車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.01.17 / 掲載日:2019.02.12
【グー連載コラム】What’s車検 (2019年2月)

クルマの健康診断が車検。好調を維持するために欠かせないですが、思わぬ落とし穴があることも。車検を問題なくパスするためのポイントを伝授
(掲載されている内容はグー本誌2019年3月号の内容です)
【今月のテーマ】通るor通らないの境界線とは? 数字で決められた基準を改めておさらい&確認

まぶしい! でも基準はないんです
最近とくに気になるヘッドライトの明るさ
最近、LEDやHIDが普及してきているが、今度はまぶしさが気になるようになってきた。集光性の高いプロジェクターだとなおさら。ただし実は明るさについて上限はないのだ。純正でもかなりまぶしいことがあるだけに、規制は必要かもしれない。
数値で決められている項目は客観的に合否が判断される
車検というのはクルマの健康診断であり、身体検査でもある。つまりなんとなく見て、適当に合格か不合格かを判断しているのではなく、基準に沿って検査官は確認をしている。それは法律で決められているのだが、なかには曖昧なものもある。たとえばライトの色は、最近増えている白色は純正では問題ないが、社外のバルブだと境界線が判断しづらく、検査官の判断で決まることもある。色味は色温度という数値で測れるが、実際には車検場にテスターはなく、結局主観的な判断になるわけだ。
もちろん経験による判断なので無茶ではないのだが、車検項目のなかには厳然と数値で決められているものも多く、これらについての判断は曖昧なところはないと言える。
ホーン:112dB以下
ホーン:112dB以下
最近はホーンを社外品に交換することは少ないが、要はあまりにうるさすぎるものはダメ。また、メロディホーンのように音色が変わるものも車検は通らない。音の大きさは112dB以下という上限だけでなく、93dB以上と下限も定められている。
最低地上高:9cm以上
最低地上高:9cm以上
車高を下げるのは見た目もよくなるので装着している人もいるかもしれないが、社外のサスペンションだと下がりすぎることもある。9cmはどこで測るのかというと、マフラーやメンバーなど。サスペンションアームなどの可動部分は除くとされている。
エアロ:5cm以上
エアロ:5cm以上
車高が5cm以上あればいい場合がある。それがエアロだ。脱着できるものとして、本来の9cmを割っても大丈夫。ただし、フォグランプが埋め込まれているとボディと一体と判断されるので注意したい。ちなみに最低地上高は専用ツールで測定される。
排気音:96dB以下
排気音:96dB以下
騒音に対してはどんどん厳しくなっている。最新の基準はフロントエンジンの乗用車なら96dB以下で、加速時は76dB以下、巡航では72dB以下と細かく定められている。出口から45度で50cm離れたところで測る。社外品でうるさいのはほとんどが不可だ。
タイヤ:10mm以内
タイヤ:10mm以内
基準が緩和されて、10mmまでのはみ出しならOKと思っている人は多い。そもそも全部がはみ出ているのは少しでもダメ。タイヤがはみ出てもOKなのは最上部から前30度/後ろ50度の部分。この部分ならはみ出ても10mm以内であればOKというのが正しい。
透過率:70%以上
透過率:70%以上
ウインドウフィルムで注意したいのが透過率だ。前3面は透過率70%以上ないとダメで、紫外線カットの透明フィルムを貼るときは注意。とくに輸入車は元から色が付いていることがあり、その場合、透明フィルムを貼るだけで不合格になることもある。
テールランプについて
レンズが割れていたり、色が赤やオレンジ以外というのもダメ
ヘッドランプの光量については一番上で紹介したが、テールランプにも基準はある。一般的に尾灯、ブレーキ、ウインカーが複合されているだけに、基準は多い。たとえば尾灯は赤で、夜間において300m後方から確認できること。ブレーキランプは尾灯との差が5倍以上など複雑だ。
レンズが割れていたり、色が赤やオレンジ以外というのもダメ
Profile
自動車ライター
近藤暁史
自動車専門誌所属時代から、新車レポートだけでなく、メンテナンスやお手入れ系についても精力的に取材・執筆。実際に自らも車検を通したり、修理をするなど、実践派のライター。