オイル交換
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.14

禁断のクルマ実験室 燃料給油口に着火源があるとどうなるのか?

給油口に着火すると、タンクが爆発するか?実験

 ガソリンは揮発成分があり引火性が高いのは良く知られている。またガソリン蒸気は空気より重く滞留しやすいので空気と混ざって着火可能な混合気になっていると、離れた場所から引火したり、爆発的に燃えることがある。例えば、閉め切ったガレージ内で車内側から燃料タンクのサービスホールを開けていたり、トラックの荷台内にある携行缶や作業機械へ直に給油するような状態が危険である。
 最近は耳にしなくなったが給油中の引火事故も実際にあった。ちなみにセルフスタンドでは、静電気除去部に触れてから給油することになっている。
 ここでのテストは、給油口で引火した時、その火はタンク内に到達するのかを確認するために行ってみた。
 給油口を開けるとプシューッと音がするが、あれはタンク内のガソリン蒸気が出てくる音。ガソリン蒸気は、大気中に放散すると大気汚染源になるので、チャコールキャニスターで吸着させるようになっているが、タンク内でもある程度の圧力までは保持するようになっている。
 そこでこの蒸気に火がつくように、あらかじめライターの火を給油口付近にセットしてから開けるようにする。給油口を外すと、シューッという音とともにボワッと火が上がり熱気を感じるが、すぐに小さくなる。放出された蒸気が燃えたあとも、給油口内部には湿潤したガソリン分があり、チョロチョロと燃えている。
 どうなるのか観察してみると、火は奥に進もうとするものの、徐々に小さくなって、40秒ほどで白い煙を上げながら消えていった。
 もう1回テストするため、給油口内が濡れる程度に垂らしてから点火してみる。蒸気が吹き出すときよりも穏やかな燃えはじめだが、1分足らずで消えていく。もう1回やっても同じだと思ったが、今度は火が小さくなってから種火みたいに残って内部の樹脂が燃えていた。しかしこれも全部は燃えず、自然と消えていった。
 給油口のような狭い部分では、酸欠になるので奥まで火が入っていくということはなさそうだ。火が付いたとしても落ち着いてフタをすればいい。ただし、給油中でパニックを起こして撒き散らすと危険。その場合は消化器に頼るしかない。

※専用施設等において専門家の指導のもと取材しています。

直火を近づけておき、内圧の掛かった状態の燃料キャップを外す!

燃料タンクにはガソリンの蒸気が溜まっていて、給油口を開くとプシューっと音がする。このガソリン蒸気が大気の酸素と混ざると簡単に火がつく状態になる。

火は奥まで入らず、入り口付近でチョロチョロ燃える

給油口内部も湿っているので、着火後はしばらく燃えている。火はメラメラと大きさを変えていくが、火柱が上がるようなことはなく、徐々に収束していく。

<実験結果> 口元で燃えるが、自己消炎する。やり過ぎは樹脂部品を溶かす

火は給油口のパイプの奥まで進むことはなく。自然に消える。奥はガソリン蒸気があっても酸素が無く過濃混合気なので燃えない。

ガソリンを垂らしてテストを繰り返していたら、白い樹脂部も燃えて溶けていた。樹脂モノはこういうときがちょっと怖いかも。

<実験結果> 身近な液体燃料の燃え方をチェック

ガソリンスタンドで入手できる軽油や灯油の燃え方をチェック。左からガソリン、軽油、灯油。

揮発分のあるガソリンは液の上に火が付くが、灯油や軽油には引火しない。ただし、布などに染み込んだ状態だとよく燃えるようになる。また非常に高温になれば、蒸気が発生して表面着火する。

染み込ませると軽油や灯油も着火。



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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