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更新日:2025.11.28 / 掲載日:2023.06.27
プリウスで車中泊はできる?おすすめ理由や持っていきたいグッズ18選

場所や時間にしばられずに自由な旅を楽しめる車中泊は、近年大きく注目されています。
車中泊といえばミニバンやワゴン車をイメージする人が多いかもしれませんが、実はトヨタの人気車プリウスも、車中泊におすすめの車です。
この記事では、車中泊にプリウスをおすすめする4つの理由を詳しく解説します。また、プリウスで車中泊をする場合に用意しておきたいグッズや、気をつけるべきポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1. プリウスが車中泊におすすめの理由4選

プリウスは車高が比較的低いセダンタイプの車です。そのため、プリウスは車中泊向きの車ではないと感じる人も多いでしょう。
しかし、プリウスに搭載されている装備は車中泊との相性が抜群です。ここでは、プリウスが車中泊におすすめできる理由を4つ説明します。
(1) 広いスペースを確保できる
プリウスは後部座席の背もたれを前に倒して格納することで、大人が横になって就寝できるスペースを作れます。
例えば、プリウス60系 グレード:Z(2WD)の場合、幅最大1,140mm・最小940mm、奥行1,980mmのスペースを確保できます。

出典:車種別シートアレンジ : プリウス、プリウスPHV丨トヨタ
このスペースを確保したうえで、マットを敷いたり、車内の温度を調節したりすれば、車中泊とは思えないほど快適に過ごせます。
(2) 電化製品を使える
プリウスの60系には、センターコンソール後部と荷室左側の2ヵ所に、AC100V・1500Wのコンセントが設置されています。50系も年式によって分かれますが、2020年の一部改良により、全車標準装備されています。
このコンセントは、ハイブリッドシステムを起動(READY状態)しているときに使用でき、AC100V機器を合計1500Wまで使うことが可能です。スマートフォンやゲーム機の充電はもちろん、ホットプレートや炊飯器、ノートパソコンなどの小型家電も使えます。
参照:トヨタの給電丨トヨタ
(3) 収納スペースが充実している
プリウスにはさまざまな場所に収納スペースが装備されており、荷物が自ずと多くなりがちな車中泊でも安心・快適に過ごせます。
例えば、運転席と助手席の間にはコンソールボックスが設けられています。フタを閉めた場合、コンソールボックスに入れた荷物は外から見えません。車中泊の際に貴重品入れとして活用してもよいでしょう。
また、プリウスのすべてのグレードで、ドリンクホルダーがフロントドア・リアドア・コンソールボックスに設置されています。
その他にも、シートバックポケットやグローブボックスなど、収納スペースが豊富に用意されているのもプリウスの魅力です。
(4) 緊急通報システムに対応している
プリウスは、万が一の場合に緊急通報ができる「ヘルプネット」というシステムに対応しています。ヘルプネットとは、事故や急病時にボタンを押すだけで専用オペレーターにつながり、救急車や警察への連絡を代わりに行ってくれるサービスです。
オペレーターが消防や警察に緊急車両などを手配してくれるため、車中泊しているときに車内で動けなくなるような事態が生じた場合でも安心できます。車の位置情報は自動的にオペレーターへ送信されるので、現在地がわからなくても心配いりません。
なお、ヘルプネットを利用するには、T-Connect対応ナビやディスプレイオーディオの設定が必要なので、車中泊に出かける前に、ヘルプネットを利用できる状態かチェックしておきましょう。
2. プリウスで車中泊をするための準備
ここではプリウスで車中泊をするために、最初におさえておきたい準備の仕方を紹介します。
(1) 就寝場所の確保
プリウスで快適に車中泊する際は、トランクも活用してスペースを確保した上で、就寝場所をフラットにすることが不可欠です。
まずは以下の手順でスペースを確保しましょう。
1. フロントシートを前方へスライドさせ、背もたれを前に倒し、座面を一番高くする
2. 後席のロックを解除し、背もたれを前方へ倒す(参照:リヤシート丨プリウス)
スペースを確保したら、寝心地をよくするための準備です。グレードによってはリヤシートと荷台の間には若干の段差があるため、厚手のタオルやマットなどを敷いて平らにしましょう。

出典:車種別シートアレンジ : プリウス、プリウスPHV丨トヨタ
(2) 電源の使用方法の確認
プリウスに搭載されたAC100V・1500Wのコンセントは、車中泊時に電化製品を使いたいときにとても便利です。
使用方法は簡単で、まずパーキングブレーキをかけブレーキを踏みながらパワースイッチを押します。READYインジケーターの点灯を確認後、AC100Vスイッチを押すと作動表示灯が点灯し、コンセントが使用可能になります。フタを開けて電気製品のプラグを差し込むだけで、最大1500Wまでの電化製品が使えます。
なお、システム作動中はエンジンがかかる可能性があるため、換気の良い場所に車を停めましょう。
また、消費電力は電化製品の種類によって異なるため、使用前に必ず消費電力を確認することが大切です。アース線のある電化製品を使うときは、市販の変換プラグを用意する必要があります。
コンセントの使用をやめるときは、最初に電気製品の電源を切り、次にAC100Vスイッチを押してOFFにしてから、電源プラグをコンセントから外します。
3. プリウスで車中泊する際におすすめのグッズ

車中泊に適した装備を持つプリウスですが、便利なグッズを用意しておくことで、さらに快適で質の高い車中泊が楽しめます。ここでは、プリウスでの車中泊におすすめしたいグッズを、5つのカテゴリに分けて紹介します。
(1) プライバシーを守るグッズ
① カーテン・シェード
車中泊での就寝中に車内の様子が外から見えてしまうことは、防犯上あまり好ましくありません。
とりわけ、人や車の通りが少ないスポットや夜間は、トラブル発生のリスクが高くなります。安全のためにも、車用のカーテンやシェードを用意しておきましょう。
カーテンやシェードを取りつけ、車内のすべての窓を目隠しすることで、プライバシーを守れます。布やタオルでの代用も可能ですが、長く使うことを想定すると、高品質のメーカー品を用意しておくのがおすすめです。
また、カーテンやシェードを装着すると、プライバシー保護だけでなく外からの光や冷気を遮ることもできます。
(2) 寝心地を良くするグッズ
① マット
運転席・助手席を倒したり、後部座席を格納したりすることで広いスペースを作れるプリウスですが、多少の段差ができるのは避けられません。
車中泊の場合、仮眠や就寝の際に、いつもなら気にならないような段差が気になるというケースはよくあります。そこで、できるだけフラットな寝床を作れるようマットを用意しておくと便利です。
段差を解消すると体への負担が軽減されるため、より快適な休息時間を過ごせます。
② 寝袋(シュラフ)
キャンプで使用するイメージの強い寝袋ですが、プリウスの車中泊でも役立つグッズです。積み下ろしの容易さや収納性、防湿性、衛生面に優れ、暖かくして眠れます。
さまざまな種類や価格帯の商品が販売されているため、好みの寝袋を探すのも楽しみ方の一つです。
(3) 快適に過ごすグッズ
① 電気ケトル
プリウスにはAC100V・1500Wのコンセントが備えつけられているため、1500W以下の消費電力の電気ケトルを用意すればお湯を沸かせます。ホットコーヒーや味噌汁などの温かいものを車内で口にできると、車中泊がより楽しい時間になるでしょう。
② ランタン
カーテンやシェードで窓を目隠しした暗い車内でも、ランタンがあれば読書などをして過ごすことが可能です。
ガソリンや灯油を利用するランタンも売られていますが、火災発生の危険があります。電池や充電式バッテリーで作動するLEDランタンを用意しておくとよいでしょう。
③ 虫よけアイテム
駐車場所や季節によって多少の違いはありますが、車中泊では虫が気になるケースも少なくありません。ドアや窓の開け閉めの際に虫が車内に入らないよう、虫よけアイテムを準備しましょう。
例えば、車内の風通しを良くしながら虫の侵入を防げるメッシュ状の防虫ネットや、防虫効果つきの芳香剤などがおすすめです。
④ 冷温庫
ポータブルタイプの冷温庫は、車中泊時の便利グッズの一つです。例えば、暑いときにはよく冷えたスポーツドリンクを、寒いときには温かいココアを飲むことで、ゆったりとしたひと時を過ごせます。
⑤ 耳栓
サービスエリアで車中泊をしているときに、大型トラックなどのエンジン音が気になるケースがあります。そのような場合には耳栓がおすすめです。
耳栓にはさまざまな種類がありますが、長時間使用することの多い車中泊では、耳が痛くなりにくくフィットしやすいシリコン製のものを選ぶとよいでしょう。
⑥ ポータブル電源
プリウスで車中泊をする際、ポータブル電源があるとより快適になるでしょう。プリウスにはAC100Vのコンセントが搭載されていますが、これはハイブリッドシステムを起動しているときのみ使用できます。就寝中はエンジンが自動で始動する可能性があるため、静かに過ごしたい夜間はポータブル電源を使うのがおすすめです。ポータブル電源であれば小型の扇風機や電気毛布を就寝時に使えるため、快適に過ごせます。
容量は1泊2日であれば500~1,000Wh、2泊3日であれば1,000~1,500Wh程度が目安です。
(4) 暑さ・寒さ対策グッズ
車中泊では外気温の影響を受けやすいため、季節ごとの暑さ・寒さ対策が大切です。とりわけ夜間は気温変化が大きい傾向にあるため、暑さ・寒さに備えておきましょう。
① 断熱シート
断熱シートを活用することで、夏は車内の温度上昇を抑え、冬は温かい空気を逃がしにくくなります。窓に貼るのとあわせて、床にも敷くとより効果的です。
② 冷感パッド
冷感パッドは、省エネルギーで簡単に暑さ対策ができるグッズです。ホームセンターなどで、比較的手に入りやすい価格で販売されています。
速乾性インナーと併せて使えば、清涼感がさらに高まるでしょう。
③ 小型扇風機
車内で電化製品を使えるプリウスでは、車中泊の暑さ対策に小型扇風機を利用できます。エアコンでは冷えすぎてしまう場合でも、扇風機の優しい風であれば体への負担は軽減されます。
④ カイロ
短時間で発熱するカイロは、車中泊の寒さ対策に適しています。首のうしろや背中などに貼ることで、体全体を効率的に温めることができます。
⑤湯たんぽ
湯たんぽは手軽な寒さ対策の一つです。プリウス搭載のコンセントで電気ケトルを使ってお湯を沸かせば、すぐに体を温められます。
⑥ 電気毛布
膝にかけたり、カーペット代わりに敷いたりして使える電気毛布。着るタイプや電磁波をカットしたものも売られているため、自分に合った電気毛布を探してみるのも楽しいでしょう。
(5) 非常時に助かるグッズ
車中泊をしているとさまざまな事態に遭遇することがありますが、以下のグッズを備えておけば安心して過ごせます。
① レインブーツ
ゲリラ豪雨が発生した場合、雨が降っている間は車内で過ごせば問題ありません。しかし、雨が止んだあとに、駐車位置によっては水たまりが残ることがあります。
車からの出入りをスムーズにするため、折りたためるタイプのレインブーツを準備しておくのがおすすめです。
② 消臭・除菌スプレー
車のシートは匂い物質を吸着しやすい傾向があるため、車内で飲み物などをこぼした場合は、すぐに対処する必要があります。特にしょうゆやビールは匂いが強く残りやすいため、消臭・除菌スプレーを用意しておくと安心です。
③ トイレットペーパー
夜間に多くの車が駐車するサービスエリアなどでは、朝方にトイレットペーパーが品切れになる場合があります。トイレ利用時に困らないよう、トイレットペーパーを1個は持っておきましょう。
4. プリウスで車中泊するときの注意点

プリウスで車中泊を快適・安全に行なうために、注意したいポイントを紹介します。
(1) 大人2人は狭く感じることがある
プリウスは車中泊に適した車ではありますが、大人2人で寝る場合はやや狭く感じることがあります。夫婦やカップルでの車中泊を検討している場合は、出かける前に実際に寝てみることをおすすめします。
(2) エンジンのかけっぱなしは避ける
車中泊の際、エンジンをかけっぱなしにしておくことは安全面で問題があります。エンジンをかけたまま車内で長時間過ごすと、排気ガスが入り込み、一酸化中毒を引き起こす危険性があるためです。
また、運転席で仮眠する場合は、無意識のうちにアクセルやシフトレバーに触れてしまい、事故の原因となるリスクもあります。
そのため、一晩中エンジンをかけたままにすることは避けるようにしましょう。
(3) アイドリングストップ条例に違反しないように気をつける
地域によっては、駐停車中にエンジンをかけたままにしておくと「アイドリングストップ条例」に違反する可能性があります。
AC100V・1500Wのコンセントを使っていると、電力供給のためにエンジンが自動で始動する場合があるため、もし不安であればポータブル電源を検討したほうがいいかもしれません。
(4) 防犯対策をする
車中泊では、車内への侵入や盗難に対して万全な対策を取ることが大切です。
車内が外から見えないよう窓を目隠ししておくことはもちろん、貴重品やバッグはそのまま車内に置かず、カバーをかけたり収納スペースにしまったりしておきましょう。
(5) エコノミークラス症候群を予防する
食事・水分をよく取っていない状態で長時間足を動かさないでいると、血行が悪くなり血液が固まりやすくなります。血液が固まってできた血栓が血管を流れ、肺に詰まって呼吸困難などを引き起こす病気が、エコノミークラス症候群です。
エコノミークラス症候群の予防のために、車中泊ではできるだけ広くてフラットなスペースを作り、こまめにストレッチやマッサージを行なって血行促進に努めましょう。
また、空気の乾燥や水分摂取不足も血栓が生じやすくなる原因です。濡れタオルなどで車内の湿度を調整し、適度な水分補給を意識してください。
(6) 駐車位置に配慮する
車中泊では、「車を停められるならどこに駐車しても良い」というわけにはいきません。駐車場での仮眠は許可されていても、車中泊は認められていない場所も多くあります。
やむを得ないケースを除き、車中泊専用施設「RVパーク」や車中泊用のシェアリングスペース、オートキャンプ場などに駐車しましょう。
5. プリウスの車中泊に関してよくある質問
(1) プリウスで車中泊はできますか?
プリウスでも快適な車中泊が可能です。
車中泊はワゴンやミニバンのイメージが強いですが、プリウスは「十分な就寝スペースを確保できる」「車内にAC100V・1500Wのコンセントがある」「収納スペースが豊富」「緊急通報システムに対応」といった特徴から車中泊に適した車両といえます。
(2) プリウスで車中泊をする際、エンジンをかけっぱなしにしておくと危険ですか?
エンジンのかけっぱなしは、さまざまなリスクを引き起こします。バッテリーへの過度な負担や燃料の無駄な消費もありますが、とくに注意すべきは一酸化炭素中毒です。密閉された空間でエンジンを稼働させ続けると、排気ガスが車内に入り込む可能性があります。安全のために、エンジンをつける場合は窓を少し開けて換気することが重要です。
また、地域によってはアイドリングストップ条例違反となる可能性もあります。
(3) プリウスは何人まで車中泊できますか?
プリウスでの車中泊は大人1人がベストです。2人になるとやや厳しくなり、それ以上の人数は難しいでしょう。
6. プリウスで車中泊を楽しもう
トヨタのプリウスはシートのアレンジによって広いスペースを確保でき、コンセントや豊富な収納スペースを利用できるため、車中泊におすすめの車です。
マットや寝袋、電気ケトルなどのグッズを事前に準備しておくと、プリウスでの車中泊がより快適なものとなります。
車中泊を実施する際には、防犯や暑さ・寒さへの対策も欠かせません。また、体への負担を軽減するために、水分補給やストレッチも重要です。
注意点をしっかり押さえながら、プリウスでの楽しい車中泊をぜひ検討してみてください。
