ではありません。溝が十分に残っていても、ゴムが硬化していると雪道や凍結路でのグリップ力が落ち、スリップする危険性が高くなるからです。

とはいえ、保管状態が適切であれば、5年を過ぎても一定の性能を保っているケースもあります。そのため、もし購入から5年以上経過しているタイヤを使用する場合は、販売店や整備工場などで一度点検してもらうと安心です。

長く使いたい場合も、見た目だけで判断せず、安全性を第一に考えて適切な判断をしましょう。

2. スタッドレスタイヤの寿命を超えて使用する危険性

雪道を走行している車(イメージ)

寿命を過ぎたスタッドレスタイヤは、見た目に異常がなくても性能が大きく落ちていることがあります。とくに冬場や雨天時はグリップ力が不足し、事故につながるリスクが高まります。

ここでは、寿命を超えたタイヤを使用する危険性を3つ紹介しましょう。

(1) 雨天時に滑りやすくなる

そもそもスタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤに比べて排水性が低く、制動距離が長くなる傾向があります。さらに、スタッドレスタイヤが摩耗すると溝が浅くなり排水性は大きく低下します。

その結果、タイヤと路面の間に水の膜が残りやすくなり、ハイドロプレーニング現象(タイヤが水の上を滑る状態)を引き起こしやすくなります。この現象が起こると、ブレーキやハンドル操作が効かなくなるため大変危険です。

(2) ブレーキをかけても止まりにくくなる

寿命を超えたタイヤは、ゴムの柔軟性や摩擦力が低下し制動力が落ちるため、ブレーキをかけてから停止するまでに、時間や距離がかかります。

とくに雪道や凍結路では制動距離が大きく伸び、追突やスリップ事故につながるリスクが高まります。

(3) パンクやバーストのリスクが高まる

タイヤの寿命が過ぎると、ゴムの強度や内部構造の強度が低下し、ガラス片や釘が刺さった際、ダメージを吸収しきれずにパンクしやすくなります。

さらに摩耗が進むと内部のワイヤー層が露出し、そこから腐食しやすくなり、最悪の場合は走行中にバースト(破裂)する危険もあります。

3. スタッドレスタイヤの寿命を見分ける方法

スタッドレスタイヤの寿命は、単に年数だけでは判断できません。使用状況や保管環境、タイヤの状態によっては、見た目に問題がなくても寿命を迎えている可能性があります。

ここでは、具体的な4つの見分け方を紹介します。

(1) プラットホーム

スタッドレスタイヤには「プラットホーム」と呼ばれる突起があり、これが冬タイヤとして使える寿命の目安となります。この突起は、溝の深さが新品時の半分(約5mm)になると露出してきます。

プラットホームが露出した状態になると、雪道や凍結路面で十分なグリップ性能が得られず、スリップする危険性が大きく高まります。事故を防ぐためにも、月に1回を目安にプラットホームが出ていないかチェックしましょう。

なお、簡易的なチェック方法として100円玉が便利です。タイヤの溝に100円玉を「1」の数字がある側から溝へ差し込み、「1」がすべて見えるようであれば、溝はかなり摩耗している状態と判断できます。

(2) スリップサイン

スリップサインは、タイヤの残り溝が1.6mm以下になると現れる、タイヤの溝の摩耗限界を知らせるサインです。

タイヤの側面には小さな三角マークがあり、その延長線上の溝の底に突起があり、これがスリップサインです。この突起(スリップサイン)と周囲のゴム面が同じ高さになると、そのタイヤは使用限界に達しています。

なお、スリップサインが1箇所でも露出していると、そのタイヤでの走行は法的に認められず、車検にも通りません。スタッドレスタイヤとしての性能はもちろん、通常のタイヤとしても使用するのは非常に危険です。早急に交換をしましょう。

(3) ゴムの硬化・キズやひび割れ

タイヤのゴムは年数の経過とともに硬化し、ひび割れやキズが発生しやすくなります。とくにスタッドレスタイヤは柔軟性が重要であり、硬くなった状態では雪道や凍結路で本来の性能を発揮できません。

さらに、タイヤ表面に小さなひび割れや亀裂があれば要注意です。細かいヒビがつながって広がっているようなら、バーストの危険性も高まります。

気になる場合は、タイヤ販売店で専用の「硬度計」によるゴムの硬さのチェックや、点検を受けることをおすすめします。

(4) タイヤの製造年から判断

スタッドレスタイヤは、未使用でも製造から時間が経つと劣化が進みます。

タイヤ側面にある4桁の数字で「製造週」と「製造年」が確認できます。たとえば、「3824」と記載があれば2024年の第38週を意味します。

一般的には、製造から3〜5年を超えていると性能が低下している可能性があるため、目安として交換を検討しましょう。

4. スタッドレスタイヤの寿命を縮めるNG使用例

スタッドレスタイヤは適切に使えば3〜5年は使用できますが、使い方を誤ると一気に寿命が縮まってしまいます。

とくに、無意識のうちに劣化を早めているケースもあるため注意が必要です。

ここでは、スタッドレスタイヤの寿命を短くしてしまう3つのNG使用例を紹介します。

(1) スタッドレスタイヤを夏も使う

スタッドレスタイヤを夏も使い続けるのは厳禁です。夏のアスファルトは60℃以上になることもあり、スタッドレスタイヤの柔らかいゴムは急速に摩耗します。

さらに、スタッドレスタイヤは高温路面への耐性が低く、タイヤ内部の温度が上昇しやすいため、バーストの危険性も高まります。

見た目は問題なくても、グリップ力や排水性能は確実に劣化しており、いざというときに制動距離が長くなるリスクがあるのです。

(2) タイヤワックスを使う

タイヤワックスを使用するとツヤや光沢を与えますが、種類によってはタイヤの劣化を早める可能性があります。とくに油性タイプのワックスはツヤが長持ちする反面、硬化や劣化をさせやすい成分が含まれているため注意が必要です。ワックスを使用する場合は、あらかじめ「油性」か「水性」か確認するとよいでしょう。

(3) スタッドレスタイヤを屋外で保管する

スタッドレスタイヤを屋外で直射日光や雨ざらしの状態で保管すると、ゴムの劣化が急速に進みます。紫外線や熱、湿気の影響を受けやすく、表面のひび割れや硬化につながるからです。

また、タイヤを縦置きに保管すると、重みがタイヤの接地面に集中し変形の原因にもなります。

5. スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法

スタッドレスタイヤをメンテナンスしている様子(イメージ)

スタッドレスタイヤを長持ちさせる方法は以下の4つです。

1. 空気圧を月1回チェックする
2. 定期的にローテーションする
3. タイヤに優しい運転を心がける
4. 紫外線や雨を避けて保管する

順にご紹介します。

(1) 空気圧を月1回チェックする

空気圧は見た目では判断できないため、最低でも月に1度は点検しましょう。

空気が足りないと両端が摩耗しやすく、逆に高すぎると中央部分ばかりが減る「偏摩耗」の原因になります。

空気圧のチェックはガソリンスタンドやカー用品店で無料で対応してもらえることも多く、5分程度で完了します。

車に記載されている「指定空気圧」に合わせて調整することが大切です。

(2) 定期的にローテーションする

タイヤは取り付ける位置によって摩耗の進み方が異なります。

とくに前輪はカーブやブレーキ時に負荷が大きく、摩耗が進みやすい傾向にあります。前後を定期的に入れ替えることで摩耗を均一にでき、タイヤを長持ちさせることが可能です。

目安として5,000kmごと、またはシーズンごとのローテーションがおすすめです。交換前に装着位置を記録しておくと、再装着時にも役立ちます。

(3) タイヤに優しい運転を心がける

急ブレーキや急発進、急ハンドルといった操作は、タイヤに大きな負荷をかけ、摩耗や劣化を早めてしまいます。

また、段差や悪路を勢いよく通過する行為もダメージの原因になります。日頃から丁寧な運転を意識することで、タイヤの寿命を延ばすことができます。

(4) 紫外線や雨を避けて保管する

スタッドレスタイヤは使わない時期の保管方法も寿命を左右する重要なポイントです。

直射日光や湿気の多い環境で保管すると、ゴムが劣化しやすくなります。

保管時は日陰や室内など、温度変化の少ない場所を選びましょう。ホイール付きの場合は空気を半分ほど抜き、平積みするのが基本です。タイヤカバーやラックを併用すれば、より安心です。

6. タイヤに関することはグーネットピットにお任せください

スタッドレスタイヤの寿命は、使い方や保管状態によって大きく左右されます。

見た目では判断しにくい劣化もあるため、走行距離や年数にかかわらず、こまめな点検と正しいメンテナンスが欠かせません。

「そろそろ交換したほうがいい?」「今のタイヤ、まだ使える?」と感じたら、プロに見てもらうのが確実です。

グーネットピットなら、お近くの整備工場を簡単に検索でき、ネットからそのまま点検や交換の予約も可能です。

愛車と安全を守るために、ぜひ一度ご活用ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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