車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.05.30 / 掲載日:2025.05.30

エンジンブレーキが効きにくい?原因と正しい使い方などを網羅的に解説

エンジンブレーキとは、坂道やカーブで速度を調整する際や、フットブレーキの負担を軽減する際に使われる機能です。

エンジンブレーキが効きにくいと感じた場合、故障を疑いたくなりますが、必ずしもそうとは限りません。エンジンブレーキの効きは、車種やエンジンの種類、車の特性によって大きく変わるのです。

そこでこの記事では、エンジンブレーキの仕組みから効きにくい原因、効きすぎる原因をご紹介します。正しいエンジンブレーキの使い方も解説しますので、この記事を読めばエンジンブレーキへの理解がより深まります。

ぜひこの記事を参考に、安全で快適な運転を心がけましょう。

1. そもそもエンジンブレーキとは

エンジンブレーキとは、アクセルペダルから足を離し、エンジンの抵抗力を利用して、車の速度を落とすブレーキのことです。

アクセルの踏み込みを止めると燃料供給も止まるため、タイヤの回転が減少し、スピードが下がります。

さらにギアを下げてエンジン回転数を上げると、エンジン内部の抵抗が増し、より強くブレーキがかかります。

大きく速度を落とす力はありませんが、緩やかにスピードを落としたい際にエンジンブレーキは有効です。

2. エンジンブレーキの効きやすさは車の性能による

ブレーキが必要な下り坂(イメージ)

エンジンブレーキの効きやすさは、エンジンの種類や車の特性によって異なります。故障が直接の原因で効きにくくなることはありません。

一般的に、排気量の大きな高回転型のエンジンは、内部抵抗が大きいためエンジンブレーキがよく効きます。逆に、排気量が小さく低回転型のエンジンは、抵抗が小さく低回転のため効きにくい傾向にあります。

また、マニュアル車(MT車)とオートマ車(AT車)でもエンジンブレーキの効きやすさは異なります。

MT車はドライバーがギアを自由に選べるため、エンジンブレーキを効果的に使えます。AT車は自動でギアが切り替わるため、効き具合を細かくコントロールできません。

ただし、AT車でもマニュアルモードやパドルシフト付き車種なら、MT車のようにエンジンブレーキを調整できます。

3. エンジンブレーキの効きが弱いと感じたら?故障している?

上記でご紹介したとおり、エンジンブレーキの効きやすさは、エンジンの種類や車の特性に大きく影響されます。

しかし、以前と比べて明らかに効きが悪くなったと感じる場合、単なる特性の違いではなく、以下のような原因が考えられます。

タイヤの外径変更

タイヤの外径を大きくすると、エンジンブレーキの効きが弱くなったように感じる

坂道の傾斜や路面状況

急な下り坂や滑りやすい路面は、エンジンブレーキだけでは十分な制動力を得られない

積載量

車に重い荷物を積んでいると、エンジンブレーキの効きが弱く感じる

運転の仕方

アクセルの使い方やギアチェンジのタイミングによっても、エンジンブレーキの効き具合は変わる

エンジンの故障が直接の原因で効きにくくなることは考えられないため、まずは上記のような外的要因や運転方法を見直してみましょう。

それでも改善が見られない場合は、専門業者に相談することをおすすめします。

4. エンジンブレーキの効きすぎは故障の可能性がある

エンジンブレーキを使用中、急にガクンと減速したり、いつもより効きすぎていたりする感覚がある場合、ミッション系の部品の故障が疑われます。

故障が原因であれば、通常、メーター内のチェックランプが点灯します。チェックランプは、エンジンやトランスミッションなどの異常を知らせる重要なサインです。

チェックランプが点灯している場合はもちろん、点灯していなくても、エンジンブレーキの効き方に違和感がある場合は注意が必要です。

ただし、効きすぎている原因は、専門的な診断なしでは特定できません。チェックランプの点灯や予期せぬ強いエンジンブレーキなど、少しでも異変を感じたら、すぐに専門業者に相談し、点検してもらいましょう。

早期発見・早期対応が、大きなトラブルを防ぐことにつながります。

5. 正しいエンジンブレーキの使い方

渋滞している様子(イメージ)

エンジンブレーキは、アクセルペダルから足を離すだけでかかります。より強いエンジンブレーキが必要な場合は、ギアを一段階ずつ下げていきます(シフトダウン)。

ただし、速度が出ている状況で急激なエンジンブレーキをかけると、後続車に追突される危険性があります。また、駆動輪にも大きな負担がかかるため、注意が必要です。

下り坂など速度が出ている状況では、フットブレーキと併用してスムーズに速度調整しましょう。

(1) エンジンブレーキを使うシーン

エンジンブレーキは、速度を緩やかに落としたい以下のようなシーンで有効です。

1. 長い下り坂 / 急な下り坂
2. 高速道路での減速
3. 滑りやすい路面(雨天・雪道など)での減速
4. 信号前での減速
5. 高速道路のSA/PAへの進入時
6. 高速道路の出口付近

(2) オートマ車(AT車)のかけ方

AT車は、シフトレバーを操作することでエンジンブレーキの強さを調整できます。

通常走行時は「Dレンジ」を使用しますが、エンジンブレーキを効かせたい場合は「2(セカンド)」または「L(ロー)」レンジにシフトダウンしてください。数字やアルファベットが小さいほど、エンジンブレーキは強く効きます。

最近のAT車には「Mレンジ(マニュアルモード)」が搭載されている車種もあります。「Mレンジ」では、シフトレバーまたはパドルシフトを用いて任意のギアを選択できます。「+」でギアを上げ、「-」でギアを下げれば、MT車のようにエンジンブレーキを細かく制御可能です。

シフトレバーの操作方法は車種によって異なるため、お車の取扱説明書を確認しましょう。

(3) ミッション車(MT車)の場合

MT車では、ギアチェンジによってエンジンブレーキの強さを調整します。高いギア(数字が大きい)から低いギア(数字が小さい)へシフトダウンするほど、エンジンブレーキは強くかかります。

たとえば、4速よりも3速、3速よりも2速のほうが強いエンジンブレーキがかかります。

1速はもっとも強いエンジンブレーキがかかりますが、通常の速度で使用すると急激な減速となるため、走行状況に応じて適切なギアを選ぶことが重要です。

6. エンジンブレーキに関するよくある質問

エンジンブレーキについて疑問をお持ちの人もいるのではないでしょうか。ここでは、よくある疑問点とその回答をまとめました。

1. エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しない?
2. エンジンブレーキとフットブレーキはどう使い分ける?
3. エンジンブレーキは燃費に影響する?

順にご紹介します。

(1) エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しない?

エンジンブレーキはフットブレーキとは異なり、ブレーキランプは点灯しません。後続車が減速していることに気づきにくく、追突される危険性があります。

フットブレーキを併用してブレーキランプを点灯させ、後続車へ減速を知らせながら安全な車間距離を確保してもらいましょう。

(2) エンジンブレーキとフットブレーキはどう使い分ける?

エンジンブレーキとフットブレーキは、それぞれ異なる特性を持つため、状況に応じて使い分けることが重要です。

単独で使うケース、併用するケースなど、状況に合わせた最適なブレーキ操作を理解しましょう。

ブレーキの種類 特徴 適した状況
エンジンブレーキ 緩やかな減速 長い下り坂、高速道路での速度調整、信号の手前、渋滞時など
フットブレーキ 強い制動力 急な停止、緊急時、交差点、後続車との車間距離が近い場合など

① エンジンブレーキが適している場面

エンジンブレーキを適切に使うことで、フットブレーキの使用頻度を減らすことで、ブレーキパッドの消耗を抑えられます。さらに、燃費の向上にも貢献します。

具体的には以下のような場面に適しています。

長い下り坂

フットブレーキのみを使い続けると過熱し、フェード現象を起こす可能性があります。フェード現象とは、ブレーキパッドとディスクローター間の摩擦熱が異常に高まり、ブレーキが効かなくなる現象です

高速道路での速度調整

緩やかな減速が必要な場合に有効です。燃費向上にも貢献します

信号の手前

早めにエンジンブレーキで減速を始めれば、フットブレーキの使用頻度を減らせます

渋滞時

停止と発進を繰り返す渋滞時では、エンジンブレーキを活用することで、フットブレーキの負担を軽減し、スムーズに運転ができます

② フットブレーキが適している場面

フットブレーキは、強い制動力が求められる場面で不可欠です。以下のような状況では、フットブレーキを積極的に活用しましょう。

急な停止が必要な場合

突然の障害物や飛び出しなど、急ブレーキが必要な状況では、迷わずフットブレーキを使ってください

交差点

一時停止や徐行など、確実な減速と停止が求められる交差点では、フットブレーキを使います

後続車との車間距離が近い場合

エンジンブレーキだけでは減速していることが後続車に伝わりません。フットブレーキを併用し、ブレーキランプを点灯させて減速を知らせましょう

下り坂でスピードが出すぎる場合

エンジンブレーキだけでは減速が追いつかないような急な下り坂では、フットブレーキを併用して速度をコントロールしてください

(3) エンジンブレーキは燃費に影響する?

エンジンブレーキは燃費向上に貢献しますが、効果は限定的です。使いかたによっては逆効果になります。

エンジンブレーキを使うとアクセルオフになり、エンジンへの燃料供給が止まります。さらに、最近の車には「フューエルカット」という機能が搭載されており、エンジンブレーキ使用時に燃料噴射が止まるため、より燃費がよくなるのです。

ただし、エンジンブレーキをひんぱんに使って加減速を繰り返すと、エンジンの回転数が変動し、かえって燃費が悪化します。エンジンブレーキをたくさん使っても、アクセル操作が多いと燃費は悪くなるので注意しましょう。

7. エンジンブレーキに関することはグーネットピットにご相談ください

エンジンブレーキは、アクセルを離したときにエンジンの抵抗を利用して減速する機能です。

フットブレーキと併用することで、安全な減速だけでなく、ブレーキパッドの摩耗軽減や燃費向上にもつながります。長い下り坂やカーブの手前では、積極的に活用したいテクニックです。

しかし、エンジンブレーキを使用中、効き方に違和感を感じたら専門業者に相談しましょう。「急にガクンと減速する」「効きすぎる」などの違和感は故障が原因の可能性があるため、放置すると高額な修理費用につながります。最悪の場合、走行不能になる危険性もあるでしょう。

グーネットピットでは、専門スタッフが丁寧に対応し、原因究明から修理までサポートします。お車の状態を把握し、最適な解決策をご提案しますので安心してご相談ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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